異常な世界に身を委ねる。:異常論文、他4冊【10・11月の読書記録】

こんにちは!イワイです。
先月は色々忙しかったので読書記録をパスしたので、11月は1000冊読んで読書記録を書く予定でした。

ごめんなさい、1000冊読めませんでした。
ましてや2ヶ月分なのに、いつもより冊数少なかった。それだけ忙しかったってことですね。良いことだね。小さいことから自分のこと、褒めていこうぜ。


異常論文

編:樋口恭介

SFプロトタイピングや「未来は予測するものではなく創造するものである」の著者である樋口恭介氏が編集を務める本作は、論文の体を成したSF小説をまとめた一冊になります。(論文の体を成していないものもある)

SFとしてとても面白いのは、「異常な論文」が「異常な世界を正常に記した論文」であるという点です。論文自体の論理は、サラッと読むと破綻しているようにみえるのですが、よく読んでいくと破綻しているのは論理ではなく世界の方であるということに気付きます。

論文を読みながら「この世界はどこまでが正常で、どこから破綻してるのか」を考えることは、叙述トリックの体験に似ていてとても新しいなと思いました。

個人的には、言語的対称性のやつと、掃除用具のやつと、裏アカシックレコードとSF作家の倒し方が好きでした。特にSF作家の倒し方は、本当に爆笑しながら読んでいました。
あと、論文というだけあって堅苦しい作品もあるので、読みづらいなって思ったらポンポン飛ばしちゃうのが吉だと思います。


サードドア―精神的資産のふやし方

著:アレックス バナヤン / 訳:大田黒 奉之

11月半ばにオカワリという、母校の在校生向けに就活や卒業後の仕事と生活についてお話したイベントがあったのですが、そこで登壇していた後輩がオススメしていた本です。気になったので読みました。

内容は、一端の大学生が世界の成功者に「あなたの成功の一歩目は何だったのか?」という問をインタビューしていき、それが本になるまでを描いた本になります。

タイトルにもある「サードドア」とは、文字通り第三のドアを意味しており、通常の人々が並んでいる第一のドア、金持ちやセレブだけが通れる第二のドア、そして、第一のドアの列から飛び出した人だけがこじ開けられるのが「サードドア」で、ビル・ゲイツやスピルバーグもこのサードドアをこじ開けてきたと語られています。

正直、いけ好かない成功者の自慢本かと思ったのですが、実際に著者がサードドアを開けていく過程や、成功者にインタビューしていく中で“成功”とは何なのかを考えているのは良いことだなと思いました。(とはいえこんなん運じゃねえかバカみたいに思うパートもありました)

一番心に残ったのは、ジョブズとアップルと設立したウォズニアックのインタビューでした。
彼はジョブズとは価値観がまるで逆で、まあザックリ言えばジョブズは“自分が金銭的に利益を出すことにとことん執着する人”で、ウォズニアックは”自分がどういう状態が幸せを考え、時には金銭や立場を分け与えることを厭わない人”のようです。
そんなウォズニアックとのインタビューを終えて、著者はこう記しています。

(幸せそうな)ウォズの姿を見ていたら、ライアンがインタビュー前に言った言葉がよみがえってきた。
”ウォズがなんでジョブスほど成功しなかったか”
でも僕にはこの言葉しか浮かんでこなかった。
”ジョブズのほうが成功者だなんて、誰が断言できるだろうか?”
p.346より


製本大全

製本もしたことないし、そもそもUIを仕事にしてからメッキリ紙から遠のいてたのですが、本屋に行った時に可愛すぎて一目惚れして買ってしまった……この本については言うことは特にないです。可愛いなあと思ってニヨニヨしながら読んでいます。

本、作るか〜!


交渉学入門

”交渉学”なる体系があると聞いて、面白そうだな〜と思って買って読んだ本。結果から言うとなんか当たり前のようなことばっか書いてあって、あんまり内容を覚えていません。

というか、体系化された交渉を実践できる場なんてかなり限られていて、大抵の場合はそれをするための地盤構築みたいなのが大変なんじゃないのかな。分かんないけど。


なぜウチの会社は変われないんだ!と悩んだら読む 大企業ハック大全

著:ONE JAPAN

本屋で平積みで激推されてて、まあ僕も大企業に勤めている人間として思うところもあるので、何かヒントになることがあればいいなと思って買いました。

個人的には読みたい内容は載ってなかったな〜。
確かに”ハック大全”ではあるのですぐ活かせるような知識やノウハウが記載されていて、その点かなり有益だとは思うんだけど、「なぜウチの会社は変われないんだ!」と考えた時に、「まずなぜ変わる必要があるのか」「何の為に、何に変わらなければならないんだ」が知りたいな〜考えてるのかな〜と思ってしまった。

あと結構、「やる気のあるアナタが多動して、空気を変えよう!」みたいなハックばかりな感じがしたんですけど(全くそうじゃなかったらごめんなさい)、「そのやる気はなんで起きるのか?」「やる気を通して何をしたいのか?」「多動出来ない人は為すすべはないのか?」とか思っちゃいました。

多分コレは僕が穿っているのに加えて、需要にミスマッチが生じてるが故だと思います。普通に悩んでる方がより良くするために読むのにはとても役に立つ良い本だと思います。




以上!
やっぱ忙しいと読めないね。まあGANTZ全巻読んだり、ポケモンやったり、アカギとまどマギ全話見たりしてる中で、時間をやりくりして仕事したりイベント出たりライブしたりしましたからね。しょうがないね。

では今月はこのへんで!
次回は2021年の振り返りと、12月分の読書記録を出します!このnoteみたいに翌月、というより翌年に繰り越したりしないぞ!

絶対に〜!(みちお)

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