12/1文学フリマ東京39

文学フリマ東京39

今回、二度目の参加でした。
前回出てみて、もやっとした何かが掴めたような気がして。
そのもやっとした何かは、今でももやっとしたまんまだけれど、兎に角前に進まなければと私を押してくれる存在だった。

今回、新刊として書いたテーマは今生できっともう、二度と会うことのない人を忘れないようにしたくて書いたものだ。
タイトルも「もう会えない人のこと」と、そのまんま。
前回と同じく中学校からの親友の碓井拉麺氏が表紙を描いてくれた。
ふと、思い出したけれど中学校の頃、私が小説家になって、碓井がその装丁をして、そしていつか二人でCLAMPみたいになろうよ!なんて、冗談めかしく話したことがある。
私たちは曲がりなりにも夢って叶えに行っているんだなあと気づいた。
やっぱりなりたいものややりたいことって馬鹿にされても口に出すことが大事なのかも。
まだまだCLAMPには道は遠いけれどね。

最近だと、クリスマスマーケットに行きたい!でも横浜赤レンガ倉庫まで行くのは遠いしなあなんて思っていたら偶々みえかちゃんとお散歩していた上野公園でクリスマスマーケットがやっていてラッキー!なんてことが。
笑っちゃうくらい些細なことだけれど、それでも夢が叶うって嬉しいものだね。
二人でホットココア飲みながらお散歩したよ。

今回は既刊本「暇をいただきます。」20部、
新刊「もう会えない人のこと」を60部刷りました。

えーん印刷代高いよーなんて半泣きになりながらもてんやわんやしてたけど、noteを読んでくださる方、日々の労働のおかげでなんとか刷れました!
本当にありがとうございます。

私の小さな活動を応援してくれて、本を手に取ってくださることに救われています。

当日はストリップをやっていた時のお客さんにも会えた。ステージは見たことあるけれど、とかストリップ行く勇気ないけど行ってみたいとか、前回読んだ既刊本が面白かったからとか、そういったさまざまな方と巡り会えることも本を作ってよかったと思えることでした。
本当は作家になって食べていけたらかっこいいけれど、道は険しくて。
でもそんな中でも、こうして本を製作すれば会いたい人には会える。
自分の足で、心で、ペンで会いたい人に会いに行きたい。そうやってお会いした皆様に勇気づけられました。

私にはSさんというお客さんがいました。
ストリップ劇場で出会ったお客さんで、ずっと応援して会いに来てくれていました。
「ひなみちゃんのステージが大好きだけれど、僕は人柄も含めてあなたの人生を応援しているからね」と声をかけてくれるような、無理強いをさけないようにと思いやりのある優しい方でした。
その方のことは既刊本と新刊にも書かせてもらっています。

Sさんは今年の三月にこの世を去りました。
それを教えてくださったのはSさんのお兄さんでした。
お兄さんが文学フリマにわざわざ会いにきてくださりました。
弟の私物を整理したら大事そうにこれを持っていましたと、私がストリップをしていた時に作ったグッズを持ってきてくれました。

泣きそうになるのを堪えることが精一杯で気の利いたことを何も言えませんでしたが、お兄さんとSさんの顔がとても似ていて懐かしい気持ちにもなりました。
お兄さんの中でSさんは生き続けているように、私がSさんのことを忘れなければSさんはいるんだろうな。
もう今生で会って言葉を通わせられないこと、ステージを観てもらえないこと、そういったことを考えるともっと無理してでもステージに立てばよかったのかなとか色々な後悔はあります。
その後悔も含めて私の人生で、取りこぼさないように必死になる度にそれは手からどんどん溢れてしまう。きっと誰しもそういった経験ってあるんだろう。それを抱えてみんな日々を生きているんだろう。
お兄さんが、またSさんの元に私の本を供えるからねと言ってくださりました。
Sさんが前向きに私のことを応援してくれていたからこそ、お兄さんとのご縁もできたと思っています。

今回の文学フリマもやっぱり参加できてよかったです。
みなさまありがとうございました。

高校の友人、えるこ氏が作ってくれたよ
文学フリマで買った本

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明明
いつもご拝読、サポートありがとうございます。 いただいたサポートはステージ衣装や雑費などに使わせていただいております。