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DX事例研究②:浜松倉庫の経営改善「SEIJI」の戦略と成果

浜松倉庫の経営改善「SEIJI」の戦略と成果

日本の物流業界において、DX(デジタルトランスフォーメーション)は競争力を維持するために避けて通れない取り組みである。同社代表取締役社長の中山彰人氏は「将来的にシステムですべてを動かし,データ管理をしていかないと,会社の生き残りが図れないという強い危機感が,プロジェクトのスタート地点でした」と語っている。
明治40年創業の静岡県浜松市に拠点を置く老舗物流企業「浜松倉庫」が導入した倉庫管理システム「SEIJI」は、同社の業務効率化と経営改善に大きく貢献した。結果として、営業利益率を4.5%向上させる具体的な成果を上げた。


現場の課題を解決するための「SEIJI」の機能

「SEIJI」は、豊田自動織機ITソリューションズ製WMS「LogiComp」をカスタマイズしたシステムで、倉庫管理の現場における根深い課題を解決するに導入された。注目すべきは、無線LANを活用したハンディターミナルの導入と全商品へのバーコード管理により、従来は目視に頼っていた入出庫作業が、リアルタイムかつ正確に管理できるようになり、在庫確認をスピードアップさせた。その結果、出荷スピードの飛躍的な向上をもたらし、顧客からの信頼を高め、リピートオーダーの増加へとつながる。


入出庫の進捗管理

「SEIJI」の進捗管理機能は、入出庫状況をリアルタイムで把握可能にするものである。この機能によって、現場作業の効率化だけでなく、経営判断のスピードも大幅に向上した。この結果、単なる業務効率化を超えた経営の質的向上が実現された。


顧客サービスの質的向上

「SEIJI」の導入効果は、社内業務の改善にとどまらない。顧客がWEBを通じて荷物の状況をリアルタイムで確認できるようになったことで、従来のFAXのやりとりが大幅に削減できた。事務作業の負担が軽減され、より付加価値の高い業務へのシフトが可能となった。


4.5%の利益率向上を実現した要因

浜松倉庫が4.5%の営業利益率向上を実現した背景には、以下の要因が考えられる。

  1. 業務効率化による無駄なコストの削減

  2. リアルタイムでの状況把握による迅速な意思決定

  3. 顧客サービスの向上によるリピートオーダーの増加

これらの成果は、DXの導入が単なる技術革新ではなく、経営戦略と密接に結びついて、結果として既存事業のサービスレベルを刷新している。特に、現場からのフィードバックを取り入れ、システムを運用しながら最適化を図る姿勢は、他業界においても参考になる。

  • 現場の声を吸い上げたシステム設計と運用がキモ。

  • 技術導入は経営課題と結びつける。具体的な成果を見据える。

  • 顧客満足度の向上が、直接的に収益向上へつながる戦略をとる。

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