2. 目立ちたくないMIND【「GINGAKEI」発売記念パノラマくん対談】
『GINGAKEI』発売を記念した全曲解説対談。
相手は、幻のキャラクター「パノラマくん」です。
今回は、2曲目『目立ちたくないMIND』について。
とてもいい写真です
・イントロデュース
岩渕「はい、ということで今回もよろしくお願いします。」
パノラマくん(以下「パ」)「よろしくお願いします。」
岩渕「いきなりだけど、パノラマくん。電車に乗ろうとした瞬間、ドアが閉じて、ギリギリ乗れなかった時、どういう顔をしてる?」
パ「導入としては0点の入りだな。どういう顔って、俺は、割とすました顔をしちゃうかな。最初から乗る気なかったです的な顔をする。」
岩渕「パノラマくんって表情変えることできるんだ。」
パ「できるだろ!そりゃあ。訳あって写真撮るときは全部同じ顔になるけど。」
岩渕「俺はすました顔するのも恥ずかしいから、『ちくしょー俺は乗れなかったですけど、心から悔しいですけど、乗れた皆さん良い旅を!』的な顔をすることにしているよ。」
パ「一つの顔に情報量多いな!見開き1ページくらいあるじゃん。まあ、でもあの瞬間ってのは恥ずかしいもんだよな。どの顔が正解なのかも分からん。」
岩渕「そう、恥ずかしいんだよ。今回は、そういった生きててどうしようもなく目立ちたくない瞬間を歌詞にした『目立ちたくないMIND』について話します。」
・目立ちたいMIND
パ「タイトルからしてど直球だな。この曲。」
岩渕「そうなんだよ。これまた悪い癖で、悩みに悩んだんだけど、結局最初に思いついた直感を大事にした。今回のアルバム、悩みに悩んだ上で、最初の直感に立ち返ることがとても多かったね。やっぱ直感には勝てない。」
パ「それこそ、Top of the Headか。歌詞としては、『目立ちたくない』って感じる瞬間が沢山歌われている。」
岩渕「そうだね。が、しかしこの曲も天邪鬼で、本当は『目立ちたい』ことへの歌なんだよね。目立たないように目立ちたい感覚というか、分かるかな?」
パ「そりゃあすげえ分かる。人目にはつきたくないし、注目も浴びたくないけど、人と違うとは言われたい、みたいな。」
岩渕「そうそう。目立ちたくない気持ちがある反面には、目立ちたい気持ちが確実に存在する。俺も、普段生活してる時は、人の目気にしまくりよ。レジ列、決まったとこにあるのに、間違ったところに並んじゃって、自分の後ろに人並び始めた時なんか、申し訳なさで身動きとれなくなるもん。」
パ「そりゃ情けないね。」
岩渕「情けないんだよ。普段情けなくないと、バンドなんかやってないと思うね。わかんねえけど。」
・自分を薄めないで
岩渕「目立ちたくないMINDが無ければできることって沢山あると思うんだよ。満員電車で席譲ったりするの、あれもちょっと目立つなと思って躊躇することあるじゃんか。」
パ「あるある。大好きな服なのに、今日は目立つと思ってやめちゃったりね。」
岩渕「個性とか、自分の中の強い気持ちってそういうMINDによって簡単に消えちゃうんだよな。そういう時、心から勿体無いと思う。もっと心の動くままに生きれたらってずっと考えてる。」
パ「なるほどね。濃度100%の自分を世に出すのはなかなか難しいよな。」
・バンドに振り切る
岩渕「あとは、この曲とてもロックバンド的な作り方をしている。」
パ「確かに、他の曲にあったような打ち込みの音がないね。」
岩渕「今回のアルバム、打ち込みに振り切ってる曲は、色んな音を足したりループさせたりしてるけど、この曲や『エイリアン』に関しては、バンドに振り切ってる。歌詞のはめ方にしても、この曲はラップとしてではなく、どちらかと言うと歌にしてる。ところどころ韻は踏んでるけどね。」
パ「なるほど、それぞれのベクトルに振り切ってるのね。」
岩渕「そう。曲ごとに突き抜けている。7曲の突き抜けの間に広がる広大な空間が『GINGAKEI』なんだよ。ある意味『目立ちたいALBUM』とも言えるね。」
パ「上手い事言おうとしすぎて後半よう分からん事になってるな。」
言葉で畳み掛けてサビで開ける。自分らの曲の中では、『$UJI』や『Top of the Head』の流れを汲んだ曲です。ライブでは「目立ちたくないMIND」をでかい声で叫んで、言ってる言葉とやってる行為のギャップを楽しんでください。
次回は、3曲目『ずっとマイペース』について。