加美町という神町
休職、復職、転勤、妊娠、流産とあまりにも情報が多かった上半期。
強く、逞しくなったものの、それなりに疲弊した。
沢山の人に励まされ、支えられ、私は今日も元気ではあるけど、人生で最も癒しを求めてもいた。
ふとした瞬間に浮かぶものってあるだろうか?
癒されたい、落ち着きたいという時に。
私は物心ついた時からとにかくキャラものが好きで、主に幼少期はキティちゃん(サンリオしか勝たん)→10代初期はお茶犬(san-x全盛期)→中学以降はカピバラさん(ここでまさかのTRYWORKS)(好き過ぎて専門店スタッフにまでなる)(カピちゃんだけは20年来のファン)→社会人になってモルカーetc... という特異なキャラ遍歴を辿ったが、昨年また新しい出会いがあった。
ぼのぼの。
イッツぼのぼの。
ほろ酔いのゲーセンがとにかく好き。
絶対に要らない、売っていても買わない、悪意を持って決して取れないよう魔改造された機械に閉じ込められた“この世の無駄”を愛し、時間を費やし、金を溶かし
誰からも笑われるそんな時間がたまらなく好き。
そんな数多の“無駄”達の中で、とりわけ泣いていた。ガン泣き。可哀想に、これは取るしかないなと。
ぼのぼの、というコンテンツ自体は何となく知っていたし、なぜか分からんけどめっちゃ泣いてるし、まぁそれも可愛いし、夫婦の財布(現金ver)として持ち歩くようになった。
しばらくして、旦那が初期アニメ(1995年版)を見つけてくれて見るようになった。
とにかく柔らかいのにどこか刺さるような画風、声優さん達、不思議な魅力のある主題歌
とにかく斬新な惹かれ方をした。
ゾッコンとも、中毒ともどこか違っていて
小1の頃に見た小6というか、なんというか。
とにかく「素敵」と思ったのだ。
漫画アプリで原作も読むようになった。
後から知ったけど、アニメは作者のご意向でギャグに特化したらしい。
酷く納得した。原作は、とにかく大人の心にブッ刺さる哲学的な思想が散りばめられている。
シマリスくんはどうしていぢめられるのか
体が小さいからか。体が大きくなったら、逆にだれかをいぢめてしまうのか
ぼくとは友達でなくなってしまうのか?
子供と大人の境界はどこなのか。
ある日突然大人になるのか、なった時、だれか「なったよ」と教えてくれるのか。
そうでないなら、どうして大人たちは自分が「大人だ」と言えるのか、いつ気付いたのか。
んん゛んん゛ん〜〜〜〜〜〜
小説にしろ漫画にしろ、物語を生み出す人ってどうしてこうも巧みに人の心にブッ刺さる言葉を紡げるの????天才?????
とにかく、辛い時にふとぼのぼののシーンが浮かぶようになった。
旦那は相変わらず、ぼののガチャガチャを見つけては回してくれたり、期間限定ショップの情報などを見つけてくれていた🦦
そして今年、色々な事を経験して、
「あ、疲れたな」と確信した時、旦那が『宮城県加美町がいがらしみきお先生の故郷で、記念館が出来たんだって』と教えてくれた事を思い出した
「加美町に行きたい、付き合ってほしい」と頼み、行動に移すまでは1ヶ月かからなかった。
弾丸ぼのツアー
宮城県自体は実は2度目。
結婚旅行が東北3県酒まみれツアー(青森、岩手、宮城)だったので、僅か1年半ぶり。笑
マイ・ぼのを携帯していざ行かん。
金晩に飛行機でひとっ飛び、前乗り完了。
ドーミーインで夜鳴きそばdébutをキめ、準備万端。
土曜日は丸一日加美町デーにしましたよっと。
【仙台文学館】
朝9時半の凸だったので、おそらくまだ本調子ではない従業員さん達が「アラッ…?お財布、ぼのぼの…?? かわいい! かわいいですねそれ…☺️」というほんわかした対応してくれた。
そして私のトートバッグから覗く巨大ぼのぬいぐるみを5度見していらっしゃった。( ˙∞˙ )<コンニチハ!
