恋をすると理系になるアラサー
2日3日は好きな人と予想外の接触ができたため、
わたしは帰ってからも反省と考察を続けている。
(こういうときだけ理系脳になる文系のわたし)
昨日緊張しながら必死に作業していたせいか、
夜中に腕がジンジンと痛くて目が覚めた。
夜中に痛むなら日中は大丈夫だと思うとホッとした。
わたしは自分の経験上、
自分が困っているときに、
周りの人達が助けてくれるかどうかで、
その人の日頃の行いがわかると思っている。
わたしはどこに行っても下っ端だし、
まだギリギリ若いほうの女だし、
顔や態度に出るほうだからきっとわかりやすいし、
声を掛けやすい顔だから、
わりとどこに行っても助けてもらえている気がする。
いつも行ってる運送会社なんて、
わたしが全然困ってなくても、
周りの男性達はいつも声を掛けてくれるし、
作業を手伝ってくれたりするし、
たいしたことをしていなくてもお礼を言われる。
いつもそういう扱いをされているから、
わたしはよそに行っても人に優しくできるんだと思う。
好きな人の工場は、
いろいろ緩くて適当だけど、
基本的には私語厳禁で、
いつもあまり明るいとは言えない雰囲気だ。
だからかあそこに来るタイミー達も静かな人が多い。
でもわたしはあそこに来るタイミーの中では、
間違いなく若いほうだし、
結構よく来ているので、
同じようによく来ていてよく喋るお姉さま方とか、
不慣れでわからないことがあって困っている人とかによく声を掛けられたり自分から声を掛けたりもする。
タイミーは意外と助け合いが大事なのだ。
お互い知らない会社に来ているのは同じだから、
困ったときには助け合えるようにと思うのか、
よく来る会社だから目をつけられないようになのか、
わからないけれど、
タイミー同士は結構知らない人が相手でも、
困っていたら助け合っている気がする。
昨日の朝、
わたしは好きな人が締切に追われている作業を必死で手伝った。(前回記事参照)
あのとき彼と一緒に3号機で作業をしていたのは、
普段はあまり見ない障害者の女の人だけで、
タイミーを入れるつもりだったからだろうけど、
急いでいるわりに機械の持ち場は2人分空いていた。
昨日はパートさん達も少なかったからかもしれない。
でもあのときは社員のクソ女も、
自分が使いやすくて声を掛けやすいわたしをさっさと連れ去って、
残ったタイミーを1階に回そうとしていた。
あの感じだと、
サイコパスおじさんも好きな人も、
緊急事態が起きたことはおそらく彼女には言っていないんだろう。
この工場は社員同士でも、
「シーツできるタイミー連れてきて!」
とか言う感じではないのかもしれない。
あのときあの場所に入ったのが他のタイミーなら、
彼が「10時までにやんなきゃいけなくて…」と言ってあんなに急いでシーツを入れていても、
せいぜい「はい」と返事をすれば良いほうで、
(ここは工場だからか返事すらしない人も結構多い)
ほぼ無言で持ち場に入って黙々と作業をするだろう。
「やばーい!」なんて言って、
脇目も振らずに必死で作業するタイミーは、
きっとわたしくらいのはずだ。
そして好きな人が持ち場を抜けたときのあの態度。
朝から急かしたわりにはお礼も言わずに、
「オレンジのばかり入れてた?」と確認だけして、
彼はさっさと去っていった。
いつもの運送会社のドライバーさん達なら、
時間に間に合わなかったとしても、
「ありがとう!助かったよ!」
くらいはみんな言うはずだ。
明らかに年下のわたしが相手でも、
繁忙期で忙しくても、
手伝っていた作業が終わると、
「ありがとうございました」と言ってくれるドライバーさんだって少なくない。
好きな人にこんなことは言いたくないけれど、
あんなんだから困ってるときに誰も助けてくれないんだよ!!!
とわたしは思う。
わたしは男でも社員でもないからわからないけどさ!
