11/19 けいおん!の素晴らしい楽曲について(少しだけハルヒの話も)
お便りのコーナーに良いお便りが二つ届いていたのでそれに回答する。
すみません、良いお便りといいつつも”推し”という言葉があまり好きではなく…いや、かなり好きではないです(理由:なんかキショいから)。なのでその言葉を使うことに関しては異議を唱えつつも、本質的には良いお便りであるため、私が涼宮ハルヒシリーズを読んで好きだなと感じたキャラについて語らせていただきます。
私が何か作品を好きになった時、主要な登場人物皆を愛したくなる。どの登場人物も愛おしく美しい。そう思える作品は素晴らしいし、素晴らしいと思える作品の登場人物の大半は愛おしく美しいのだ。
そういう意味でいえば、涼宮ハルヒは素晴らしい作品であるため、基本的には皆好きだ。SOS団は誰一人欠けてはいけないと感じている(まるでキョンがそう思うように)。鶴屋さんや国木田、佐々木なども同じく。ただ、誰に一番心惹かれるかというと、それはこの作品のタイトルにも名を連ねる涼宮ハルヒに他ならないだろう。好きな理由、難しい。傍若無人で他人を顧みず、常に自分のやりたいことに猛進するハルヒ。しかし心の内は意外にも繊細で、自分がどんな人間なのかをまだ知れずにいる。そんなアンバランスさが人間臭くて良いですね。前も書いたけど、文化祭の後、バンドメンバーに感謝を伝えられてどうすればいいか分からなくなってしまうハルヒの様子とか、本当に素晴らしいなと思う。世界を変えてしまうほど大きな力を持ちつつも、その実はちっぽけな一人の人間ってのが良い。
他にもね、好きなところありますよ。バレンタインの話とか。
このエピソードの詳細は置いておいて、流行や文化をまっすぐ捉えて全力で乗っかりたいが、それは消費者として踊らされているだけなのではないかと葛藤しつつ、でもキョンと小泉のために長門と朝比奈さんを巻き込んでチョコを作り、色々な仕掛けをして2人に渡す。なんて美しいんだ、涼宮ハルヒという人間は。
このセリフは本当に大好きで、初めて読んだ時はかなり感動した。私が涼宮ハルヒという人間に惹かれる理由の大半がここに詰まっている。強い信念があるようで、心には多くの矛盾と葛藤を抱えているが、最後には自分の信じる方向へ力強く踏み出す。それが涼宮ハルヒであり、私が彼女に心惹かれる理由だ。
涼宮ハルヒの憂鬱は本当に素晴らしいので、ぜひ見るor読んでみて欲しい。とにかく素晴らしいんだから!
これもまた最高の質問ですね。3つと言わず、5つくらいババーンと書きたいところだ(これが何話の誰のセリフの引用か分かった方、あなたは私の友達です)。
一旦真剣に考えますわ。
とりあえず1位はListen!!ですね。
二期前半のエンディングということで、"NO, Thank You!!"や”Singing!"と比較すると特別な曲感は低いんだけど、逆にそれが良い。けいおん!の楽曲はどれも作品の延長線として好きなのだが、Lisiten!!は別だ。けいおん!の楽曲でありながらそこまでけいおん!の世界との繋がりがあまり感じられない。この繋がりの薄さが、逆説的に放課後ティータイムの普通の曲であるということを強調していて、だから私はこの曲が好きなのかも知れない。存在しないはずの放課後ティータイムが存在するように感じられて。
無論、歌詞も好きですよ。
とか
とか、良いですよね。なんというか、とにかくグッとくるんだよな、この曲は。キャッチーなキーボードのメロディが好きというのもある。イントロのドラムもまた良い。歌詞のテンポ感も良くて、大サビ前の
の箇所。めちゃくちゃ心地よいんだよな。Can Fly Highヤイヤイヤイヤーとか、歌いたくなる。
2位:Dairyはフォルテシモ
2位はこちら。ムギの二期のキャラソン。なんならこれが実質一位かもしれない。
ムギこと琴吹紬というキャラクターは、けいおん!という作品の中でもっとも変化したキャラクターである。いいところのお嬢様で、合唱部に入るつもりがひょんなことから”めったに出会えない、とっても楽しくて愉快な人たち”の仲間になり、放課後ティータイムのキーボードとして活動する。最初はお嬢様らしく同級生にも半分敬語で少し壁があるように感じるが、実は強い好奇心と情熱を胸のうちに秘めていて、時間が経つごとに少しづつそれが明らかになっていく。言葉も砕けてメンバーとの距離も縮まり、製作陣も思わなかった変化を遂げた。実際映画けいおん!では監督の意向でムギだけキャラクターデザインを一新するということになるほど。
そんなムギちゃんのキャラソン、一期のものは長くピアノを習っているお嬢様キャラらしくイノセントで透き通っているものだった。
(こっちも好きです、サビの頭で一拍置いてから入るところ気持ち良い)
しかし二期のDairyはフォルテシモではお嬢様らしさもありつつ、力強い元気なポップスになっている。BPMもあがってキラキラなシンセが鳴り響いている。琴吹紬という人間の変化を表した曲になっているのだ。
というわけで楽曲の話に入りますね。
まず歌詞ね。
それぞれ一番、二番、ラストのサビの一番最後のフレーズ。直球な愛と自身の変化。
二番のサビのここ。歌詞として見るとこうなんだけど、実際文字起こしすると、”スタイルはラフにJean どうぞオ試しあれ”という感じで、お試しあれのおがほとんど発音されてない。なんかそこが良いんだよな。リズムが跳ねている感じがして。
あとはメロディ。メロディというか私が大好きなのはラストサビ前のキーボードのソロ。まっすぐかっこいいし、内から出る幸せをそのままピアノ通じてぶち撒けているようで、美しくて力強い。最高。ラストサビで転調するのもまた素晴らしい。ムギの天真爛漫で元気さがそのまま曲になったような、本当に最高の曲だ!!!!!!!!!!!
