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1.Top of the Head 【「情熱とユーモア」発売記念メンバー対談(タノ編)】

さて!我々パノラマパナマタウンの1st full album『情熱とユーモア』リリースが間近ということで、今日からアルバムの収録曲について1曲ずつメンバーと対談した記事をアップしていく。メンバーと改まって話すのは面白い。「お前こんなこと考えてたんだ」というものがボロボロ出てくる。下手したらどんなメディアより、掘り下げちゃってるかもしれない、「情熱とユーモア」対談にお付き合いください。

今日は、アルバムの1曲目を飾る「Top of the Head」という曲について。この曲について知っておいて欲しいことは、「Top of the Head」ってのは主にフリースタイルバトルで使われるヒップホップ用語で、「完全即興」を意味するってこと。その場でパッと思いついた言葉をラップすることを「Top of the Head」という。この言葉がすげー面白いと思って、曲を作った。

同じくヒップホップが好きで、よく一緒にライブに行ったりする、タノと話した。「完全即興」に生きることへの憧れ。そもそもなぜヒップホップが好きなのか。タノと俺は似てる部分が沢山あるって話。曲を聴きながら、読んでください。

ベースのタノアキヒコ(24)、逆光。

岩渕「リードを作ろうという意識のもと、俺がデモを持っていった曲ですけども。」

タノ「そう。しかもだいぶ終盤やったよね。届く曲を作んないとって意識が強かった気がする。

岩渕「アルバムの言いたいこととかコンセプトが先行してあったけど、入り口になる曲ができてないって実感はみんなあってさ。

タノ「そうだね。岩渕が持ってきたリフがもとになった曲。」

・ヤンキーへの憧れ

岩渕「まあでも、『Top of the Head』ってフリースタイルバトル観てる時に見つけた言葉で。で、俺もTop of the Headに生きたいなって気持ちがあって。

タノ「考えすぎずにってこと?」

岩渕「そうそう。なんかさ、ヤンキーへの憧れが漠然とあってさ。このバンド結構ある気がするんやけど。」

タノ「わかる。俺もあるもん(笑) そういう人たちのヒップホップを聴けば聴くほど、いいなって思う部分沢山あるし。昔バンドに感じてたことを感じるのが、ヒップホップに多い気がしてて。やっぱさ、今のバンドって綺麗すぎるし、自分らはぶちまけたいって思いがあるから。

岩渕「うんうん。このバンドでヒップホップ聴くのが俺とタノやんか。でも、そのヒップホップ好きな理由が2人とも一緒だと思う。」

タノ「しかも、本質的に2人とも色々考えすぎり、気を使ったりして生きてるタイプだから。

岩渕「そこは俺タノと似てるもんなー。だから、ヒップホップのサグい部分とか、ヤンキーの浪漫に憧れるんだと思う。

・即興で出たもんって強い

岩渕「やっぱでもラッパー観てても感じるけど、パンって出た言葉ってすげえ強いなと思ってて。

タノ「いやほんと即興で出たもんが一番強いなってすごい思う。曲作りとかでもさ、岩渕が仮歌で適当に入れたものがずっと残ってるとかあるし。フレーズとかでもそうだし。パッと思いついたベースのフレーズが、自分がどんだけ考えたものよりもよかったり。そういうのって生きてきた経験から自然と出るもんだし、人生そのものじゃないかって思う。

岩渕「タノは、たまに即興にこだわるところがあるよね。俺が出した言葉にしても、メロディにしても、俺のTop of the Headを肯定してくれるのがタノな気がする。俺が、あれかなこれかなって悩んでる時に、悩む前のが一番いいよって言ってくれたり。」

タノ「変えると俺ちょっと嫌がるところがあるから(笑)」

岩渕「『情熱とユーモア』のタイトルもそうやったやん。俺がひたすら悩み続けた時に、最初から言ってた『情熱とユーモア』がいいんじゃねって言ってくれたし。でも、それって二人とも悩むタイプだし、考えすぎちゃうタイプだからこそ、外から見て言ってくれてるんだろうなって思う。

タノ「そうかも。俺この曲好きな歌詞があって『冥王星がビルに刺さって〜』のとこ。すごい残るなと思って。これは意味あるん?」

冥王星がビルにに刺さって血を流している
めんどくせえ あれこれ ギターの歪みがあれば十分
(パノラマパナマタウン「Top of the Head」)

岩渕「意味は特にないな。だからかもな!『Top of the Head』ってタイトルつけたから、歌詞を1日で書き切ろうって意識があって。考えずに出たものってやっぱり強いなって思いがあったから。だから、こん中で一番考えずに書いたのが『冥王星』の部分。」

・同じことばっかの毎日

タノ「でも大枠はやっぱさ、電車に乗ったら絶対目的地に辿り着くシステム、大きなシステムに乗っかっちゃうと想定内のことしか起きない。ってこと歌ってるのかなーと思ったけど。」

岩渕「そうそう。ずっと考えてきたことやけど、毎日同じこと起こるし、同じ枠組みの中でしか生きれないのって、人間それぞれ違う個性を持ってるのに悲しいなってことやけど、それを東京きて一番感じたのって電車だなって思って。

タノ「岩渕、ライブのMCでも同じような毎日の繰り返しだって昔から言ってた時期があったなと思って。そういうのともリンクしてるのかなと思った。」

岩渕「そうやねー。繰り返しが退屈だって意識はメンバーみんなあると思うしね。」

タノ「『くだらnation』の歌詞もリンクしてきて。これって『Top of the Head』より先にあった曲やけど、『部屋を飛び出せ』って歌詞があるじゃん。部屋で悩んでるより外に出ろっていうさ。自分が変わんないと日常が変わんないっていう。」

岩渕「全部反面教師になってるとこがあるね。悩んじゃうし、考えすぎちゃう自分がいるから、部屋を飛び出せって歌うし、かけ出せって歌うというか。

タノ「俺も結構こもりがちだから。『くだらnation』聴いた時はすごい気付かされたわ(笑)」

・ラップセクションの制作

タノ「あと、この曲ラップの部分は試行錯誤したね。」

岩渕「したねー。タノに丸投げしたもんね(笑) このままじゃパンチがなくて、もっと面白い展開があるはずって言って。」

タノ「最初はダブっぽい展開だったけど、それは割と俺らやりがちだったから。まあ、これはRIP SLYMEのある曲を参考にして、、(笑)」

岩渕「サンプリングして(笑) タノがここの展開に対するデモを持ってきてくれて、それ聴きながらそれいいじゃんってなったよな。」

タノ「結構挑戦というか、合うのかなーくらいの感覚だったけど、おもろい展開になったと思う。」

岩渕「あと、ラップもこのアルバムの中で一番こだわってて。Top of the Headってヒップホップのこと言ってるからにはかっこいいラップ作ろうってのがあって。かなり韻をこだわってるんですよ。これ。」

タノ「だねー。しかも結構硬派なタイプのね(笑)」

岩渕「そう。RHYMESTERとか、自分の大好きなラッパーを参考にさせてもらった。韻に関しても、俺なんか初心者だから分かりやすく踏んだ方がいいのかなーと思ってたけど、今回色んなラッパーのトラックを作ってる人にディレクションで入ってもらって、何気なく踏んでるくらいのバランスがいいんだって言われてなるほどなって思ったね。テクニックって気づかないからテクニックなのかっていう。

タノ「あー確かに。ダサいもんな、ここで踏んでますアピールみたいなの(笑)」

アフリエイトのごとく、アルバムを宣伝。とにかく聴いて欲しい。
次回は、アルバムの2曲目「Sick Boy」です。


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