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株式会社菓道「もろこし輪太郎」に関する考察~彼の苦しみ~
「もろこし輪太郎」を食べたことがあるだろうか。
株式会社菓道が製造、株式会社やおきんが販売しているスナック菓子である。
軽い食感ととうもろこしの強い風味が魅力的な駄菓子だ。幼少期、子供会からもらったお菓子詰め合わせにセンターの如く鎮座していた風景は、今もありありと思い浮かぶ。
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製造している株式会社菓道は、〇〇太郎という商品名で様々な商品を展開している。みんな大好きキャベツ太郎や、魚肉すり身系の蒲焼さん太郎など、商品名には「太郎」がついている。(ちなみにキャベツ太郎の由来は「芽キャベツに似ているから」が主流な説らしい)
今回取り上げる「もろこし輪太郎」も、例外なく「太郎」だ。しかし、ここで疑問が浮かぶ。
もろこし/輪太郎?もろこし輪/太郎?どっち?
これだ。これが今回の議題だ。お願いだからブラウザバックせずに最後まで読んでほしい。お願いだから。一生の頼み。マジで。
今日は、もろこし輪太郎がどこで区切れるのかを考える。そういう日。
早速考えていこう。
もろこし輪太郎のパッケージを見ると、もろこし輪太郎の表記は3つある。
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タイトルの色の分け方はもろこし輪/太郎、輪太郎の父らしきキャラが言うには、でっかい/輪太郎、英語表記では、Morokosi Wa TARÕ。
太郎2、輪太郎1という結果になっている。太郎が優勢か。
てかそもそもどっちがもろこし輪太郎なんだ?そこからはっきりさせよう。
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フィギュア化されている駄菓子キャラクターの説明を見ると…
え?マジ?
![](https://assets.st-note.com/img/1708158834462-x45viUrZt2.png)
でかい方がもろこし輪太郎だった。となると小さい方は弟?妹?息子?娘?誰?姪っ子?「でっかい輪太郎」とかいう台詞も自分がでっかい「輪太郎」だよってことを言ってるの?何言ってるの?
気を取り直して。パッケージの情報からだと、太郎2輪太郎1と太郎が優勢である。かくいう私も今のところは太郎学派である。なぜなら、株式会社菓道の製造しているお菓子は、軒並み太郎がついているからだ。全てに太郎がついているということは、太郎が浮いていることの証左にほかならない。
もう少しパッケージを調べてみよう。裏を見ると…
あっ
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「毎度お買い上げありがとうございます。」
「先生・・・・輪太郎君、特徴は・・・・?」
「お答えいたします。私、生まれはアメリカ、育ちは茨城県(株)菓道です。育ちの良さと味の良さ、それに輪になっているのが特徴です。先生と相談して沢山食べてください。」
「先生・・・・輪太郎くんはなぜ輪になっているのですか?」
「味が見通せるからです。」
状況設定がいまいちよくわからないが、もろこし輪太郎と先生、生徒(?)が話している様である。私は以下のような会話だと解釈した。
もろこし輪太郎
「毎度お買い上げありがとうございます。」
生徒
「先生・・・・輪太郎君、特徴は・・・・?」
もろこし輪太郎
「お答えいたします。私、生まれはアメリカ、育ちは茨城県(株)菓道です。育ちの良さと味の良さ、それに輪になっているのが特徴です。先生と相談して沢山食べてください。」
生徒
「先生・・・・輪太郎くんはなぜ輪になっているのですか?」
もろこし輪太郎
「味が見通せるからです。」
転校生が来たかのようなシチュエーションを想像する。生徒は先生に疑問を投げかけるが、先生よりも先にもろこし輪太郎が返事をする。横暴なやつだ。もろこし輪太郎。あとめちゃめちゃ紳士みたいな喋り方してんのかよ。イタズラわんぱくボーイみたいな風貌しといて。
しかし、これにて「輪太郎」という名前がはっきりしたのではないか。ほかの製品も調べていると、
豆板醤風味の商品パッケージでは、もろこし/輪太郎という色分けがなされている。こちらが後発の商品だとするならば、こちらが最新の定義である。もろこし輪太郎側からの「俺の名前をちゃんと表記してくれ」という指摘があったのかもしれない。
以上の結果から、私は彼を「輪太郎」と呼ぶ。もろこし家の輪太郎と。だが、私は彼の苦しみに思いを馳せずにはいられない。なぜなら、「太郎」シリーズの中で、唯一と言っていいほど、彼の名前は太郎で切れていないからである。
キャベツ太郎、蒲焼さん太郎・・・彼らは/太郎と区切られるか、もしくは一つの名前でつなげて「キャベツ太郎」と呼ばれるのではないだろうか。太郎シリーズの中でも、もろこし/輪太郎というイレギュラーな名前を授かった彼は、太郎一族の中でも肩身が狭かったのかもしれない。初代「もろこし輪太郎」では、太郎シリーズであることを強調すべく「もろこし輪/太郎」と区切られた。彼は悔しかったのではないだろうか。
もう一度最初のパッケージを見ると、輪太郎と言っているのは、本人だけなのである。「でっかい輪太郎」と。また、裏面の会話中でも、自己紹介の後であることが考えられる。自分では、「輪太郎」と自己紹介したのではないだろうか。だから生徒も「輪太郎君」と呼んでいるのではないだろうか。この時は、自分で「輪太郎」だと主張するしかできなかったのだろう。制度、体制、権力を動かせない悔しさを感じる彼の姿を想像するのは難くない。
やがて成長し、豆板醤風味になり、ピリ辛く、強くなった彼は、「俺は輪太郎なんだ」とやっとはっきり言えるようになったのではないだろうか。その強さが豆板醤風味のパッケージに表れたのだ。自分自身のアイデンティティを見つけ、逞しく生きる彼に、私は敬意を表したい。ありがとう。「輪太郎」。
そんなわけあるか。もろこし輪太郎ウマ。みんなも食べようね。
(終わり)
追記
完全に書き忘れていたが、輪(りん)太郎ではなく、輪(わ)太郎である。