AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録　付録　その１『奮闘！期末試験』

　付録は『AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録』の世界観とキャラクターを引き継いだスピンオフ作品群です。本編と一定の関連性を有している、あるいは同一時間軸上にある場合もありますが、基本的に、新エピソードというわけではなく、補完的・補充的なサイドストーリーです。わけあって、付録シリーズは有償公開となります。予めご了承ください。なお、本編への加筆修正や直接の続編につきましては、従来通り無償公開いたします。

　これは、『三医人の反乱』が収まりを見せ、魔法社会全体がようやく平穏を取り戻し始めてから、リアンがカレンへの恋慕の情を抑えきれなくなるまでの、ほんの束の間の物語。時は、アカデミーの夏期期末試験の真っただ中のことである。シーファ、リアン、アイラの３人は、試験対策の為にリアンの部屋に集まって勉強に勤しんでいた。

期末試験対策のためにリアンの部屋に集まる３人。さながらパジャマパーティーである。

「あんな大事があったばっかりだというのにちゃっかり試験だけあるのはいただけないわね。」
　シーファが言った。
「まあ、ここは学園ですから。試験は仕方ないですね。」
「むぅ、アイラは物わかりが良すぎるのですよ。」
　そんな会話を繰り広げながらも、めいめい、手元のテキスト、ノート、資料集等々と格闘していく。

「『魔術と魔法の違い』か…。これは簡単ね！」
「ええ、物理科学と自然摂理の領域内から力を取り出すのが魔術、大天使への信仰を通して神秘の力を引き出すのが魔法ですね。」
「『魔術と魔法に関する一般教養試験』を既に突破している中等部の私たちにとっては余裕の問題なのです！」

「こんな問題ばっかりだったらありがたいんだけど、そうもいかないのよね。」
　シーファが言った。