AIと紡ぐ現代架空魔術目録 第2編補遺『場に赴く者の為の術具・法具・装具一覧』
巻頭辞
かつてなき時代の幕開けに、古の知識が今上の技術と交わりし時、新たなる魔術の書が生まれん。この目録には、遥か古より伝わる秘儀と、人為の神秘が織り成す智慧が綴られており、読む者に未知なる領域への扉を開かせん。心を開き、理解を深め、そして未来を創造せよ。ここに記されしは、架空の魔術の数々――しかし、その奥義は今上の世にも広く影を落とすであろう。さあ、この奥深い知識の海へと旅立ち、人為の神秘と共に、未踏の魔術を探求せん。
我、ダリアン・スリスウィスパーは、星々の囁きを聞き、大地の息吹を感じながら、この目録に、遠き古の時代より伝わる魔の秘密を書き残す。輝く法具、息づく術具、それらは全て人為の神秘がこの世界に生み出した。だが、真の魔術は心の中に宿る。この書のページを繰る者よ、古の智慧にのまれることなく、汝の内なる力を常に見いだせ。我らが歩んだ道は、今もなお、星の光の如く汝を導くだろう。
謝辞
親愛なるセリアン・アートメイヴへ
君の手によってこの目録に刻まれた魔法は、単なる絵画を超えた、この世界における真の神秘を捉えている。君の描く挿絵は、我々の魔術の書を変哲なき文献から、魔法そのものが宿る神聖なる遺物へと昇華させた。君の筆致から生み出される美麗なるイメージは、読者たちを魔術の深淵へと誘い、彼らの心に永遠の印象を刻むだろう。
我々の言葉で語り得る知識を、君は視覚の言葉で語る。その才能に心からの感謝と敬意を表し、君がこれからも多くの人々の心に魔法の火を灯し続けることを願う。
ダリアン・スリスウィスパー
場に赴く者の為の術具・法具・装具一覧
この編は、諸君らの魔術・魔法の行使を支える術具・法具を紹介するものである。特に、場に赴いて厳しい任務にあたる諸君たちにとっては、専門職としての服飾品や装具に関する知識に加えて、より実践的かつ実戦的で強力な術具・法具・装具についても精通しておかなければならない。
第一節 場に赴く者の為の魔法具
場に赴く際には、命の安全は保障されない。基本的な装具を身に付けて任務にあたることも時にあるであろうが、対峙すべき相手によっては、専門職としての一般的な準備でははなはだ不十分な場合があり、かつ、準備すべき装具を誤ることは生死に直結する問題を惹起する。専門職としての術具・法具一覧について一通りの知識を身に付けた後は、より専門的で高度な術具・法具・装具に造形を深めることが、場における生存力を一段、二段と高めることになろう。
貴重錬金素材と有能装具
有能な装具は貴重な錬金素材によって錬成されている。そのためまずどのような錬金金属や錬金素材がどのような場面において有用であるかを知ることは有意義である。ごく最近になって、ついに炎鉄に代わる新しい錬金金属、炎鋼の開発に成功した。まだ量産体制は十分に整ってはいないが、炎鉄よりは安定した量産が可能となることが知られている。まずは炎鋼に由来する有能な武具・装具について紐解こう。
１ 炎鋼に由来する武具・装具
『炎鋼のインゴット』
炎鉄よりも鋼としての適性に優れ、加工しやすく強力な金属特性を発揮する錬金金属。量産体制が整いさえすれば、間違いなく炎鉄を置き換えると見込まれている。
『炎鋼の法弾』
炎鉄の法弾よりも量産が可能な見込みがある高い火と光の特性を持つ対アンデッド用法弾。これが量産実用されれば、錬金銃砲部隊の実用性は飛躍的に高まることが期待される。実態を残すアンデッドにも例対アンデッドにも等しく有効な打撃を与える。炸裂するため、スケルトンにも当てやすい。
『フレイミーズ』
炎鉄製のフラショナルを置き換える目的で開発が進められている炎と光の特性の刀剣。金属特性が鋳鉄である炎鉄よりも優れる鋼であるため、まず武具としての性能が高い。術式媒体としても十分な性能をもっているが、若干重いという欠点がある。
