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シャニアニ2nd2章から考える、シャニマス随一の卑しか女とシャニマス随一の恋愛雑魚。

みなさんはシャニアニ2ndの劇場先行公開を観ただろうか。
ここからは見ている前提で話させてもらう。まだ見ていない方でネタバレは避けたいのならすぐに観て来よう。

さて、かく言う私は記事執筆時点、三週目にして三回観させてもらった。アーマードコア6で言えばスターゲイザーなわけだが、今回の話はジャーニーではなく薄桃についてだ。頭フロム過ぎて意味不明な文章が生成されているが気にせず読み進めてくれると嬉しい。

私はアルストP、もっと言うと甘奈Pである。
「薄桃色にこんがらがって」は、特にシャニアニでのそれは千雪に焦点が当たっていたように思われる。
しかし私は同時に、甘奈に対するとても丁寧な描写も感じた。千雪と甘奈、この二人の描写から、ネット上でもしばしば話題に上がる「あのネタ」に関して、掘り下げていこうと思う。

まあここまで引っ張っているが記事タイトルでお分かりであろう。そう、「卑しか女」と「恋愛雑魚」である。

千雪はその大胆なアプローチによりたびたび「卑しか女」などと呼ばれている。また、甘奈はその消極的な姿勢から「恋愛雑魚」のようなことを言われている。
もちろんそれらはあくまで1シーンを切り取ったもので、それが彼女らのすべてではない。それは頭に入れておいて欲しい。

ただ、ここで興味深いのは同じユニットの二人が、まるで対照的なイジり方をされていることだ。
双方比較して、相対的に、というネタではなく、あくまでそれぞれのコミュによって自然発生したノリであり、比べられることはあれど、おおよそ独立したイジりであるのだ。

しかしこれについて、私がこの度シャニアニ2ndにて「薄桃色にこんがらがって」をもとにしたエピソードを見、感じたことがあったためまとめていこうと思う。

私一人では少し寂しいので、解説のためにプロの方を呼ぶことにする。

スッラ「シャニアニ2ndを三回もウォッチするとは、相変わらずだな。」

ということで、こんがらがってもつれ合うプロフェッショナル、強化人間C1-249、スッラさんに来ていただきました。ありがとうございます、スッラさん。

スッラ「そこの犬、一つだけ先に言っておく。キャラクターに対する過度なイジりはやめておけ。お前のためにもな。上記の両方とも、嫌うやつは多い。」

そうですね、この手のイジりは盛り上がりやすい反面、そのキャラクターが好きな人からしたら不快に感じる部分も多いでしょうし。

ではまず、というかいきなりなんですが、「薄桃色」「好きの満ち欠け」、および甘奈のコミュにおけるメインテーマであると私が考えることについてです。
上記のような、特に甘奈が主軸になるコミュでは「思いを言葉にすること」について描かれている、と私は考えています。直近ですと「輝いてアンドロメダ」なんかではモロにそのことについて踏み込んでいましたね。

スッラ「longingとすれちがいシアターも悪くないコミュだったが、今度のはそれ以上だ。」

プロデューサーの口からあのセリフが出た瞬間は鳥肌が立ちましたよ。

死神部隊リーダー「同感だ。」

誰ですかあなたは。まあいいでしょう。

つまり甘奈のコミュでは、「自分の思いを言葉にすること」、それを相手に伝えることの重要性を説いています。たぶん。
もちろん「薄桃」の時点では甘奈はその重要性に気付いておらず、思いを言葉にすることをためらっています。

スッラ「不憫なことだ。」

それに対して、千雪は言いたいことを口にするのが上手かったですね。

スッラ「反対ごっこだな。匂いでわかるぞ。」

そうですね。千雪は冒頭のシーンにて、言いにくいことを「反対ごっこ」として、反対のことを思いながら述べていました。まあ、限りなく棒読みでしたが。
また、ラストのシーンでも「反対ごっこ」という形で言葉を発していましたね。こちらは全力で。私のFFの方はこのシーンで声優の芝崎典子氏の演技に感動したと仰っていました。それくらい魂のこもった慟哭でしたね。

スッラ「この違いについて教えてやろう。まず前者だが、千雪は甘奈のことを褒めたいものの、甘奈からは『厳しくして欲しい』との要望があった。だから、思ってもいないことを言うために無理やり反対ごっこを持ち出したわけだ。」

とうとう語録無視で普通に喋りだしましたね。まあそんなことは置いておいて。
つまり、後者はそうではないと?

