Catch me If you Canでよかったギミック
ほぼ自分用なので読みにくいかも。
参考になりそうなプロットとかギミックをメモ。
概要
パイロット、医者、検事補佐と、様々な職に偽装しながら小切手詐欺を繰り返す詐欺師の実話を元にしたお話。
非常にセリフの配置が巧みで、前半の言い回しが後になって生きてくるというのがとても巧みな映画だった。
オープニング
OPで話の概要を伝える
ポップで話に入りやすい
タイトルである「Catch me if you can」「me」がスーッと消えていき、me(詐欺師)が逃げてしまうことを暗に示している面白い演出
つかみ部分
テレビショーという舞台を用意して、詐欺師”フランク・W・アベグネイル”についてざっくりとした経歴の説明という形
年齢
犯罪歴
動機(お金が必要だった)
逮捕した人物(カールハンランティ)
これだけの情報をスッキリ違和感なく、かつ印象的に観客に示すことに成功している
大雨の中耳が聞こえづらい状況のため、大声でカールハンランティという名前を誰かに伝えているシーン
要人物の名前を自然に複数回連呼することで印象付けている
捕まったフランク・W・アベグネイル
こういった犯罪者が華麗に犯罪を犯すという見せ方をする作品は、序盤にひどい有様の犯人を描くことで、観客に安心感を与えているように感じる。
裁かれないことに対する不安感を拭えるし、犯罪助長的な批判避けとなっている。
Catch me if you canの序盤の独房シーンでも、独房のひどい環境と今にも死にそうな体調を以下の演出で強く印象づけている。
- 暗くて汚い独房
- 咳き込みボロボロの犯人
- 触った後手を洗う看守たち「ノミを流すんだ」
- 今にも死にそうなのに医者が来るのは明日
詐欺師の家族のシーン
ロータリークラブでの終生会員の式でお金持ちを印象づけ
ロータリークラブでのスピーチ「2匹のネズミ」
お願いをする女性に名前を尋ね、いい名前だと褒める手法
ネックレスをプレゼントする方法「君のが外れたんだよ」
良い制服で相手に思い込ませる方法
ヤンキースが強い理由を知ってるか?相手がピン・ストライプのユニフォームに釘付けだからだ
中身でなく外見で人は惑わされる、というこの映画の肝を暗に示している
「今日からお前は銀行の顧客だ」
学校
以前のユニフォームを着たがる主人公は、権威に縋るようで意味深
百科事典でも売ってるのか?と囃し立てる悪ガキに苛立ち、先生のフリをして一週間やり過ごす
詐欺師の才覚を感じさせるウキウキする展開
更なる転落
会長バッジがソファに落ちていて、母親の浮気を暗に示す
母親の派手好きの描き方
家を売るときに号泣
テニスクラブに出かけたり
ロータリーの会長と浮気したり
また、たびたび母親がタバコをやめないことをフランクが咎めるシーン
浮気のシーンに対しての苛立ちとして、直接的に咎めず「タバコ」というアイテムを挟むことで余韻を持たせる
家出
大手空港会社(パンナム空港)が若いスチュワーデスを連れて子供の信用まで勝ち取っている場面に出会い、これに目をつける
パイロットに成り代わる
高校の学校記者を騙り、パイロット内部のあれこれを調査
ホテルで制服を無くした、と嘘をつき、制服を調達
制服効果はてき面で、すれ違う人は振り返り、子供からは声をかけられ、小切手精算だって楽勝
飛行機の模型の空港マークシールをお湯できれいに剥ぎ取る
聖書で小切手のシワを伸ばす
ジャンプシートやデッドヘッドなど、知らない言葉に翻弄されるのは「嘘らしさ」が溢れている
FBI本部のシーン
FBIのポンコツ具合も描かれ方
すぐくだらないジョークにする
機械がボロボロ
経験者がいない
父親との再会
お前以外はみんな間抜け面に見える、という誉め方
ジェームズポンドになりきる
コールガールとの取引の際にトランプをばら撒く描写
駆け引きが表現されてて面白い
結局不渡りだから女性のこの後を考えると笑える
おばさんに挟まれて不服そうなカールとの対比
クリスマス1
クリスマスに話し相手がいない、という犯人の描写
ホテルの部屋番号(3113)は正しかったのに嘘だと思われたオオカミ少年の構図
「数字の確率だよ ラスベガスと同じ 勝つのは胴元だ」
バリーアレンが漫画のキャラだと給仕に教えられる
ヤンキースの例え話から出身がバレる
追うハンクス
サラ・リー
馴染みがなかったから調べたら、チーズケーキが有名らしい
テレタイプ
これも馴染みがなかった。タイプライター式の電信機らしい
弁償しようと母親がするが、金額に驚いて唖然とするシーンはコミカル
パーティからの病院
パーティ馬鹿騒ぎで全然楽しそうじゃない主人公。
ステレオを巻き戻して激怒
ジュースをこぼされて激怒
灰皿を使わない仲間にイライラ
励ましつつ情報を引き出す手腕「君は優秀だろ?」
出欠で返事をするときに人差し指を出して答えるナース達。仕草がかわいいと思った
傷を見て思わず吐くフランク
ブレンダと出会い検事補佐に
家族と絶縁状態のブレンダに同情し婚約を決める
あなたはルーテル派?
プロテスタントの最大の教派
宗教を用いることで絶妙に溶け込めてないぎこちない感じがうまく出ている
先生の犬の名前は?でバレそうなときに「残念ですがですがなくなりました…」で切り抜ける
司法試験の切り抜け方を最後の謎として残しておく
エクレアを強請られて嫌味に全部食べるシーン
知らない歌を雰囲気で歌うシーンがずれててコミカル
父親
「足を洗えといって」「今更無理だ」
父母の関係も混じってすごく閉塞感を生み出すセリフ
クリスマス2
名前を変えていないことを見抜くカール
空港から空への脱出
煌びやかなスチュワーデスで周りを囲い、視線を誘導して逃げおおせる
クリスマス3
自分が騙し続けてきたからカールのいうことが信用できない
「表には誰もいない」
「結婚指輪をしてる!嘘をついたじゃないか!」
「ホテルのフロントにかけさせた?」
「リュック警部 ほんとらしく聞こえるが」
「いいね 嘘をつき続けろ そのうち嘘が本当になるぜ」
彼の人生そのものを表しているようなセリフ
父親が死んだことを知るフランク
幸せな家庭と子供 窓を隔てての言われようもない大きな差を感じる演出
「僕を車に乗せて…」
取り戻すべきものがなくなった故の行動だとわかる
2週間勉強したら司法試験は受かった
最後に主人公の天才性にハッとさせられる軽快なエンディング
細かい仕掛けについて
漫画
アメコミ「FLASH」の漫画は、序盤のフランクが目覚めるシーンのベッドの傍にさりげなく置かれており、伏線となっています。
ラベル
フランクはラベルを集める趣味があり、ロータリークラブのシーンでもラベルを引き剥がしています。
権威に縋る詐欺師としての人生を彷彿とさせる皮肉な趣味ですが、実際にラベルの剥がれたボトルをみてこれで居場所がバレてしまいます。
映画やドラマ
何かの職種に扮する時、フランクは役者をみて勉強している。役者はいわば嘘のプロなのでどう振舞えばらいくみえるか、が学びやすいのだろうと思った
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