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馬匠 渡辺薫と根岸ステークスを

馬匠と呼ばれる渡辺薫さんが逝った。

馬匠は私が競馬を始めた1987年、既に東スポの本紙であった。その頃はまだ競馬予想の世界は大川慶次郎、柏木集保、清水成駿、二宮徳明、井崎脩五郎、吉田均に代表されるようなメジャーな専門家が活躍する専門誌が中心だったと記憶している。スポーツ新聞の予想でも日刊スポーツやスポーツ報知、サンスポなどは信頼されていたが、東スポの予想は普段のUFO、UMA記事などと同様にキワモノでソースとしての信頼には欠けるイメージだった。

確か当時の東スポは90円、ショートホープと同じ値段だったと記憶している、専門誌は250円、東スポと比べれば2倍以上の値段だった。私はそれでも当時は勝馬とダービーニュースの2紙、そして日刊スポーツを買って競馬予想していた。しかし今では中央競馬では東スポ1紙だけで予想するようになっている。これはこの間に東スポ記者が必死に予想して少しずつ作り上げてきた信頼であり、その中心にいたのは間違いなく渡辺さんであったと思う。

もちろんネット社会となり、データの入手方法や活用方法が変化し予想スタイルが昔とは大きく変わり、予想方法が明示されてはいない記者の予想を参考にして予想するよりも、自分でデータを分析しながら予想するスタイルが定着してきた事も1因だと思う。自分も今の東スポ記者さんの記事を読むかと言われれば、ほぼ読んではいない。それでも東スポにあるデータの精度が上がってきた事もあり、データソースとして東スポを活用し予想してきた。

予想をしていると判断に迷う時がある。その時、私が紙面を見て参考にするのが渡辺さんの予想だった。どの新聞においても本紙の予想は新聞の顔で、とても重みがあると思っている。その本紙を長年に渡り担ってきた渡辺さんの予想だからこそ、最後の頼りにさせていただいていた。その信頼し最後のよりどころとしていた渡辺さんが逝去された事は、とても寂しく思う。今日は馬匠渡辺薫さん最後の予想となる根岸ステークスが行われる。

フリームファクシの単勝馬券で功績を偲びたい。

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