ベネズエラの奇妙な国営暗号通貨発行計画
ベネズエラ政府発行の暗号通貨(?) Petroのアップデートが出たようだ。政府の諮問委員会が、Petroを60%割引で先行販売するように提言したとのこと。売出しは2月15日に始まるという。
記事の示唆するところによれば、Petroはイーサリアム基盤の上で構築されたERC 20トークンのようであり、既に1億単位分が発行済みとなっているようだ。1Petroは1バーレルのベネズエラ産原油と同じ価値(約60ドル)を持つとされているから、(額面価値で)60億ドル分が発行されていることになる。これを6割引で販売するとのことだが、その裏付けとしてベネズエラの油田の一部などが割り当てられるという。ここでいうOil-backedの意味するところは不明であるが、何やら政府が主導するICOプロジェクトのようにも見える(「額面価値」を持つトークンというのは普通はないが)。
ベネズエラの国会は野党が優勢で、一連の大統領令は違法であると決議しているが、マドゥロ大統領は既に発行を終え、売出しに取り掛かるようである。ベネズエラが埋蔵する石油資源を切り売りする約束により、投資家からキャッシュを集める作戦だと批判されているとも伝えられる。とはいえ、「裏付けとして油田を割り当てる」という宣言がどの程度履行が確からしいのか不明であるし、そもそも仮想通貨とかトークンと名乗っている時点で、油田の権利を売り買いするもではないように思われる。
果たして、マドゥロ大統領側の思惑通り、Petroが仮想通貨として割引価格で買い手が付き、その後値上がりするものなのか、国内の通貨システムとの関係はどうなるかなど、不明なことが多い。引き続き、ベネズエラの動向はフォローしていく必要がありそうだ。