プロジェクトの概要
この記事では当プロジェクトの沿革を通して私たちが目指していることをお伝えしまーす!
■プロジェクト沿革
2024年
3月 顔合わせ @東京都内
4月 岩室AIRプロジェクト実行委員会 設立
定期的なオンラインミーティングの開始(~現在)
5月 プレ滞在の実施 @岩室温泉・ともや
7月 アーツカウンシル新潟((公財)新潟市芸術文化振興財団)令和6(2024)年度「文化芸術活動に関する支援事業」 申請
8月 岩室AIRプロジェクトPRE 採択
9月 岩室AIRプロジェクト2024 始動
■プロジェクト発足の経緯
・岩室温泉地域の芸術的背景と課題
岩室温泉は開湯300年ほどの歴史ある温泉地で、弥彦神社への参拝者をはじめとする、北国街道を往来する人々の宿場町として形成されてきました。
当地域は、2002年からコロナ以前まで、武蔵野美術大学と協働し、アート×観光・まちづくりをテーマに、アートサイト事業を行ってきました。この事業によって、岩室地域には美術学生たちの作品が残されるとともに、学生やアートを積極的に受け入れる寛容な土壌が生み出されました。
しかし、アートサイト事業終了後は、わらアートまつりを除いて、再び岩室を訪れる学生は殆どいなくなってしまいました。飲食店のおかみさんの話では、当初は学生たちが毎晩の様にお店に集まってきて、とても活気があったが、事業が終了すると、ぱったり学生たちが訪れることはなくなってしまったといいます。また、自治会の方の話によると、今ではすっかり若い人が道を歩かなくなったそうです。学生や若い人が地域を歩いているだけでも地域住民は活気があって嬉しいとおっしゃる方もいました。
・来訪者側の視点に立って「継続性」を考える
他方で、来訪者側の視点からみても、継続して地域と関わることに困難さがあるように思います。外部から来て活動する人と地域住民とが、単に“仕事上”や“ミッション達成”の関係に囚われてしまうと、持続的な関係を築くことが難しくなります。
これまで学生や観光客、アーティストなど多様な人々が岩室温泉を訪れました。しかし、観光・仕事を目的として地域と関わることはあっても、「生活者」として関われる環境がありませんでした。
そこで、地域を「みんなの故郷」として、来訪者と地域住民とが「生活者」として同じ目線に立って関わる場にすることが必要だと考えました。言い換えれば、地域を「つかう」だけではなく、「つながる」ことが重要だということです。
地域が抱える葛藤や歴史に触れることで、はじめて地域住民と対等で温かなつながりを持つことができるのではないでしょうか。同時に、「お客様」や「アーティスト」としてではなく、たとえ短期的な滞在であっても、離れたところにいても、地域を想い、感じることができるでしょう。
・本事業の目的
岩室AIRプロジェクトはアーティストと地域住民との「一過性ではない継続的な関係性の構築」、及び地域環境の創造を目的としています。
具体的には、滞在型の岩室AIRを通して、アーティストが生活者として岩室温泉地域に関われる余地をもたらし、アーティスト自身と住民・地域が直接に関係を取り結ぶことを狙います。
そうすることで、地域とアーティストの持続可能な関係性を築き、地域社会に新たな価値が生まれることを目指しています。
いかがだったでしょうか?目的や経緯はこれからも立ち返って更新していくと思いますが、その都度書いていきます!この記事で少しでも私たちの活動や構想を知っていただければ幸いです!
201013 宮将太