「みえない+みえる=∞ みんなで美術作品を鑑賞しよう vol.3」
見える人と見えない人が一緒に美術鑑賞をするイベント「みえない+みえる=∞」に参加。いつもはリアルでやってるらしいのだけれど、コロナのおかげで宮崎から参加できたラッキー。
「空ってどんな色ですか?」
「全体的に黄色ですね。普通じゃない感じで違和感〜」
「かざぐるまは回ってますか?音は鳴ってそう?」
「うーん、100くらいあるからカラカカラカラって割と大きい音かも」
見えない方からの質問に答えたり、感想を共有していく。
この、状況や気持ちを「言葉」に置き換える作業は、昔東京で体験した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と一緒だ。日頃、自分が「視覚」にどれだけ頼ってるか(が故に言語化や観察をさぼってるか)をひしひしと感じる体験。
でもいったん共有イメージが持ててしまえば、あとは個人の視点に返っていく。
「ぼく小学校の先生を目指してて、子どもならどう鑑賞するかなと考えてたんですけど…」
「子どもがブランコの順番待ちをする時に並ぶのが、ちょうど作者がいる場所なんですよね…」
「建築の仕事してるのもあってわかるんだけど、この木の形は落葉樹で…」
「この男の人、絶望してるように見えます」
「えっ!私は鳥とたわむれてるのかと思った〜」
「この作品、影がないから不思議な雰囲気が出てるのかも〜」
「なるほどー!」
「影ってどんなものだろう?言葉でしか知らないんですよね〜」
「えっと、影っていうのは〜」
いろいろな視点の宝庫。
終始ワイワイした、楽しい2時間半でした。
書いてて思ったけど、見えない方にとっての美術鑑賞は読書みたいなものなのかな。言葉を変換して像を結ぶのかな。あれ?でも生まれつき見えないのか、途中からかでも違うよなー。聞いてみたらよかった。
「このイベントはいつもモヤモヤで終わるんですよ〜」
スタッフさん達は笑っていたが、なんかこう、いいモヤモヤを頂いた感じだ。
「物事をいろんな視点で」とか「五感をフルに使って」って、簡単に言うけど超ー難しい。でもそれを体験できる取り組みはたくさん転がっている。今回はキャッチできてよかった。
作品自体も色味とか好きな感じだったのでリアル展示も観にいきたい…隣の大分か…
■生誕110年記念 糸園和三郎展~魂の祈り、沈黙のメッセージ~
9月18日(土)~10月31日(日)
https://www.opam.jp/exhibitions/detail/694
大分県立美術館(OPAM)
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