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米作りにAIとWeb3(ブロックチェーン)を活用してみる

米作りにて農業資材の高騰、人手不足、加えて猛暑。
早朝から気温が高い為、薬剤散布作業は服装も長袖の上着、ゴム手、帽子等で通気性の良くないものばかり。
少しでも農作業効率を上げ、農業資材の使用量抑制、作業負担軽減を目的に、AIを活用を試みる。

1.圃場内の不具合箇所抽出

圃場内の生育異常の抽出を行う
この抽出作業は圃場の空撮を行い、動画作成から行う。
今回使用したドローン(機体)は、DJI社 Mavic Air2にて、4K/30fpsの動画を撮影する。
機体の条件は特になく、4K動画作成と撮影場所の位置情報(緯度、経度)が取得できれば良い。
空撮に関しては、ドローンの自動操縦を行う為、Litchi(ライチ)というアプリケーションを使用した。
自動操縦のメリットは、同じ飛行ルートを飛ばせる為、撮影時期を変更する事により、育成記録としても活用できる。
今回対象となる圃場は、ササニシキを作成している田んぼで、広さは約2反をなる。
空撮を実施する際の設定情報は以下の通り。
設定値については正解値ではないが、圃場の条件(風速等)により変更するのも良いが、これまでの経験上でこの設定値が、後の動画加工のしやすさで流用している。
・高度 5m
・飛行速度 1m/s (3.6km/h)
・飛行時間 8分
・飛行距離 370m

撮影ルートと条件設定

2.不具合の学習

今回使用したAIはGPT-4oを使用しました。前モデルよりも大幅にな性能アップ、「テキスト」「画像」「音声」の組み合わせの統合処理が可能な事から使用しています。
GPTには稲や品種情報、生育情報、様々な情報を学習させて行きます。

稲作に関する情報学習

学習情報には生育不良(エラー)画像も学習させて行きます。
この作業は撮影画像から生育不良のある場合は、その都度学習をさせて行きます。

エラー画像の学習


空撮動画からの不具合画像 イネドロオイムシ抽出

3.不具合箇所の抽出

ある程度学習が進んだら、不具合箇所とその位置情報を取得する。
撮影動画をGPTに読み込ませ、不具合画像の抽出と、抽出した際の位置情報を生成するプロンプトを設定。
内容は以下の通り。

「このいもち病の特徴を、このあと登録する動画からいもち病を抽出し、動画内に記録されたGPSの緯度経度情報をCSVファイルに記録して下さい。フォーマットは日付、時間、緯度、経度で作成する事。」

GPT指示プロンプト



撮影時の位置、撮影カメラ情報


GPTとの会話内容

4.薬剤散布準備と散布実行

今回薬剤散布を行う機体は、DJI Agras MG‐1 自動航行システムを使用。
最新機体ではないですが、使いやすさと操作の慣れから今も使用しています。空撮から取得した生育不良個所の位置情報をドローンに設定、ピンポイントで圃場のメンテナンスを行います。
通常であれば、約2反の圃場への薬剤散布は、時間にして2~3時間かかる所ですが、ドローンによる散布は10分程度で完了します。作業効率は大幅に向上しますが、それより暑い時期での通気性の良くない服装で、時間短縮されるのが、何より助かります。

散布用機体

5.薬剤散布のエビデンストークン発行

薬剤を散布する際は、頒布日時と位置情報、散布薬剤名と散布量をトークン化しブロックチェーンに書き込みます。使用するブロックチェーンは、日本国産のASTAR Networkを活用。ソブリンクラウドが進む中、ストレージを含むデータ保存は日本国内に留めておきたい所です。

https://astar.network/ja

6.次の試み

お米以外の作物や、休耕地の調査などAI+空撮+Web3で試行を行います。


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