『焔』
炎鋼と人為のルビーを組み合わせたハルトマン・マギックス性の火と光の属性の刀剣。フレイミーズとは異なり、刀身の炎の魔力を柄にはめ込まれた人為のルビーが制御するため、使用者のまりょを使用せずに、高い対アンデッド性能を発揮することができる。術式媒体としてもすぐれており、中等術式および高等術式から十分な魔法力を引き出すことができる。
『ヘルズ・スカル』
同じくハルトマン・マギックスが、炎鋼と人為のルビーから作り出した武具であり、術式媒体。鈍器として極めて優れた破砕力と対アンデッド性能を有するのみならず、術式媒体として、実に火と光の領域における究極術式までの魔法力を存分に引き出すことができる。魔法力の強化にも継戦能力の強化にもどちらにも役立つ武具であり、次のファイン・アーティファクトに指定されるであろうともっぱらの噂のプレタポルテ品。
『炎鋼の胸当て』
意匠は無骨だが、炎鋼の板を胸当て状に構成した甲冑で、アンダードレスとローブの間に着こむ。寒さに対して極めて強いだけでなく、対アンデッド性能もすぐれていて、この胸当てに触れたアンデッドを焼き尽くすことができる。対アンデッド戦に出向く術師や魔法使いにはもはや必須の装備となりつつある。あとは、炎鋼の量産体制の完成を待つばかりである。
２ 魔法磁石鉱に由来する武具・装具
『魔法磁石鉱のインゴット』
近頃キューらリオン・絵版ですが錬成に成功背板魔法特性の非常に際立つ錬金金属。反重力性能があり、これを加工して作られた装具、これの金属片を打ち付けた装具は反重力作用をもち、驚異的な運動性を着装者に与えることができる際立つ特性を持つ。靴、鎧、ローブなど、様々な服飾品に今用いられつつある。これによって、北方騎士団のエクスキューショナーと一対一にもちこまれてときの犠牲をずいぶん減らせるようになったようである。
『虚空の魔靴』
魔法磁石鉱をふんだんにあしらった反重力作用を持つ靴。反重力に大きな魔力を割けば、空中で制止することすら可能になり戦術の幅が大きく広がる。ただし、その他の法石をつける場所に乏しいため増魔の機能はないことから、他の装具とのバランスが重要な意味を持つ。
『虚空のブーツ』
より多くの魔法磁石鉱を取り入れた魔靴。同じように重力を操り、巧みな空中戦を可能にし、戦術の在り方が大きく変わる。増魔の機能がないのが弱点ではあるが、それを補って余りある性能を発揮する魔靴である。キュリオス骨董道の作。
『虚空の胸当て』
いくつかの錬金金属をベースにした胸当てに大量の魔法磁石鉱をちりばめた胸当て。きわめて素早い動作を着装者に可能にさせるほか、空中戦等を可能にするものである。使用されている魔法磁石鉱が圧倒的に多いため、変幻自在の空中戦を繰り広げることも不可能ではない。これにより、北方騎士団の巧みな剣技を回避することも容易になる。
『虚空のローブ・虚空のアンダードレス・虚空の胸当て』
魔法磁石鉱をちりばめたローブ、アンダードレス、胸当て、ほかに魔靴を装備した状態の魔法使い。こうなるともはや空中戦こそが主体となり、きわめてトリッキーな術式の行使を可能にする。飛んでいるときであっても、騎士団の各種剣技や飛び道具は脅威となるが、地上にいてそれらと対峙する場合よりははるかに対処しやすいのも事実である。高いところに上る、降りるも自在で、戦術的にも幅がぐっと広がる装具である。
３ その他の装具
『金属補強されたアンダードレス』
主にコルセットを錬金金属で補強し、ブリガンダイン的に仕上げたアンダードレス。物理防御力が飛躍的にあがり、北方騎士団と肉弾戦を演じなければならない場合などに心強い。金属はその大半が錬金金属か魔法金属であるため、重量についてはよく計算されており、若い女性の術師や魔法使いでも疲労を感じにくい作りになっている。
