東京秋川渓流釣り場案内 第二回「秋川支流編-その1」
東京都心からもっとも近くで本格渓流釣りが愉しめる秋川。多摩川の最大支流である秋川は東京都檜原村の山々から流れを集め、あきる野市を東へ流れたのち昭島市付近で多摩川へと合流する。
秋川の魅力はなんといっても東京都心から近くJR武蔵五日市駅から電車やバスを利用しての釣行が可能だということにある。そして人情味あふれる里山を縫うようにしてつづく流れの中には美しいヤマメやイワナが逞しく泳いでおり、我々渓流釣り師を楽しませてくれるのである。
さて、前回の秋川本流編では、秋川が本格渓流釣り場の渓相美となる沢戸橋上流から南秋川とその名を変える檜原村役場下までを紹介した。魚の多い場所や大物の実績ポイント、さらには遡行困難な難所なども記載し秋川本流を釣行する際に役立つ内容となっている。
今回の秋川支流編では本流編で紹介した区間内(沢戸橋〜橘橋)で合流するいくつかある有力支流のうち最も釣果の期待できる1本に的を絞り釣行記録した。魚の大きさや釣行の過酷さに注目が集まる昨今では取り上げられることの少ない東京里山の釣り場案内である。綺麗な沢の水と森の緑に囲まれながらの静かな釣りが好き、けれどあまり遠くや危険の多いところへは行かれないという方にオススメできる釣り場である。尚、秋川水系には禁漁区に指定されている支流があるので間違えて入渓しないように注意する。
読者の皆様に願うことは、上流域の魚はリリースをお願いしたいということである。もちろん強制をするわけではないのだが、餌釣りは鉤ごと飲み込んでしまう恐れも多いので上流域の細流では「ちょうちん毛鉤」釣りで楽しんでいただけたらと思う。ルアーの3本鉤で引きづり上げたときの小さなヤマメのダメージを想像してみて欲しい。元気な状態でリリースするためにはバーブレスフック、シングルフックの使用が好ましいということは筆者の変わらぬ考えである。釣りは難しければ難しいほどに面白くなり、どのような道具を用いて、どのような釣り方で釣ったのかを愉しみたい。自分の中での一匹に対する満足感が格段に上がるはずである。
前回の「秋川本流編」同様に、掲載している地図と写真を参照しながら読み進めていただくと釣れるポイントや要所などの全貌が分かる内容になっているので、釣行の際に参考にしていただけたらと思う。こうした釣り場案内に対して、情報の量、信憑性、秘匿性について様々な意見がある。筆者の考えとしては、自分の足で実際に釣行取材を行い、その川の実際の姿を記述することを第一に考えており、そうでなければいけないと考えている。そしてビギナーさんや渓流釣りに興味をもっている方の参考になれたらと思う。尚、ロープや登山道具を使用する等の高度な遡行技術を要する場所は危険であることから未掲載にしている。注意していただきたいのは、ロープの携帯は必要ないと推奨しているのではないということで、安全に遡行しようと考えれば常に道具を携帯しておくことも必要なのである。
まずはこちらの動画で釣り場の全体像をご覧いただきたい。筆者が実際に釣行取材し記録した内容で「釣りしている様子」だけではなく「釣り場の様子」にも重点を置いて編集しているのでどんな釣り場なのかイメージを掴んでいただきたい。
ぜひ東京秋川であなたの釣り物語を。
動画↓(収録時間約11分)
東京秋川渓流釣り場案内 第二回「秋川支流編-その1」
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