いがらしみきお先生コーナーに大興奮。
写真とりまくり。
ここに寄った時点で、宮城県まで来た価値があった。朝イチで空いてて良かった…!(だいぶ独占させて頂いた)
ぼのぼの以外のいがらしみきお作品に触れた事が無かったから、人生史、デビュー作、過去のボツ案や原画等々、、、興味深深の深。
意外にもホラーが多く、生死をテーマに深く切り込んだ作品があって、「哲学性は一貫していたんだな…」と感心。
宮城県はじめ、東北にゆかりのある作家さん達の紹介、詩人達の一節、影絵の歴史
いろんな文学に触れる事が出来て、なんやかんや常設コーナーだけで何と1時間。
しこたま楽しんだ。ありがとう仙台文学館…。
図録「ぼのぼのたちの杜」を購入し、いざ加美町へ。
仙台市内から加美町は下道で1時間半ほど。
電車とバスを乗り継ぐことも出来るけど、本当に、本ッッッッ当にバスが無いのでレンタカーがおすすめ。我らも無論車借りました。
道中、不覚にも煽られたので、後方窓ガラス越しにぼのぼののぬいぐるみを見せつけて煽り返した(?)ら、なんとスーーーッと車間距離を空けて頂いた。ぼの効果絶大で笑う。
( ˙∞˙ )<ヤッタネ
【加美町/中新田図書館】
夢に見たぼのぼのベンチが…!!!!
大はしゃぎで写真を撮っていたところ、男性が声をかけて下さった。「2人じゃ撮るの大変でしょう、撮ってあげるよ。どこから来たの? …大阪?大阪!!!????ぼのの為に!!!?????」
何て素晴らしいリアクションなのだろうか(詠嘆
サラッとぼのぼのを“ぼの”と略すあたり、いかに市民権を得てるかが分かりやすくてすてき🦦
図書館の中のぼのぼの館は、楽しくて、本当に楽しくて。撮影許可証を受付でもらって、ここも30分くらい居たかな。
写真いっぱい撮ったけど、それはまぁ行った人のお楽しみという事でnoteでは出し惜しみ。
図書館自体が公園の芝生だったり木々に囲まれていて、ほのぼのしてて良かった。
児童館も併設されているから、ちびっこものびのび遊んでいた。大人も子供も、家族も他人も声をかけあって遊んで、人のあるべき姿を見た。
【ぼのぼのロード】
そんなもん無いです。勝手に名付けました。https://www.town.kami.miyagi.jp/material/files/group/57/bonobonomap.pdf
オフィシャルにおすすめされている、図書館近隣マップ。「ぼのぼの庵」は土日休みなのだけど、折角なのでベンチを見つけながら散策🚶
軽食を食べに訪れた、地元から3代に渡り愛される【あさりん菓子店】も、天上夢幻(ぼのver)を買うために立ち寄った【リカーショップもりか】も、「もしかして大阪?関西の人?ぼのぼのファンなんでしょ、楽しんで行きなよ!」と声をかけてくれて、「これ良かったら」と非売品ぼのグッズを頂いたり、写真を撮ってくれたり…
自分は田舎出身だけど、そこで過ごした20年余りで、心の底から田舎が嫌いになった。
異様な距離の近さ、娯楽は人の噂のみ、
都会では生きられないカスヤンキー達が群れを成して子供を作り、ジュニア達もまた井の中の蛙
山は全部切り開いて戸建が並んで
土地も建物も安いから低所得カップルが挙って引っ越してきて、少子高齢化が嘆かれる中、子供が増え過ぎて小学校がパンクした
教員追いつかず、いじめ横行、スクールカウンセラー1年待ち、被害者は泣き寝入りで転校。
山も無い川も無い、ただ安い家が続くだけ
そんな我が故郷
自分の田舎と加美町が似ているかと言うと、全く似ていない。まず人の数が違う。
加美町は多分、少子化と戦っていると思う。
そりゃ実際に住んでみれば、嫌なところも沢山あるかもしれない
けど、自分が忌み嫌った「人の近さ」に、この時は本当に救われた。
緑がある、人と話せる
地元になかったもの、職場で得られるはずのないもの全部あった。
なんか、出所したてなんか?てくらい優しさが沁みて余裕で泣きそうになった()
みんなあったかかったな〜〜〜
冬場ホッカイロ要らなさそ〜〜〜(?)
【やくらいガーデン】
加美町の〆はこちら、やくらいガーデン💐
すごい、もうすごい。
こんな広大な自然、大阪にあるか?(反語)
ここでも色んな他人と写真とりあいっこしました📷
画質褒めてもらった。中古のiPhone12Pro、案外活躍して草。
目一杯花を浴びて、薬来神社でやっと弔いのお祈りを捧げることが出来ました。
ひとまずさようなら、ありがとう、またいつか遊ぼうね。
ああ、楽しかったなぁ…
こんなにダラダラ書いたのに、全然書ききれてない細かい出来事もいっぱいあった。
ひとつひとつの思い出が、本当に幸せだったなぁ。
いがらしみきお先生
ほんとうにたまたまぼのぼのと出会いましたが、出会えて本当に良かったです。
加美町にも、行って良かったです。
私は全然優しい人ではないし、常に周りに迷惑をかけて生きています、帰ってきた今もなお。
でもいつか、ぼのぼのと杜のみんなみたく
柔らかく悩みながら生きていきたいです。
旅って素敵だな