見出し画像

「全身を触って感じる」VRの 研究でアメリカの超有名大学に 150万ドルの資金調達 【#102】

今日のトピックは「バージニア工科大学・フロリダ大学とVRスタートアップ企業・HaptXが共同で研究開発を進めている『ForceBot』プロジェクト」について。

______________________

こんにちは、こんばんは。
VR/ARの会社を設立した大学院生(@iwhododo)です。
VRは注目の高い領域だけに、日々大量のニュースを目にします。
そこで毎日1つだけVRに関連したトピックを取り上げてお届けしています。
※ちなみに選定基準は100%の独断と偏見に基づきます。

毎日更新しているので、ぜひフォローしてチェックしてください。

【 おねがい 】
現在、音声チャットやZenlyを積極的に使っているユーザーからヒアリングを実施しています。ご協力いただける方・ご興味のある方は、ぜひTwitterのDMや会社ホームページから、お気軽にご連絡ください。

この記事のまとめ

全身触覚フィードバックの研究に150万ドルの助成金
研究機関はバージニア工科大学・フロリダ大学とHaptX
利用用途はエンタープライズ向けで軍事利用の可能性も

NSFから150万ドル研究助成金

HaptXは、バージニア工科大学・フロリダ大学と研究開発を進めている全身力触覚プロジェクト「ForceBot」がアメリカ国立科学財団(National Science Foundation,NSF)から150万ドルの研究助成金を獲得したと発表しました。が提供しています。

HaptXは触覚グローブの開発で知られ、これまでにステージAで1200万ドルの資金調達を実施しています。

HaptXの触覚グローブはAmazon CEOのJeff Bezosも体験する様子がYouTubeに公開されています。

他にもVRグローブとしてはオランダのVRスタートアップが手掛けた「Manus Prime」などが挙げられますが、外骨格含めて、HaptXの方が大掛かりな装置が必要です。
関連記事:今週の「ヤバいVR」10選【Vol.5】~'20/6/07 - 8.11DoFのVRグローブ「Manus Prime II」が7月発売

「Facebot」プロジェクト

Facebotはエンタープライズ向けに外骨格ロボットによって全身に触覚フィードバックを返すソリューションを開発するプロジェクトです。産業用のスキルトレーニング・緊急事態への対応・スポーツのトレーニングなどがアプリケーションの事例として想定されています。

画像1

image : HaptX

HaptXが開発したグローブは、英国の医療向けVRソフトのスタートアップ・FundamentalVRと提携して外科医のVR研修用グローブを開発したり、日産でVRソリューションに利用されたりしています。
VRはゲーム以外にも建築や車向けに利用され、実際に業務改善に活かされています。
関連記事:90%の工数削減も・・・トヨタの驚異的なDXカイゼンはどうして実現できたのか?【#91】

エンタープライズ向けに用途は限定

Facebotの利用用途はエンタープライズ向けに限定されています。現在のVRサービス(特にハードウェア)は、エンタープライズ向けの製品が先行していて、例えばMR HMDの草分け的な存在であるMagic Leap 1もエンターテイメント向けからエンタープライズ向けに方針変更をしています。
関連記事:MRグラスの明暗 〜nrealは4,000万ドルを調達し、Magic Leapは評価額を93%ダウン〜【#84】

原因としては収益性の面が大きく、映画『レディ・プレイヤー1』に登場する全身触覚スーツのようなエンターテイメント向けの実現にはまだ遠いのが実態です。
関連記事:人生で一番好きな映画『レディ・プレイヤー1』が金曜ロードショーで放送されるので果てしなく褒め称える。 【#25】

今回のFacebotでは、リモートのロボットから触覚フィードバックを受けて操作することなどが目的に盛り込まれています。リモートのロボット自体は既に運用されている地域があり、国内でも実際にリモートのロボットを操作して業務を行う試験運用が一部地域で始まっています。
関連記事:人間の仕事は奪われるのか? 遠隔操作ロボットが実用試験を開始【#44】

軍事利用の可能性も

バージニア工科大学は陸海空軍のROTC(予備役将校訓練課程)が設置されており、全米に6校のみの上級軍事大学 (Senior Military College) の指定を受けています。そのため、卒業生の就職先で最も割合が高いのも米軍で、軍需産業との研究や繋がりも密接。
また、軍事は大きな資金の動きがある産業でもあります。

そのため、今回研究開発されるFacebotが軍事利用される可能性も十分に考えられます。
昨今ではOculus創業者・Palmer Luckey氏が設立したドローン企業・Andurilのような軍事スタートアップの例もあります。
関連記事:あるいはディストピアな国境線を描くドローンの話【#89】

利用用途が限られたり、未だ研究段階だったりと実現にはまだ遠いものの、フルダイブVRへの可能性をさらに引き上げてくれる魅力的な研究に大きな助成金がつくことを個人的には非常に嬉しく思います。
関連記事:フルダイブVRの未来は近いか?【#59】

個人として自らの会社と事業はもちろん、大学院の研究でもしっかりとVR/ARに貢献できるよう努める気持ちを改めて奮い立たされました。

World Maker Inc.について

World Maker Inc.ではAR・VRで新しい日常を探索していきます。
一緒に検証していただけるパートナー開発メンバーを随時募集中です。
TwitterのDMや会社ホームページから、お気軽にご連絡ください。

特に現在音響に明るいエンジニアを募集しています。学生も歓迎です。
また、高校生を対象にテストを予定しています。お知り合いや兄弟姉妹のいらっしゃる方はお声がけいただければ幸いです。よろしくおねがいします。

noteは毎日更新しています。昨日のトピックは「VR/ARのニュースサイト」についてまとめています。

明日も更新予定です!ぜひフォローしてマイペースにご覧ください。
過去のnoteはこちらにまとめています。

出典:

会社のみんなとドーナツ食べます。