3位:青春Vibration
3位はこちら。澪の二期のキャラソン。澪、二期では澪自身が軽音部に対してどういうことを思っているかを語るシーンはほとんどないのだが、この曲には彼女の意見がたっぷり詰まっている。
良いですね… まさに澪の高校生活を表したフレーズだ。
らしくなくても、良いんだ。
二番のサビ。熱い。作中で語らなくても、本心が歌詞として表れていて素晴らしい。
一番好きな箇所。澪がこう思っていることが本当に嬉しいなと感じます。
口下手で照れ屋な澪が、本心で軽音部のメンバーへのまっすぐな愛を語る。こんなに美しいものがあるのだろうか。本当に、素晴らしい。
メロディー面もまた良い。イントロのドラムに絡むベースライン。かっこいい。歌い出しの4小節、ドラムとベースだけなのも良い。幼馴染の関係性。
トップ3はこれですね。でも好きな曲ってまだまだあるから止まらないぜ!でもちゃんと書いてたら大変すぎるからざっくり書くぜ!
・U&I(映画「けいおん!」 Mix)
最高。教室ライブのシーンが最高という話もある。ギターソロの唯と梓の笑顔、さわ子の回想、仲の良い和ちゃんと姫子、飛び降りる唯、飛び跳ねるムギ、律っちゃんの暖かい目線、オカルト研のポーズ。ラストのサビ前のピアノのアレンジ、天才ですか? 映画けいおん!のハイライトの一つ。むろん曲としても大好き。唯が憂を思って作った素晴らしい曲。ハモリも気持ちいい。この曲が生まれた二期17話、良すぎる。ギャグと良い話のバランスが完璧。
・Singing!
かっこいいから。エンディングの映像、良すぎる。さらば青春の光(映画の方)だったり、エコール(まだ見てない)だったり、どこかメランコリーな作品のオマージュなのが良い。決してただ明るいだけの物語ではなく、いつか終わりが来る日々の輝きを描いているのだなと。永遠は無くて、一瞬一瞬を全力で生きるからこそ美しい。けいおん!という作品の大きな主題をそのまま歌にしたような曲だ。
それと、けいおん!シリーズの最後を飾る曲なので、けいおん!のはじまりの曲であるふわふわ時間に似せて作られている。イントロとか構造まったく一緒。BPMも一緒。多分他にも被せてるところあるはず。そういうところもグッときますね。
いつまでも、ずっと。Yes, We are singing now.
・いちばんいっぱい
今までのオープニングとは違ってゆったり素敵な感じで。冬の晴れた日に聴くと心が晴れやかになる。少し切ないけど幸せの詰まった曲。
素晴らしい言葉たち。やはりこれもけいおん!という作品のテーマである永遠じゃない時間の美しさを表現している。
コーラスというか合いの手というか、良すぎ。グルーブが良い。サビ前とか、最高ですよね。
歌詞には書いていないスキャットも込みで素晴らしい。
映画けいおん!だとこの曲が終わってそのまま本編に突入するのだが、その瞬間も良いですよね。カップが置かれて、普段の部室の会話が始まる。
・冬の日
これもまた冬の晴れた日に聴きたい。いちばんいっぱいに続き、唯の柔らかい曲は素晴らしいなあ。
・Over the Starlight
中野梓の二期のキャラソン。
3年前にこの曲の素晴らしさについて語ってた。語り口、気持ち悪すぎる。でも、今の私も同じことを思っている。中野梓という人間は本当に素晴らしいんです。本当に。
・ときめきシュガー
二期7話で澪がファンクラブ会員に向けて読んだ曲。歌詞は澪らしさの極北と言わんばかりのぴゅあぴゅあでファンシー。ファンクラブ会員もその境地には達せなかった。
そんな澪らしい歌詞をテンポ良くポップに運ぶ曲。シンプルにリズム感がグーで好き。ベースラインがセクシー。ギターのカッティングが心地よい。
二期のライブイベントで歌われた際、澪役の日笠陽子氏のイヤモニがバグって全然リズム取れなくるトラブルが起こったんだけど、そこで唯役の豊崎愛生氏が上手くカバーするんですよね。本来は澪ボーカルの曲を唯ボーカルで聴けるという喜び。優しさに感動。
ちなみにサブスクには無いのですが、放課後ティータイムIIに収録されているCasette Mixのアレンジもまた素晴らしいのでぜひ。
・Oh My ギー太!!
