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Dye you in my hue #2
どうも、イワネスインセインです。先日アップされてこちらの映像、見て頂けましたか?
見てないの? 見てよ!!!!! はい、見たね。ありがとう。
このショー、我々的にかなり気に入っているのでちょっと色々書いていこうかなと思います。
・そもそものきっかけ
このショーを作るきっかけになったのは2020年9月、年末に京都で開催されるTHE GOLDというイベントにD-actのOBOG軍団で出ようという話があがる。チーム名はTHE IBORRIORZ。井堀という男を中心に、THE FLOORRIORZをパロったふざけたチームなんだけど、まあこれに関しては深く説明する必要は無いか。とにかく大人数で楽しくやろう!ってテンションだった。それはそれで楽しそうだったんだけど、IBORRIORZにはマサさんも齋藤もいたのでせっかくなら2人と共にDye you in my hueで独立しちゃいません?って提案する。
これがその時のラインです。ってことで久々にショー作っちゃおってのがきっかけです。
・ショーのテーマ
2019年3月の大会に出たのがきっかけ。そこから時間を経て新しいものを魅せたかった。我々はめっちゃ会議をするんだけど、前回出来なかったことをしたいというのが最初の会議で決まったテーマだったと思う。前回からの変化。齋藤はメロディアスなパートでソロを、マサさんは分かりやすいトリックを、僕はラストで歌詞の無いパートでソロを、といった風にそれぞれのパートにも分かりやすく変化を作ろうと決まったのだ。
・曲のチョイス
最初はテックハウスを使いたかった。理由は前回使えなかったから。このチームを組んだ最初のきっかけは僕がRealismみたいなショーケースをしたかったから。そういう理由でハウスダンスを嗜むマサさんと齋藤を誘った。だけど作っていくうちにテックハウスではなくジャズファンク系の雰囲気の曲でまとめることになった。なんで次やる時は絶対テックハウスを使いましょうね!って言ってので、最初はテックハウスで色々候補を出していました。
でも作って行くうちに微妙な感じに。そもそもテックハウスって起伏が少ないからショーにうまく落とし込めず悩んでいました。そんな中で練習中に僕がふと流した椎名林檎のちちんぷいぷい。
ずっと昔から使いたかったんだけど、まあこのチームで使うことは無いと思っていた。しかし思いのほか2人に刺さってて盛り上がったため、「じゃあこれで行きますか!」って空気に。ずっと使いたかったので嬉しい。ちなみに二番を使ったのは頭の歌詞が好きだったからです。
・ショーの内容
一番最初は寝そべることに。理由はステージで寝てみたかったから。床伝いに音の波を全身で感じられます。で、1人づつ起き上がり、ロープを一本拾ってゆっくりのカウボーイ。カウボーイをしてない2人は同じフリで陣形移動。そして齋藤のソロへ。これには二つ理由がある。一つは前回齋藤のソロが無かったこと。彼はめちゃくちゃ上手いのでしっかりソロをしているのを見たかったから。もう一つは齋藤が感情的な歌詞の上で踊るのを見て見たかったから。要するにどちらも僕のエゴだ。
齋藤のソロが終わってからは僕とマサさんが入れ替わる。ここは楽しい感じを出したかった。で、マサさんの一つ目の魅せ場。縄跨ぎムーヴ。この辺の件の骨組みはマサさんが考えてたと思うんだけど、改めて思うと素晴らしい。一つめのRINGO!は齋藤がシュールに、二つ目のRINGO!は僕が感情を込めて、三つ目のRINGOはあえて捨て、音が抜けるパートで一度空気を止めて、ティンパニのどん!から激しめなファーマーでロープを超える。技術、表現、構成、色んな角度から見ても素晴らしい。正直音も取りづらいのでそこにバッチリに合わせなくても問題ないムーヴを当てるというのも憎い。とにかく彼の強かな策略でこのムーヴは成り立っているわけ。
次、ピアノと歌声のパート。ここはもうダブルダッチをする必要もないので気持ちよくゆっくりルーズレッグを踏む。GOLDの時はここで歓声が上がって最高でした。
ルーズレッグを終えて、齋藤の二つ目の魅せ場、前向きスーパームーンウォークからのトビシャチ。これはあんまり凄さが伝わってないと思うんだけどめっちゃすごいよ。マジで。一回真似して見てください。彼のスーパームーンウォークとシャチは一級品です。
ここからの4×8は繋ぎ。一捻りを足で取る齋藤とか、脚の下でクラップするマサさんとか地味だけど良質なムーブがたくさんあるよ。
で、ここからが一番のミソ、大回転ムーヴ。これが本当に難しい。どこで跳べばいいか分かんない。そもそも回す方も初めてだから分かんない。分かんないづくしでした。練習の度に跳ぶカウントや位置が変わったりしたのが良い思い出です。とにかく面白いムーヴなので、ダブルダッチャーの皆様は試して見てね。
で、ラストのラストが僕のソロ。前述通り僕は一番最後にソロをするって経験が殆どなかったのでやって見たいという理由でここに。縄が短いのは何と無くそのアイデアが降りてきたから。でも大回転ムーヴの後に短いロープでってのは、閉じ込めようとする自分の澱んだ感情が漏れに漏れる感じがして結構好きだ。ただまあ感情に任せすぎて内容が詰めきれなかったのが悔やまれます。
ラストは振りを合わせて横向きで。ここで三人とも肩で浅く呼吸しているのがいいよね、なんか。
・衣装
真っ白。いや、いろんな白。この曲で決まった時、衣装がいつまでもアイデアが出なくて苦しかったけど、どこかのタイミングでもう真っ白を着て見ている人が感じた色に染めてくれればいいんじゃないか、という言葉が出て決まった。このショーを見た人がDye you in my hueできるように真っ白いキャンパスを。
あとは多様性、一口に白と言っても色んな白がある。僕らのチーム名は”あなたを私の色彩に染める”という意味がある。私と言っても我々は三人。似たような考えを持って行動を共にしているが、そこには幾分違いがあるはずだ。このショーに対しても、ダブルダッチに対しても、世界に対しても。だからこそ少しだけ違う同じ色を纏うことで、我々の間を揺蕩う小さな違和感を感じて欲しかったからだ。
っていうのは建前で、本音は同じ白で合わせるのが大変だったから。
・見てくれた方の感想
これ、僕じゃないどっちかの奥様のnoteです。嬉し!!!!!!!! こうして僕らのショーを見て、それがまた何かを生むっていうのは本当に素晴らしいな。
・動画にしたきっかけ
というわけで本当はTHE GOLDで終わりのはずでしたが、本番でノーミスが出なかった為、しっかり作品として残そうということで撮影計画が上がりました。撮影を依頼したのはKINILAのセオさん。
https://www.instagram.com/zeo_graphy
こういうイケな写真を撮られている方です。今回は撮影とカラグレをして頂きました。テロップの編集はマサさん、最初は自分がやる予定だったけど、マサさんが出したアイデアが素晴らしすぎてそちらが採用されました。
で、ロケ地は中央防波堤。お台場から15分ほどで行ける面白いエリアです。気になった人は行ってみてください。てかそのうちこの地についても記事書くかも。
・付かず離れず
最後になるが、この言葉は僕らのことをうまく表現していると思う。お互いにいい友人だとは思っているが(そう思われてなかったら流石に悲しい)、決してプライベートの深くまでは入り込まない。時々ラインして、時々定食屋にいって、時々ダブルダッチをする、それで良いんだ。
『我々の間にチームプレイなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。』
僕の好きな攻殻機動隊のセリフ。僕らもそんなチームなのかもね。