笑ってさよなら2021。
振り返ると今年も色々なことがあったが、2021年を象徴する出来事を一つ挙げるとしたら、見取り図と出会えたこと。
彼らを好きになっていなければ、まるっきり別物の1年になっていたと思う。
見取り図を知ったのは、M-1グランプリ2020の決勝戦。
小学生の頃はお笑いにどっぷりハマっていたが、高校生になって以降はほぼ全く関心がなかった。
第七世代という言葉を耳にするくらいで、そもそもバラエティ番組をほとんど観ない状態だった。
2020年12月、実家以外で初めて過ごす冬が始まっていた。
一人ぼっちで寂しい気持ちを紛らわせたいのもあり、数年ぶりにM-1を真剣に観た。
そこで、見取り図のネタを初めて観た。
正直、当時は「オズワルド好きだなー」と思っていたくらい。
見取り図も普通に面白くは感じていたけど。
結局マヂラブが優勝して「なるほどな」と思いつつ、年を越した。
2021年の初めに就職するも、2ヶ月ほどで退職。
再び転職活動に明け暮れる日々。
笑い方が分からなくなっていた。
面接での愛想笑いが精一杯。
果てしなく心が憔悴していた。
テレビをつけると、見覚えのある名前のお笑いコンビが出ていた。
「見取り図…M-1に出てた人か…」
何となくYouTubeで漫才の動画を観てみる。
めちゃくちゃ面白い。
YouTubeチャンネルもやっているようだった。
"見取り図ディスカバリーチャンネル"。
(以下、MDC)
適当に一本観てみる。
とても下品で面白い。死ぬほど笑えた。
口角の上げ方、笑い声の出し方を完璧に思い出した。
それを皮切りに、お笑いへの興味が湧いてくる。
時々目にしていた有吉の壁を、毎週楽しみに観るようになった。
壁芸人(番組に出演する芸人のこと)みんなを好きになったし、壁のために水曜日は定時で退勤、自宅にガンダで帰るようになった。
毎週欠かさず観たいバラエティがある状態なんて、人生で初めてかもしれない…。
しばらくして、見取り図と他の芸人が出ているトークライブを配信で視聴した。
その中にいた空気階段というコンビが気になった。
「あ、よく壁に出てる人だ…」
さっそくネタを見てみる。面白い。
一瞬で大好きになった。
空気階段はどうやらラジオもやっているらしかった。
ラジオはTokyoFM、J-WAVEしかほぼ聴かない。
初めてTBSラジオの放送を聴いてみる。
"空気階段の踊り場"。
2人の声と喋りがよい。
一人でゲラゲラ笑いながら聴いた。
6月、部屋を引き払い、実家に戻ってきた。
見取り図の漫才をどうしても生で観たくなっていた。
意を決して、ルミネtheよしもとの公演を予約してみる。
ルミネにお笑いを観に行くのは小学生以来だ。
見取り図、ジャルジャル、ハイキングウォーキング、アインシュタイン、ミキ、、
個人的に強すぎるメンツ。
(アインシュタインは新幹線が止まった影響で出演キャンセルに)
見取り図の出番は、緊張のあまり記憶が曖昧だが、ひたすら感動した。
おかしくなるくらい笑った1日だった。
7月の"見取り図寄席"にも行くことにした。
最高に笑った。
豪華な出演陣だが、なかでもランジャタイが楽しみだった。
有吉の壁に出ているのを見て、変なコンビ名だなと思い、検索。
それ以来、地味にハマっていたコンビ。
見取り図寄席以降、過去のYouTubeの配信動画も見漁り、人柄込みでどんどん好きになっていった。
見取り図の単独ライブを配信で観たり、YouTubeチャンネルの個展に行ったりもした。
"見取り図ディスカバリーチャンネル展"。
やはりMDCは、私が見取り図を好きになった原点とも言えるコンテンツ。
吹き出しそうになるのを堪えながら、一人でニヤニヤと展示を観て回った。
胸が熱くなった。
10月、キングオブコントで空気階段が優勝。
優勝の瞬間は、新参者ながら涙が止まらなかった。
チャンピオンになってからはテレビ出演も増え、冠番組も始まった。
毎週の楽しみがさらに増えた。
年の瀬に向けて、M-1グランプリが始まる。
「やっていたから見る」程度だった昨年とは打って変わり、今年は私も臨戦態勢だ。
好きな芸人が増えすぎて、みんなに決勝まで行ってほしくて、胃が痛くなった。
だけどやっぱり見取り図に優勝してほしかった。
(ランジャタイは決勝まで行って、会場を変な空気にしてほしかった。)
決勝進出者発表の時は、緊張のあまり身体が震えていた。
ランジャタイは決勝へ。
見取り図の名前は呼ばれなかった。
踊り出しそうなほど嬉しい気持ちと、予想もしていなかった悲劇に直面したショックで、思考がフリーズした。
決勝戦・敗者復活戦当日は、昼頃に仕事を終えて光速で帰宅し、テレビの前に陣取った。
最初から最後まで、1秒も逃さずに見た。
錦鯉が優勝した。
感動。号泣。自室で一人、嗚咽した。
昨年のパチンコのネタも好きだったし、壁芸人だし、おじさんだし。(?)
あの優勝の瞬間を見て何も感じない人がいるとしたら、人間じゃねえわ…と思ったり。
ランジャタイは彼ららしくネタをやり切り、色々な意味で会場をざわつかせていた。
爪痕をしっかり残していた。
来年はラストイヤーなので頑張ってほしい。
敗者復活戦からはハライチが進出。
見取り図は4位だった。
M-1が終わってすぐ、MDCに新着動画が投稿された。
盛山氏によれば、重圧から解放された爽快感があるらしい。
来年がラストイヤーだが、もう今年で終わりにしてしまうのではないかと思わせる口ぶり。
猛省した。
私自身、決勝に見取り図がいないなんて信じられなかったし、きっと敗者復活戦を通過すると信じていた。
多少なりとも重圧の一部になってしまっていたかもしれない。自惚れだけど。
賞レースひとつで、こんなに色々な感情を抱くことになるとは思わなかった。
見取り図を好きになっていなければ、ありえない未来だった。
そう考えると本当に、感謝とお疲れ様の気持ち。
2人に出会えてよかった。
クリスマスの季節。
しばらく前に、「日本酒がうまい!」推進委員会と見取り図のコラボキャンペーンに応募していたのだが、その景品が届いた。
日本酒セットとサイン色紙。
思いがけず、イブにクリスマスプレゼントを頂いてしまった。
美味しく頂いております。ありがたい。
色々なことがあった。
たくさん笑ったけど、しんどいこともたくさんあった一年。
(年内最後の出勤でクレーマー客に遭遇し、未だに傷心しているところ。)
けど、お笑いと音楽のおかげで何とか持ち堪えられた。
お笑い熱は一過性のものかもしれないし、来年はさらに時間的余裕がなくなるので、音楽で手一杯になってしまうかもしれない。
それでも、今年一年を生きながらえたのはお笑いのおかげ。
扉を開いてくれた見取り図のおかげ。
心から感謝。
2022年1月はルミネに見取り図を、3月は郡山にランジャタイを観に行く。
2月から始まる空気階段の単独ツアーは、先行の段階では外れてしまった…。
また一般で頑張ろう。
そのような一年でした。
笑い方を忘れてしまった方は、お笑いで物理的に口角を上げてみてはいかがでしょうか。