唯の二期のキャラソン。一期の”ギー太に首ったけ”をより力強くより複雑にした一曲。ソロパート、唯と梓のユニゾン。素晴らしい。その後、
ここ、澪律紬の活躍も良い。強調されたベース、ピロロロロって耳心地の良いシンセ(めっちゃ好き)、切れ味の良いドラミング。素晴らしいな〜。そして歌詞の跳ねる感じも好きだ。
ほんとは ゆっび さっき フれっる たっび
なっい しょっで ドッキ ドッキ し て る よ
ここね。文字起こしすると意味不明なんだけどこんな感じで歌っているんですよ。ここの躍動感が素晴らしい、とても。そしてここの歌詞、二期の6話をそのまま引用しててグッとくる。無邪気にギー太を溺愛しているように見える唯の中にも葛藤や緊張があって、でもそれこそ愛そのものである、的な。
・Drumming Shining My Life(ライブイベント ~Come with Me!!~Ver.)
律っちゃんの二期キャラソンのライブ版。律っちゃんらしくパワフル。ライブ版にしたのは声優の佐藤聡美氏のアドリブが素晴らしいので。二番の歌い方とか、ソロパートの煽りとか、まさに律っちゃんがそこにいて歌っているように感じられる。
・NO, Thank You!!
やっぱり良いよね、終わりに向かう感じが。言うまでもなく名曲。
少し切なさを感じるイントロに対して、AメロBメロはどちらかというと力強く自分達の存在を言及していて、でもサビでは寂しさが爆発する… ちょっと書きながら自分でも何言ってるかよく分からなくなってしまったんですが、そうなんですよ。唯達の高校生活は終わりに近づいていて、その寂しさを感じずにはいられない。だから、思い出も約束もいらない。私たちは今しか生きられないんだ。つまり、そういうことです。
Bメロのギター、めっちゃ好きです。
・Unmei♪wa♪Endless!
映画けいおん!のテーマ曲。いつものけいおん!を感じる一曲。元気出る。
・いちごパフェが止まらない
明るく元気いっぱい。放課後ティータイムⅡはアルバムとしても素晴らしいなと思う。そんな素晴らしいアルバムの一曲目。アルバムの幕開けとして相応しい、力強くもポップでまさに放課後ティータイムといった感じ。
・Genius…!?
二期OP、GO!GO!MANIACのカップリング。割とシックでベーシックなロック。イントロとか超カッコいい。キーボードソロからギターソロの流れもまた最高。けいおん!の楽曲でキラキラで複雑なのが特徴とされているけど、こういうシンプルで良い曲もあるんだよという思い。
・Utauyo!!MIRACLE
言うまでもなく、素晴らしい楽曲。大好きをありがとう。
・カレーのちライス
なんだか最近ハマってる。心地よい。曲とは関係ないけどこのアートワークの5人可愛すぎませんか?
・私は私の道を行く
中野梓の常識人な様で生意気で、しかしまっすぐな所を描いた一曲。タイトル込みで好きです。メル友という今では死語になってしまった言葉が出てくるのも良い。
他にも好きな曲はたくさんあるけど全部書いていたらキリがないから一旦この辺りで。やっぱり私、けいおん!大好きだな。大好き以外の言葉じゃ表現出来ないくらいには、好きだな。見たことのない方、よろしければぜひ。本当に好きすぎてあまり他人に勧めない(パッと見ただ可愛いだけのアニメだから)。でも、限りのある時間の中で気の置けない仲間と過ごす何気ない一瞬って、本当に素晴らしいもので、けいおん!という作品はそのことを丁寧に丁寧に描写している。終わりがあるからこそ今が美しい。永遠じゃないからこそ世界は輝く。そういう事実が好きな人はぜひ見てほしい。…勧め方として正しいかは全く分からないけど。
あとは歌って面白いなと思った。コミュニケーションの手段である言葉を音程とリズムに乗せることで、効力を何倍にもする。これを思いついた原始の人間、凄い。
というわけで時々来る超オタク時間でした。冒頭にハルヒについて書いていたのが遠い昔のように感じられる。では、また。