涙腺エモーション

なりたいテレビの#4。その後のMDCの後日談。
程良い距離感を保った関係性がこんなにも面白くて愛おしいと感じられるのは、お互いが本音を言い合える関係を築き上げていて、相手に対する興味を未だに失っていないからだと思う。

※この先、なりたいテレビ・MDCのネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください。
ただの薄い感想文兼備忘録なので、過度な期待はしないでください。




15年間も仲良くいられて、相手の新しい一面を知って嬉しく思えるって本当にすごいことだと思います。
家族とか幼馴染とか長年の付き合いでもなく、育った環境も性格も違う赤の他人だった2人がコンビになって、大きな喧嘩も無くほぼ毎日長時間顔を合わせるって並大抵ではできないです。
別番組のスタッフさんにも付き合いたてのカップルくらいイチャイチャしていたと評されるコンビ仲……どんなやりとりがあったのかすごく気になりますが、MDCで見られるような仲良しぶりを発揮されていたのでしょう。
勿論、見取り図さんに限っての話ではないですし、ただのしがないファンが贔屓目ありきで戯言を語っているだけですのでご容赦ください。


盛山さんが話していたように、このサシ飲みで言葉数が普段より多くなっているリリーさん。それに合わせて表情も柔らかで、無邪気にはしゃいでいる姿がすごく印象に残っています。もしも周りにスタッフの方々がいたら、きっとこの姿を引き出すことはできなくて、いつものポーカーフェイスを装っていたことと思います。

お酒の力を借りたのもありますが、どの言葉をとっても、内にある熱量とか重みは普段よりもかなり増している気がします。きっと言葉を口に出して話すことは少ないけれど、胸中にそっと秘めているんだと改めて思いました。

特にリリーさんが言っていた「嫌いじゃない」っていう言葉。「好き」っていう言葉よりもだいぶ厚みが感じられました。
「好き」だと何かの拍子で一気に「嫌い」にまでなり得る可能性あるけど、「嫌いじゃない」だと何かマイナスなことがあっても「そういう一面があるんだ」って感情の振れ幅が小さいままでいられる。そんなニュアンスが「嫌いじゃない」っていう言葉に含まれている気がします。
白か黒かの2択でなくて灰色に近い色も選択肢に入れている感じがなんとなくリリーさんらしい表現だなーと思いつつ、相方に真正面から「好き」と言うのもなかなか恥ずかしいよなーと思いました。嬉しそうに笑うVTRの盛山さんとリンクするように、ワイプの盛山さんもすごく嬉しそうに笑ったのすごく可愛かったです。

でもこの関係性を「奇跡」と言ったのにはちょっと驚きました。盛山さんが言いそうなワードがまさかリリーさんからくるとは……。少しキザな言葉を敢えて言葉にして伝えたのは、盛山さんが語った本心に対してリリーさんも応えるように本音を語ったのかな。
悩んだり迷ったりする内気な盛山さんの隣にドスンと構える強気なリリーさん。真逆な性格だけど、それがパズルのピースみたいに上手く嵌りあっていて、お互いに必要なところを補い合っているから、同じ道を同じ歩幅で15年も歩み続けられてきている。人生の約半分近く苦楽を共にして、今も互いに感謝も尊敬も忘れずにいられる関係。家族や友達ほど慣れ親しいわけじゃない。仕事仲間や同僚というには腹の内を見せ合いすぎている。出会わなければ赤の他人のままだったこの関係を「奇跡」だと言葉にできたのは、どんな言葉も拾って受け止めてくれるとわかっているから発せられたのかもしれません。当の本人はふにゃふにゃし出して、タコを食べ出したりしていますが、そんな気兼ねなくいられる空気は2人にとって居心地のいいところなんでしょう。

高校時代のチームメイトや恩師がVTRに出演されているのを見て、気持ちが昂ぶるリリーさんも新鮮でした。嬉しそうに綻んだ顔や穏やかに友達を見つめる目、眉間に皺寄せて感動をグッと堪える表情など今まで見たことないくらい色んな表情をされていて、リリーさんの新たな一面を窺い知れる回でした。M-1の決勝初進出が決まって雄叫びあげていたくらい熱い感情が出ていたと思います。これは情に熱い盛山さん泣くって。絶対素面でも泣きましたよあの方。

