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第7講 特殊な時制をとる場合
直説法における述語動詞の時制は、その分において表現される事象・事柄の生じた時期に基づいて決定される。現在の出来事であれば現在形、過去の出来事であれば過去形、過去と現在の関連を述べるなら現在完了といった具合である。しかし、この大原則に反するいくつかの例外が存在しており、それが「時・条件を表す副詞節」内の述語動詞の時制であり、いまひとつは「仮定法現在」と呼ばれる文法である。これらは原則を外れた例外的な時制の用法であり、通常選択すべきものとは異なる時制をとることになるので注意が必要である。特に前者において、「時・条件を表す副詞節」は例外的時制を選択するが、間接疑問の「時・条件を表す名詞節」や関係副詞の「時を表す形容詞節」ではこの例外は適用されず、各節内の述語動詞は本来あるべき時制を選択する。節の品詞も関わってくるため単元横断的な理解が求められる内容である。なお、節の品詞については項を改めて解説する。
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