いろんなところでいろんな人と一緒に働くけれど、
わたしは好き嫌いで仕事をするタイプの人間なので、
「この人が困っていたら絶対に助けたい!」
と思う人とそうは思わない人がいる。
わたしの好きな人はもしかしたら後者になってしまうタイプなのかもしれない。
一昨年の年末、
年末年始にこの工場で短期バイトをしないかと、
彼がよく来るタイミー達を誘っていた噂は聞いたけれど、
断った話しか聞かなかったし、
人狩りみたいでみんなちょっと引いていた。
わたしに声を掛けてくれればよかったのに!と思ったけれど、
もしかしたらあのときも誰も彼には協力してくれなかったのかもしれない。
これがもし近くのリネン工場の、
いつもニコニコしている29歳のお兄さんだったら、
彼が困っていたらタバコ仲間の明るいお姉さまが、
きっとすぐに助けに来てくれるのが目に見える。
あのお姉さまなら仲間達も引き連れてきそうだ。
もしあのお姉さまが忙しくて助けられなくても、
「大丈夫?」くらいは言いに来るに違いない。
やっぱり自分が困ったときに、
周りの人達に助けてもらえるかどうかって、
結局は自分の日頃の行いなんだよ!!!
一昨年の夏、
過労と脱水と熱中症で仕事中に倒れて救急車で運ばれて1か月以上寝込んでしまうまで、
誰にも助けを求められずに必死に働いていた、
わたしの好きな人。
去年の3月、
5人募集なのに誰も申し込まないから、
わたしは心配になって申し込んで行ったら、
まさかの1時間半も残業を頼まれて引き受けたのに、
あのときもお礼の1つすら言わなかった、
わたしの好きな人。
おそらくアラサーなのに敬語が使えなくて、
とりあえず語尾に「〜かい?」か「〜かな?」を付けて知らない人に気を遣う、
わたしの好きな人。
過去のいろんな出来事が繋がるような気がした。
そしてわたしのここまでの考察が合っていたらとしての仮定だけど、
好きな人があんなに困って焦っているのに、
誰も自分を手伝ってくれない状況で、
隣で必死にシーツを入れていたわたしは、
ちょっとインパクトあったんじゃない?
と自分でも思うのだ。
だって他にそんな人ここにいないでしょ?だからそろそろわたしのこと好きになってくれてもいいんじゃない?!今日休んでるときにちょっとはわたしのこと思い出したりしないかなぁ。
でもあの人はもしかしたら、
人に優しくされた経験があまり無いのかもしれない。
女は若ければとりあえず優しくしてもらえるけれど、
きっと男の人はそうでもないんだろう。
わたしは彼をカッコいいと思うけれど、
ここのパートさん達は、
「ここにはイケメンはいない」とよく言っているし、
おそらく160センチもない工場勤務の男の人が、
今までの人生モテてきたとはとても思えない。わたしは好きだけどね!!!!!
今日はずっとそんなことを考えながら作業していた。
彼はやっぱりお休みで、
靴箱にボロボロの上靴が今日はきれいに並んで置いてあった。
今日もクソ女が案内役だったので、
わたしは、
「昨日はごめんなさい。今日は3階でも大丈夫です!明日はだめですけど!」
と一応言ってみた。
でも今日は誰も3階に送られなかった。
こういうときに限ってまっすぐ1号機に入れてしまう不思議。
1号機にいた苦手なギャルおばさんが、
初めてわたしのことを名前で呼んできた。
でもギャルおばさんが他のタイミーに入れ方を教えていなくなった後に、
他のタイミーさんはなぜかわたしに改めて入れ方を聞いてきたので、
やっぱりみんな派手で声が大きくてよく喋る彼女が苦手なんだろうなと思った。
わたしは好きな人がいないと欠伸が止まらなかった。
夕方から別のタイミー達が来たので見ていたら、
なんか見たことのある男の人がいた。
一昨年の夏、
毎日のように一緒に働いていた、
3個上のバツイチのチャラい男の人だ。
彼はお喋りで世間的にはイケメンの部類に入るので、
ここのパートさん達は結構デレていた。
わたしは初対面から「清楚ですね!」とか、
「俺一途ですよ!」と声を掛けてきて、
学生時代の武勇伝を仕事中に延々と話す彼が、
あまり得意じゃなくて、
なるべく隣にならないように避けていた。
意識して避けるのも結構疲れるから本当に嫌だった。
あの頃は好きな人が寝込んでいるのを知らなくて、
わたしが来ても来ても全然彼は来なかったので、
わたしは物凄く機嫌が悪かった。
あの状況でさらに全く好みじゃない男の相手をするのはとても無理だった。
あの夏以来見ていなかったため、
あまりにも久しぶりだったので、
わたしが驚いて見ていたら、
チャラ男はわたしに気づいて手を振ってきた。
好きな人が見ていなくてよかったと本気で思った。
これからまたここで会うことがあっても、
お願いだから好きな人の前で声掛けてくんなよ!!!
いよいよ9連勤が無事に終わりそうなところで、
わたしはまた新たな不安が生まれたような気がした。