そんな涙脆い仕掛け人の盛山さん。仕掛け人としてダメなところがピックアップされがちですが、他者の思い出話に感極まってこんなに泣ける方も素敵だと思います。自分の感情を真っ直ぐに晒け出せるところも、VTR見て感情的になっているリリーさんに感動しているところも、本当に純粋な人なんだって伝わってきます。あまり感情を表に出さないリリーさんの喜び様に心がじんわり暖かくなったから、きっと商店街を見ただけで涙が出てしまったのでしょう。あんなに涙を流す36歳児初めて見ました。その姿を見てリリーさんも感動したらしく、上手く言葉にできないのがなんとも歯痒いんですが……見取り図さん、とてもエモい。この一言に尽きます。

白目剥いていると思えばお酒を飲んで噎せたり、計算を誤って空回りして怒られたり、呂律が回らなくてふにゃふにゃし出したり、泣きすぎだと指摘されてシュンとしてしまったり…これ逆ドッキリじゃない?って言うくらいリリーさんよりも様々な表情を見せる盛山さん。恐るべしアルコール。お蔵入りを申し出る気持ちもわかります。でも素顔が垣間見れたのがとても良きでした。
2時間くらい撮影されたのを10分の尺に収めたらしいですが、切り取られた部分も非常に気になります。

でも、ここで終わらせず、まさかのエピローグをMDCで用意していたとは思いも寄りませんでした。そして2人が語るあの日の撮影裏話。
朝早くから深夜にかけて別の仕事を熟し、疲労困憊の中、日付が変わる頃にサシ飲みが始まったこと。撮影が終わると、リリーさんは号泣した盛山さんを置いて先に帰られたこと。そしてそんな話の中、スタッフさんが収録後の盛山さんを撮影していたという報告が入る。思わず両手で口元を覆ってしまう盛山さんにキュンときてしまったのは私だけではないはず。

スタッフの方から好きになったと言われたり、急に褒められて戸惑ってしまったり、覚えていない質問をされたりする度に吐息とツバの音で返事をする盛山さん。その様子を見てリリーさんは笑いが止まらなくなっており、相方の新しい行動にもすごく興味を示していました。能面と称されるくらい表情の変化が少ないリリーさんをずっと笑わせている……もしかしてリリーさんの感情のトリガーは盛山さんだったりするのかな?
盛山さんはお酒に呑まれても心配性な一面は残っており、企画から逸脱してしまっていたことも反省していて、またしょんぼりと眉を垂れさせていました。もしも盛山さんが30cmくらいのちっちゃなおっさんだったら、ポンデリングの丸1個分を分けて励ましてあげたい。編集とかお蔵入りとか気にしないで。ありのままの姿が1番素敵なんです。
また何よりも、目元泣き腫らした相方を置いて、颯爽とお帰りになったリリーさんのブレなさ。このさっぱりとしたドライなところも見取り図さんの味になっていると思います。このくっつきすぎない程良い距離感が良いですよね。

そしてMDC動画終了時に出てくる最後の一言。
「また今度ベロベロにしたろ🤍
是非ご本人様の身体と名誉に支障がない範囲で宜しくお願いします。


この感想文をあげる頃には、なりたいテレビはもうTVerでは観れなくなっていると思います。
#1から#3も観させていただきましたが、この#4は前3回の視聴回数合わせても比じゃないくらいもう何回も繰り返し観ました。そのくらいレアな見所が多くて、こういうコンビの在り方も素敵だなぁとしみじみと思いながら観させていただきました。
なりたいテレビがレギュラー化したらすごく嬉しいですし、TVerの再生回数も1人でいっぱい稼ぎそうです。テレビで録画できれば1番良いんですが、録画の主導権を親に握られているので、TVerが頼りになっています。

何時もの如く長々と語ってしまいました。
まとめると、見取り図エモいよねということを伝えたかったんです。

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