ステージの上と下。【Who am I (三宅正一さん対談) part.3】
3回に分けてやってきた、自分史企画も今回で最終回。北九州の小中高を卒業後、神戸の大学に向かうことになる。
・バンドを組んでいるんだ
三宅「岩渕くんが、音楽や映画にのめり込んだのは結構後の話ってこと?」
岩渕「そうっすねー、高校大学ぐらいっすね。大学でめちゃめちゃ映画観るようになりました。神戸の大学に入って、こんな人生楽しいんだ!って思ったのはありましたね。それまでも、楽しかったけど全然別の楽しさがあるというか。それまで、音楽の話も映画の話も、できる友達がなかなかいなかったから。」
三宅「本当に文化に触れたって感じだね。バンドはいつからやり始めたの?」
岩渕「バンドも大学入ってすぐなんすよ。高校の時はやってなくて。andymoriのコピーバンドを最初に組んだんですけど、そこにギター一人入れたのが今のパノラマパナマタウンで。だから、ほぼ人生で初めて組んだバンドなんですよ。」
三宅「オリジナル書き始めたのっていつくらいからなの?」
岩渕「高校の時、スリーコードで書いてましたね。あと、先生disるラップ作ったりしてました。メトロノームだけ鳴らして、あの先生はああいうこと言いがちでクソつまんねえみたいなのやってましたね(笑) 」
三宅「それ録音したの?」
岩渕「録音してましたね。その時LINEがもうあるから、クラスのLINEにどんどんあげたりしてましたね(笑)」
・お調子ものが今に生きてる
三宅「じゃあそれくらいからパフォーマンスするみたいのはあったんだね。」
岩渕「人前でなんかするようになったのは、中学高校ですね。一発ギャグとかずっとやってました。3年になって、新しく1年が入ってくるじゃないすか。その1年生のクラス一個ずつ回って、一発ギャグやってどこが一番ウケるかってのを友達何人かでやりに行くみたいな遊びしてましたね。」
三宅「えー変わってるわー。滑る怖さとかなかったの?」
岩渕「最初はあったけど、だんだんなくなってきて。俺、今もそのおかげで、滑ることあんま怖くないっすもん。人前に出る怖さがそんなになくて。」
三宅「でも、ステージの上でパフォーマンスする時も、そのピエロ経験が生きてるかもね。バカになれるというか。」
岩渕「いや、めっちゃ生きてると思いますね。絶対この人生間違いじゃなかったって何回も思うんすけど、そうやって笑かしてたことも糧になってると思うし、ステージに立ってるのも、誰かの前に立ち続けてたからだと思うんすよね。」
・バンドと自己表現
三宅「でも、パフォーマーとしての自分と、自分自身の本質的な部分が乖離していく怖さもあるんじゃないの?」
岩渕「大学に入ってバンドを組んで、バンド始めた時、最初自虐的なことを言って笑いをとったりしてたんすよ。「こんな観る人いないと思うんすけど」みたいな。でも「でも俺たちが一番かっこいいと思ってるんすけどね」みたいな感じで擦れてて。それが、このままじゃ永遠に届かない、違うなって思ったタイミングがあって。そこから、すごい自分を出すようにしたんすよね。色んな人に流されてきたし、自分がなかったのかもしれないみたいなことを曝け出すようにした。そうやって、ステージの上で自分を曝け出すようになってから、すごい変わってきましたね。」
三宅「ああ。本当あれだね。自分の中でどう変化してったかっていう過程がすごいわかってるね。」
岩渕「外側から見すぎちゃってる感じはするんすけど。でも、自分っていうものがいかに弱いかってこととか、こういう人間なんだってことを、バンバン出していくようになったのって本当この頃で。人生23年間みても、この2年が一番自分を出してると思うんすよ。」
三宅「それライブも変わってきてるってこと?」
岩渕「すげえ変わってると思いますね。昔、パーソナルなこと全然言わなかったし、こうしようぜ!も言わなかったから。」
三宅「なるほどね。じゃあ自分の中で、今すごいターニングポイントかもしれないっすね。」
岩渕「そうですね。人生のターニングポイントだなーとも思うし、表現者としてすげえ面白くなってるなって自覚があって。こんだけ自分を出していくと、面白いけど、それを伝える難しさも分かってきたというか。」
三宅「なるほど。そういう時期なのね。すげーわかったわ。」
・会いに行きたい人いますか?
三宅「せっかくこういう企画だから、岩渕くんとどっか行ったり、会いたい人に会うってのもありだと思うんすけど、今会いたい人いますか?」
岩渕「高岩遼さんに会ってみたいっすね。」
三宅「高岩遼は一緒にちらっと会ったことあったもんね。俺が遼といる時に。」
岩渕「居酒屋でばったり会いましたね。」
三宅「あん時も「実はすげえ憧れてて」って遼に言ってたけど、遼のどこが好きなの?」
岩渕「俺SANABAGUN.もTHE THROTTLEも、てかあの人がやってること全て好きですね。」
三宅「すごいじゃんスター性が。僕もあんな過小評価されてる人いないなって思うくらいなんですけど。」
岩渕「自分をかっこいいって、色々あって言えてる人だなーって思うんすよね。自惚れでもなく、自分のことをかっこいいって言ってる奴がかっこいいっていう浪漫でやってる感じがすごいグッとくるんすよ。ああいうボーカリストって本当にいないなって思ってて。」
三宅「ちょっと日本だと稀有ですよね。」
岩渕「俺、自分がかっこいいって思ってる人好きだし、俺もそうなりたいと思ってるから、すごい憧れですね。」
三宅「確かに。あとあいつも岩手宮古市の地元のことすげえ言うんすよね。あとお母さんのこととか生い立ちも言うしね。」
岩渕「これ、会った時に話したほうがいいと思うんすけど(笑) ソロアルバム聴いたら、まさにすげえ人が見えてくるなと思って。」
三宅「それなら、ちょっと連絡するんで、今から会いに行きましょうか!」
はい、ということでnote第一弾企画三宅正一氏対談でした。自分の大好きなライターを呼んで、ひたすら自分語りをするという、なんとも贅沢な企画でしたが、今回感じたのは、話せば話すほど、自分史ってまとまってくんだなーってこと。正一さんが自分のことをあまり知らないってのも大きかったけど、今回話してくうちに、自分に対しての色んな発見があった。もし、自分が置かれてる立場が分からなかったり、これから何をすべきか分からなくなった人がいたら、一度自分史を書くといいと思った。知らない人に話を聞いてもらうと、なお良いと思う。オススメです。
「自分らしく」ってテレビや雑誌はよく言うけど、その「自分らしく」が分からない。みんなといる時の自分と、一人でいる時の自分、どっちが本当の自分なんだろう。何度も分からなくなるけど、最近やっとわかるようになってきた気がする。自分ってものが。そんな悩みも葛藤も、2019年2月13日発売のフルアルバム『情熱とユーモア』の中に詰め込みました。「Who am I???」って曲も入ってます。アフリエイトっぽく、販売サイトのリンクも貼っておきますね。間違いないので、今のうちに予約しといて欲しい。
さて、次回からはSANABAGUN.やTHE THROTTLEのフロントマンとしても活動する、浪漫溢れるミュージシャン高岩遼氏との対談をお送りします。聴いたことない人は、沢山リンク貼ってるから次回までにチェックしとけよ。乞うご期待!
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