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想像の世紀へ。インタラクションデザインの研究室を定義する

渡邊研究室の渡邊恵太です。

研究室からのお知らせや、研究室の活動の考え方をまとめていきたくnoteをはじめました。よろしくおねがいします。

研究室の定義の探索

研究室という組織を運営する上でも、ヴィジョンやミッションを掲げることが必要になります。毎年アップデートしていたりしますが、アップデートする中で徐々に落ち着いてきましたので紹介します。

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渡邊研究室とは

渡邊恵太研究室は2013年に明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科にできたインタラクションデザインの研究室です。

コンピュータとインターネットによるデジタル化は、ものごとの万能化(メタ化)を実現します。これによりメディアや分野、あるいは物や情報の境界が融け合い、産業、社会、体験の仕組みを新たに再設計する時代が到来しています。

一方で、この自由な万能性はそれだけでは価値になりません。この万能性に対して、特定の価値(What)を設計する必要があります。これには、情報技術的なもモノの見方だけでなく、人間的、文化的、社会的なモノの見方(いわゆる文系的なモノの見方)の両方が必要になります。

こうした視点に基づき、情報技術と人とのよりよい関係性、 体験価値を生み出す仕組みづくりが我々の「インタラクションデザイン」のミッションです。

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と、こんなふうにまとめてみました。

融けるデザインでも書きましたが、コンピュータはメタメディアが特徴で、デジタルという方法によって何でもできること可能性を示したことが特徴です。ただ何でもできるということは、技術として広く大きな可能性を示しているだけの状態です。何であるのかは示していないことが問題です。ですから、多くの人々がそれを自分にとって価値があるよう感じてくれる設計、手法があるのか?ということが課題になります。

そこで、HCIの研究者たちは人との接点を持つために、インタフェースや係わり方の設計が必要になり、そこでは生活や文化のメタファを取り入れて表現したり、人の知覚的身体的な特徴に合わせて表現したりの試行錯誤が行われてきたわけです。

おそらくこの状況は、今日でも続いているばかりか、このコンピュータの万能性はさらに拡張しています。コンピュータはインターネットに繋がり、さらにはワイヤレス化、小型化しIoTというかたちで画面の中にとどまらず世界に融け込み、我々の生活に知覚的にも物理的に介入可能になっています。3Dプリンタもまた、コンピュータが物質も生成できることを示したわけです。

コンピュータの万能性がもたらす「想像の世紀」へ

こうした万能性の下に、万能性自体の拡張や確実性も研究対象ではありますが、同時に求められるのは我々人類の想像力です。想像力が万能性を価値に変えます。たとえば粘土は柔らかい土の塊なわけで、表現という意味においては万能的ですが、使う人によって表現や価値が変わってくるわけです。デジタルテクノロジーも粘土に似たようなものですが、その表現や機能性や連携性、グローバル性は比になりません。コンピュータは粘土も表現可能なくらいにはメタなテクノロジーだからです。

人類を除外しない前提においての最高の世界をつくる

デジタルテクノロジーにおける、インタラクションデザインは、この進みゆく万能性をどう利用し、人々の世界に適切に利用し世界体験をアップデートするかを考え設計することです。テクノロジーだけを考えれば人々を介入させないほうが効率がよい場合があります。その場合はインタラクションデザインは不要になるでしょう。しかし、我々の幸せや豊かさが第一とするならば、この万能性の設計にはインタラクションデザインは欠かせないものと信じています。

さて、最後にイベント予告です。

2019年3月8日(金)、3月9日(土)研究室プロトタイプ展を実施します。場所は明治大学中野キャンパス6Fです。

渡邊恵太研究室 研究プロトタイプ展 2019
インターネット中心設計  〜ネット前提で考えるインタラクションデザイン〜

また、同時に8日にて以下のイベントを同キャンパスホールにて主催開催します。

「さよならメインストリーム」
解なきダイバーシティ時代のアイデアとビジネスを実現するプラットフォームとエコシステム

こちらは、数名のゲストを迎えて、デベロッパーを中心としたプラットフォームとエコシステムから発想するサービス設計手法とビジネスモデルに関するカンファレンスとなります。こちらのイベントは3月8日(金)午後からの開催予定です。

詳細は近日公開します。noteフォローしてね!

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