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出所後はスマートフォンを手に入れよう

この文章は、刑務所の中にいる人に届けるために書かれた内容のものです。
もし、家族や友人が刑務所にいるならば、このページをプリントして差し入れてあげてください。

2024年6月、政府は、携帯電話や銀行口座の契約時にマイナンバーカードでICチップの読み取りを義務づけることを決めました。

マイナンバーカードの作成は、顔写真を提出して申請してから早くても1か月程かかります。混雑時は3か月かかったこともありました。

2024年7月現在、運転免許と銀行口座があればその日のうちに携帯電話を契約して持つことが可能ですが、今後どうなるかわかりません。

そこで、出所した翌日からインターネット(以下ネット)を使える環境を持つにはどうすればいいか、お伝えします。

第一の選択は、身も蓋もないのですが、頼れる家族がいたら、自分を使用者として新規にスマートフォン(以下スマホ)の契約をしてもらってください。
一番確実で早い方法ですが、携帯電話の貸し借りはトラブルだらけなので、利用料はどうするか、何かあったときはどうするかなど、家族であっても事前の取り決めが必要です。


新品で普通に使いたいならば、2024年7月時点、グーグル社のピクセルシリーズをおすすめします。
ワイモバイルで電話番号を乗り換えて契約すると半額の27720円で契約できます。家族割もあります。
回線の乗り換えの契約がないと、本体代は5万円を超えます。


テレビでよく見る通信料が月1000円ぐらいで使える格安の会社は、実店舗がほとんどなく、クレジットカードが必要なことが多いです。

一括1円で買えると言われるスマホもあるのですが、身分証明書を提出し、回線契約が必要です。身分証明書があって、回線契約をしないのであれば22,000円上乗せされ、22,001円で購入できます。これが、本来のスマホの本体価格と考えてください。(携帯電話の各社は他社からの顧客獲得のため、乗り換えした人に22000円分優遇します。)

身分証明書がなければ、ブックオフやゲオなどのリサイクルショップで2万円ぐらいで中古のスマホを買ってください。この中古スマホは「白ロム」とも言います。料金不滞納などで使用不可のものを「赤ロム」といいます。

とりあえず普通に問題なく使えるモデルは、私も愛用中の「iPhoneSE2」です。
2020年に販売されたiPhoneです。すでに4年前のモデルです。私のは最近、写真動画が増えてきたので128GB(18000円ぐらい)から容量が大きい256GB(24000円ぐらい)の白ロムを購入して機体変更しました。

今でこそ、性能は高くなく、発売時の半額以下で買えますが、2027年頃までは使えるでしょう。
中古で見ると、だいたい64GBで14000円ぐらいから買えます。


これより安いものは使えないのか? と聞かれると一概に言えず、本当に、中古車選びのように、駄目なものから高性能なものまで、大体は価格に比例しているのです。
iPhoneSE(第2世代)は、そういった意味でも、初めての方におすすめできる機種です。

スマホの充電器と充電ケーブル、モバイルバッテリーは2000円もあればダイソーで購入できます。


モバイルバッテリーが1100円、

充電器110円、充電ケーブル110円で最低限度のものは手に入ります。

iPhoneの場合は、使用者が多いため、スマホのケースとガラスフィルムも110円で購入できます。

どうしてもアンドロイドOSのスマホが欲しい場合は、中国メーカーOPPOのRenoシリーズ、韓国のギャラクシー、シャープのアクオスなどで、2万円ぐらいのモデルをおすすめします。

中古車に自賠責保険や車検が必要なのと同様に、スマホも原則的には通信回線の契約をして電話番号がないと使えません。

しかし、公道を走れない中古車でも、レース場では自動車のレースに利用できたりするように、スマホも、限定された場所で無料のワイファイスポットを利用すれば、自由に使うことができます。

そうするには、前もっていくつか手続きが必要です。

スマホ、充電器を手に入れたら、インターネットに接続するためのWi-Fi(ワイファイ)が必要です。
ワイファイは、家一軒分の範囲で快適にネットが使える電波の基地局です。

ファミレス、カフェ、ハンバーガーの大手チェーンの飲食店は、メールアドレスを登録して、無料でWi-Fiが使えます。

しかし、中古の白ロムのスマホは、初期化されているので、初期設定画面でワイファイのパスワードを求められます。

最初からは、お店の提供するメアドを使った無料ワイファイはつかえません。

スマホの初期登録をし、グーグルやヤフーや、アップルIDを利用してメアドを取得するには、パスワードでログインするワイファイが必要です。

ワイファイを使ってのスマホの初期登録は、操作に慣れていても1時間位かかる場合もあるので、ビジネスホテルに一泊するか、お友達の家でワイファイ電波を借りるなどして、落ち着ける場所で作業が良いと思います。

運転免許証などの顔写真入りの身分証明書があれば、インターネットカフェや一部の図書館で使用登録し、その敷地内でワイファイが使えます。
(東京都では条例でネットカフェ利用には身分証明書の提出が義務付けられています。)

初期設定を済ませ、アカウントを作成します。iPhoneならば、初期設定の際にAppleIDとメアドを取得します。
アンドロイドOSのスマホならば、GoogleアカウントとGmailのメアドを取得できます。
メールアドレスを取得したら、ローソンと、ファミリーマートの無料ワイファイが使えます。
他のコンビニは、オレオレ詐欺などの犯罪の防止にフリーワイファイの提供を辞めています。
カフェやファミレスなども使えるところが多いですが、無料のワイファイはほとんどが1時間で接続が切れ、その都度つなぎ直しが必要です。


ここまでで、一応、インターネットができるスマホが手に入りました。
スマホがあれば、写真や動画が撮れますし、カレンダーにスケジュールを書けるし、目覚まし時計にもなります。
地図も調べれるし、電車の乗り換えの料金も分かります。コンビニでアマゾンのギフト券を買えば、通信販売も利用できます。

もちろん、それをするには、馴れが必要で、事前にでも、刑務所内での自習が必要です。
家電批評、日経トレンディー、MonoMaxなどの最新機器の情報誌を読んで、電子機器について知り、携帯電話会社にカタログを請求して基礎的な使用方法を学んでください。

これが社会生活のスタートのイメージになれば幸いです。



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