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アンゾフさんに想いを馳せる

そろそろ、アンゾフの「戦略は組織に従う」から妄想を広げたい。


経営学者であるチャンドラー氏が
「組織は戦略に従う」
と提言した。
これは米国大企業を経営分析した結果、
「戦略が定まらないとそれに必要な組織も決まらない」というメッセージだ。

その後、アンゾフ氏はチャンドラー氏をリスペクトしインスパイアしつつ、
チャンドラーの逆といえる
「戦略は組織に従う」
と提言した。

そのままの意味で受け取ると
「組織の能力、長所短所に見合った戦略を実行すべき」
と受け取れ、そのくらいの解釈で捉えていた。
しかし、あらためて調べてみるとアンゾフの意図は違っていた。

アンゾフは、自らがランド研究所で経験した組織の近視眼的な態度やロッキード社で経験した経営者の多角化への理解の無さを知ったことから、組織は従来の経営への慣れや変化への抵抗が強ければ最適な戦略を策定できなかったり、策定した戦略を遂行できなかったりすることがしばしばあると捉えていた。そのためアンゾフはチャンドラーの業績に敬意を持ちつつ、組織学習と組織能力の向上があってこそ環境の変化に対応した最適な経営戦略がとれるということを『戦略経営論』(1979年)のなかで「戦略は組織に従う」(Strategy follows structure)という逆の命題でもって唱えた。
参考文献より

アンゾフ氏が言いたかったことは、

  • トップダウンで指揮しても失敗するケースがある

  • 大切なのは組織が環境に応じて変化でき、その変化があるからこそ良い戦略を実行できる

  • なんならその変化は外部環境の変化となり戦略を決める要因となる

ということらしい。

参考文献から引用させていただくと
・チャンドラー : 
外部環境の変化 → 戦略の変化 → 組織の変化
・アンゾフ   : 
外部環境の変化 → 組織の変化 → 戦略の変化
という考え方の違いというか時代に応じた変化が生まれた。
さらに引用すると、
将来的には組織の変化が外部環境の変化をも追い抜いていくという意見も出している。優れた経営者は環境が変わることに先んじて、より柔軟な組織構造・ケーパビリティを築いていくことになるだろう、と。

組織の変化が外部環境の変化を追い抜く。
外部環境の変化とは、結局無数の組織の変化の集合体ともいえそうだ。

「外部環境の変化から戦略を定め組織を導く」
市場における立ち位置を探るポジショニング的視点と

「組織の成長・変化に応じた経営資源を有効活用する戦略を見据える」
中長期的に組織ができることから、強みを発揮するケイパビリティ的視点とが対立しているように感じていたが、実際には順序が違うだけでお互いに補完しあっている。

最近、それに気がついた。
おそらくアンゾフ氏が言いたかったことのひとつは、これじゃないかと想像する。

対立と思いきや、お互いに補い合う関係。

これに気づいたとき、考え方と印象がガラっと変わる。

なにとぞ。

参考文献:

「戦略は組織に従う」の現代的意味とは ~アンゾフの逆命題 | NTTラーニングシステムズ 営業本部 人材育成WEB (nttls.co.jp)

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