スッラ「正解だ。後者のシーンのセリフについてひとつずつ見てやろう。」

えー、「甘奈ちゃん、負けて」「負けたい」「アルストロメリアなんて大嫌い」などでしょうか。

スッラ「そうだな。正確なセリフは何だったか…まあいい。これらに共通することが分かるか?」

「反対ごっこ」とするなら、甘奈への激励、そしてアルストロメリアを大事に思う気持ちの表現でしょうか。

スッラ「半分正解だ。しかし、思っていることの反対をそのまま言っただけなら、冒頭のシーンと同じだ。相変わらずなら同じシーンを二回もやる意味はない。制作側のためにもな。」

スッラ「この二つのシーンの決定的な違いは、先に述べたように芝崎典子氏による演技にあるだろう。」

スッラ「まずひとつめの『甘奈ちゃん、負けて』に関してだ。反対ごっこと言うなら甘奈に勝って欲しいと思っている、と考えて当然だ。」

スッラ「しかし、千雪はこのオーディションに絶対に勝ちたいのだ。だがGPは甘奈と決まっている。」

スッラ「では、千雪は何と思う?絶対勝ちたいオーディションに、絶対勝てない相手がいるなら。」

相手に負けて欲しい、でしょうか。

スッラ「正解だ。甘奈がいなければ、負けてしまえば。千雪は思う存分に戦える。」

スッラ「では次の『負けたい』はどうだ?」

「反対ごっこ」と捉えるなら「勝ちたい」ですが、しかし先ほどの発言とは逆転していますね。

スッラ「そうだ。それぞれ『反対ごっこ』とするならその意味は『甘奈が勝って欲しい』『千雪自身が勝ちたい』となっている。逆に表面上は『甘奈に負けて欲しい』『千雪自身が負けたい』と言っている。」

「アルストロメリアなんて、」というセリフも同じでしょうか?

スッラ「その通りだ。」

スッラ「この一連の『反対ごっこ』は千雪が反対ごっこという体で『どっちも本当な』気持ちを打ち明けている。」

はづきさんとの呑み屋でのシーンのセリフですね。
なるほど、これが冒頭のシーンとの違いですね?

スッラ「正解だ。冒頭のそれは思ってもいないことを建前として口にしていただけだが、ラストのは違う。本心を、自分の本当の気持ちを、言葉にして叫んでいるのだ。」

相手への遠慮から言葉にできなかったものを、「反対ごっこ」として出力することで吐き出している、ということですね。口にした思いも、その反対も本心だからこそ言えたわけですね。

スッラ「正解だ。」

使える語録が少なすぎて擦ってますね。まあ語録は使えるところで使っていかないとそのうちただのねっとりおじさんになってしまうのでまあいいでしょう。

スッラ「ここで問題なのは、千雪の後に続き二人も反対ごっこを始めるだろう?」

そうですね。アルストロメリアが三人でアルストロメリアだと、一体感のようなものを感じさせられましたが、注目すべき点はどのような点でしょう?

スッラ「甜花は千雪に続きすぐに、かなり食い気味に叫んでいたな。」

確かに、甘奈が呆気に取られているうちから叫んでいましたね。

スッラ「甜花はこのシナリオではいち早く千雪の気持ちに気付き、妹たる甘奈に寄り添い、そしてひとり真実を知ってしまっていたのだ。不憫なことだ、アニメではほとんど端折られるとは。」

こんがらがる思いと思いに挟まれていたわけですね。

スッラ「まさに『マージナルマン』だが…余計だ、この話は。」

スッラ「甜花は千雪の『反対ごっこ』を受け、すぐに理解したのだろう。」

スッラ「しかし甘奈は声を出すまでに時間がかかっていたり、最後にはとうとう言い切らずに千雪が代弁していたな。」

なるほど、「思いを言葉にすること」に関して、千雪は工夫して言葉にできるものの、甘奈にはそれができなかったと。

スッラ「正解だ。ここで本題に戻ろう。千雪は大胆なアプローチ、甘奈は消極的なアプローチだったな。」

なるほど、この一連の「反対ごっこ」一つをとっても、思いを言葉にすることに対する両者の違いが描かれている、と。
「薄桃」ではアルストロメリアとしての形だけでなく、このようなパーソナリティに関する丁寧な描写がされていたわけですね。

スッラ「そうだな、これで彼女らがそれぞれ『卑しか女』だの『恋愛雑魚』だのと言われる所以がよく分かっただろう。」

結局のところ、アルストロメリアのコミュの根底にある「思いを言葉にすること」に対する両者の感覚の違いを描くための演出のようなもの、ということでしょうか。

スッラ「そうかもしれん。まああくまでこれは考察にすぎんし、もしくは因果関係が逆かもしれん。我々プロデューサーにできることはただ一つ、彼女らを応援し続けることだ。」

なるほど、スッラさん、ありがとうございました。

対照的な二人、しかしその違いは一つのテーマと、それに対する姿勢の違いということでした。ネット上ではネタにされがちな両者ですが、むしろそういった1シーンから切り取って見える姿も、「桑山千雪」の、「大崎甘奈」の、彼女らの「全て」であり原点から延びる一つの線の「ひとつの点」なのかもしれないですね。

以上が、私がシャニアニ2nd2章から感じられた、千雪と甘奈の似ても似つかぬ共通点についてだ。
シャニマスにおけるPラブ最上位と最下位は、ただそれでも同じユニット、アルストロメリアだったのだ。

まあ、どのようにアプローチしようとあの男は何も感じないわけだが。


甜花茶ん!?


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