「ファスト思考」の罠

2024年7月13日 06:51

経営者は日々、多くの意思決定を迫られる。
常に最適な判断を下すことは容易ではない。特に、不確かな情報や感情的なバイアスに左右されやすい状況では、誤った判断を下してしまうリスクも高まる。

ノーベル経済学賞受賞者ダニエル・カーネマン氏の著書『ファスト＆スロー』で提唱された「システム1」と「システム2」の概念は、この問題を理解する上で参考になる。
システム1は、直感や感情に基づく速い思考
システム2は、論理や理性に基づく遅い思考
である。

人は、疲れている時やストレスを感じている時など、心理的に負荷がかかっている状況では、システム1に頼りがちになる。これは、「ファスト思考」とも呼ばれ、迅速な判断には役立つ。だが、誤った情報や偏見に左右されやすいという欠点がある。

意思決定においては、データに基づいた客観的な判断が求められる。しかし、人は感情的な生き物である。常に論理的な判断ができるわけではない。そこで、データ分析ツールやダッシュボードなどを活用する。客観的な情報を可視化することで、「スロー思考」を促すことができる。

例えば、ある商品の販売戦略を検討する。
過去の販売データや市場トレンドを分析することで、感情的な思い込みや主観的な意見に左右されることなく、より合理的な判断を下すことができる。

迅速な意思決定が求められる一方で、データに基づいた客観的な判断も重要である。「ファスト思考」と「スロー思考」のバランスを取りながら、自覚的に意思決定をする。

中小企業DX事典｜Iwakami Sho｜note
「DXが浸透しないのは言葉の定義が曖昧だからでは？」という仮説をもとに「デジタル活用＝DX」という広い定義を設定しました。具体的なデジタル活用に役立つノウハウをまとめます。スキマ時間でサクッと読める内容を目指しています。

出典：ファスト＆スロー

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