寒おこし日記|1日目(宮本)
はじめまして。
「そこに居るために」というプロジェクトのメンバーで、ダンサーの宮本悠加と申します。
岩室AIRに参加します
この度わたしたち「そこに居るために」が『岩室AIRプロジェクト』にご採択いただき、新潟県の岩室温泉地域でレジデンスをさせていただけることになりました。
実行委員会の「岩室シェアハウスともや×ミヤ+」のみなさまによる(名前に×と+が入ってておしゃれだ)、地域との継続的なつながりを目的として昨年立ち上げられたプロジェクトです。
今回は「そこに居るために」メンバーの三浦と宮本が滞在します。
「岩室シェアハウスともや」さんは今回の我々の活動拠点としてもお世話になります。
そしてなんと、すでに滞在がスタートしています。
これからはわたしたちの滞在の記録を、テキストや写真、映像を交えながら更新していきます。
自己紹介
そこに居るために
ダンサーの宮本悠加と演出家の三浦雨林が「そもそも、その場に人間が居るってどういうこと?」という大前提から舞台芸術を考えるための寄り合い。2020年から活動し、今までに兵庫県 豊岡市、宮城県 石巻市、静岡県 河津町などでのリサーチを行う。また、東京都内でのワークショップも実施。 HP / Instagram / X
宮本悠加
1994年、宮城県生まれ
ダンサー
日本大学 芸術学部 演劇学科 卒業
ダンスパフォーマンスグループふりだしにもどる(主宰)
そこに居るために(メンバー)
ダンス、演劇、映像、インスタレーションなど、多様なジャンルの作品に出演。近年の出演作に、隣屋『あるいはニコライ、新しくてぬるぬるした屍骸』、ゲッコーパレード『ファウスト』、架空カンパニーあしもと『文化(分化)を覗く』など。
HP / Instagram / X
三浦雨林
1994年、北海道生まれ
演出家、劇作家、写真家
日本大学大学院 芸術学研究科 舞台芸術専攻 修了
隣屋(主宰)、青年団(演出部)、そこに居るために(メンバー)
芥川龍之介の小説や、レフ・トルストイの戯曲など既存の作品を原案に、文字としての言葉と発話される言葉の差異を際立たせる手法で劇作・演出を行う。2020年以降、映像・美術を中心とするインスタレーションの手法も用いた演劇作品を発表している。
HP / Instagram / X
寒おこし
今回、わたしたちのレジデンスに『寒おこし』というタイトルをつけました。
寒おこしとは、冬の寒い時期に土壌改良の一環で畑の土を耕すこと。
「居ること」がどんな作品づくりにつながるか、どんな芽を出せるかを探す滞在になる予定です。
期間中にはワークショップの実施や公開アトリエ、お茶会なども実施します。
楽しみっ。
1日目
朝8時に起床。前日の夜は仕事のあとに荷造りをたら…たら…としていたらすっかり遅くなってしまった。
9時に東京の自宅を出発し、東京駅で雨林と合流。
駅弁を買って上越新幹線に乗車。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であり、客室の窓から見える世界のすべてが真っ白で、結露で窓も曇り、何も見えなくなった。
この日は最強寒波が到来し、これを書いている今(9日15時)も雪が降り続けている。
ふたりで「こんなはずでは…」とか言いながら、昼過ぎに燕三条駅に到着。この天気でも少しの遅延もなかった。
新潟県燕市(つばめし)は金属洋食器の出荷率が全国の90%以上を占めるらしい。凄まじい。
今年初めて雪に触った。
年末年始は地元の宮城に帰省していたけど、雪は一切降らなかったので。
今回の活動拠点となる「シェアハウスともや」を運営されている宮将太さん、佐々木かんなさんが駅までお迎えに来てくださり、ここからは車で移動。
途中でラ・ムーというすばらしいスーパーに寄り、食糧を調達。
店内の広さと品揃えの豊富さ、そして安さに一盛り上がりが起きる。コストコサイズの袋パンなどを買う。
シェアハウスに到着し、お家の中をぐるっとご紹介いただいたあと、4人と1匹でお茶休憩。なんとこのお家、お猫さんがいます。
住人のタビさん。いつもあたたかい場所にいてくれてありがたい。
さっそく温泉に入りたくて、ともやから車で5分ほどの場所にある「だいろの湯」へ連れて行っていただいた。
入り口の脇に飲泉場がある。
人生初の飲泉を果たす。胃腸や肝臓などにいいらしい。
飲むと、卵の幻影が浮かんだ。温泉卵はほぼ温泉だったのだとわかった。
不味くはないけど、なんだかあんまり飲んじゃいけないような気分になる味と飲み心地だった。お猪口一杯くらいで充分かも。
これからこれに浸かるのだ…
入浴。最高でした。
体がゆっくりと温まっていくのを感じた。お湯の香りにもほっとする。
温泉はやっぱり浸かる方が好きかも。飲むより。
お湯に浸かりながら何気なく時計を見ると1時間が経とうとしていてびっくりした。体の温まるスピードとこの世に流れる時間とのギャップを感じる。
移動の疲れとあと昨日寝違えてちょっと痛めてる首を癒すことに成功する。
ちょうどスタンプラリーが開催中。
次はどの温泉に行けるかな。
見て!
見てくれてありがとう。
今夜はこちらをいただきます。
以下、パーティーの様子をご覧ください。
以上です。
すべてが美味しかった。これはすごいことですよ。
たいへん贅沢な夜でした。
「居る」のことや「ともや」のこと、みなさんそれぞれがどうしてここにいるのか、といったことを話しているうちに気づけば人が増え、ついには
電波の届かない山道で脱輪した軽トラの救出作業をしていました。
こんなこともあるんですね。
1日目から濃密な体験をさせていただきました。
明日からも期待が持てます。
朝からこんなに活動したのにあまり疲れを感じていないことが不思議だなと思っていたけど、今思うと入浴の効果かもしれない。
深夜2時就寝。
滞在1日目の日記でした。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
今後もあらゆる方法で滞在の記録を残していきますので、思い出した時にはぜひ覗きに来てください。
更新の際には岩室AIRの公式SNSでもお知らせがありますので、そちらもぜひチェックしてみてください。
終わりに、ブレーカーが落ちた部屋で餃子を包む雨林をはっておきましょう。
それではまた。
宮本