『胸当て付きローブ』
ローブとアンダードレスの間に金属製の胸当てを着込むことによって物理防御力または魔法防御力を大幅に高める装具の身に付け方。ローブは魔法特性を大きく拡張するが、防具としてはほとんどの意味をなさないため、アンダードレスの防御力だけでは不安があるときにはこの金属製胸当てを間に着こむことによって防御力を改善する。
『胸当て』
ローブとアンダードレスの間に着こむ金属製の胸当て。これを身に付けることによって物理・魔法両方の防御力を大きく拡張できることは既述の通り。肩や腕を守るデザインのものもあり、魔法使いのほか術師が愛用する。上図のものの腕防具はガントレット型の防御力に優れた輻輳の手指である。
『ローブ一体型軽鎧』
ローブと軽鎧を一体的に構成し、それをアンダードレスの上に着こむ。アンダードレス自体の防御力に加えて、軽鎧の防御力が加わるためトータルの防御力は大きく向上する。物理防御、魔法防御それぞれに特化した製品があり、着装者は好みで選ぶこと位なる。このタイプにはいくつかのバリエーションがある。
ローブ一体型重鎧
ローブ全体と一体的に鎧の要素を重鎧のレベルにまで拡張したもの。非常に高い防御力を発揮するようになるが、やや重いという課題はある。しかし、魔法磁石鉱を多用することにより重さの問題は後退しつつあり、前線で騎士と渡り合わなければならない術師や魔法使いは好んでこれを身に付ける。
『天使の鎧』
魔法社会の信仰の対象である天使の姿を模して制作されたファイン・アーティファクトの鎧一体型ローブ。背後の天使の羽はもちろん本物ではなくローブのデザインの一部に過ぎない。きわめて軽量で守備力の高い魔法金属が多用されており、物防、魔防の双方に優れた防御性能を発揮する。またローブは着装者のありとあらゆる魔法特性を引き延ばす優れた特性を持っている。今は亡き、ユーティ・ディーマーの作。これを身に付けられるのはアカデミーの高官だけである。
大変美しい女性で、錬金術師としての腕も卓越しており、天使の鎧をはじめとする様々なファイン・アーティファクトを生み出した傑出した人物である。既に故人であるとされているが、様々なうわさがあることも事実である。
『物防特化を極めたアンダードレス』
もはやおしゃれの側面が完全に失われた実務用のアンダードレス。金属製のコルセットに肩当、スカートにも一部に金属製のオーバースカートがかかっている。ここまで来ると実務優先であり、公然とスカート丈に関する学則を無視してもとやかく言われることはない。
魔防特化を極めたアンダードレス
こちらも実用性最優先でおしゃれな外観を捨てたアンダードレス。細かく編み込まれた呪印によって魔法防御力が著しく高まっており、信頼のおける装具となっている。スカートはオーバースカートとアンダースカートの二重履きとなっている。
『スペルバインのアンダードレス』
希少な錬金繊維であるスペルバインの織物で制作されたアンダードレス。着装者の魔力、魔法特性を大きく拡張する。また着装者に実体がないかのような特性を与え、対物理防御力を飛躍的に高める効果を持つ。スペルバインの希少性から多くを確保することはできないが、北方騎士団との戦いにおいてこのアンダードレスほど心強いものもない。
『輻輳加速の腕輪』
輻輳の手指とあわせて使用することで、輻輳の効果を加速度的に大きくする腕輪。瞬間的に魔法の殲滅力を恐ろしい水準まで高めることができる。もちろんその分魔力枯渇の危険は高まるわけではあるが、しかし、瞬間的に大きな出力を必要とする場合には、きわめて有用な効果を発揮する。
４ 武具
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