【イベントレポート】第一回 #すきは無敵だ 探究ダイアログ
こんにちは。ソーシャルアクションプロジェクト「#すきは無敵だ」の運営をしております、岩本翔弥です。
本日は、2月2日(火)に開催した第1回「#すきは無敵だ 探究ダイアログ」について、レポートしてまいります!
<「#すきは無敵だ 探究ダイアログ」とは?>
「#すきは無敵だ 探究ダイアログ」とは、すべての好きを好きでいれる、そんな世の中にしていくためのプロジェクト「#すきは無敵だ」から生まれた、「好き」を軸にした探究の場です。
今回は、好きを仕事にすることについて、好きを仕事にしている2名のフリーランスを招いて、好きを仕事にすることについて探究しました。
<登壇者紹介>
【河野 涼】
Creative Production "hyogen" Founder
1991年生まれ。株式会社オプト所属後、カメラマンやアートディレクターとして活動し、creative production "hyogen" を創設。
写真、映像の制作~コンセプト設計や
コピーライティング、デザインなどを全般的に手掛ける。
伝統工芸が専門領域で、日本のモノづくりの素晴らしさを伝えるメディア
JapanMadeの編集長も務める。
Twitter:@ryoxxx71
【長田 涼】
コミュニティフリーランス
1991年京都府生まれ。スポーツ大学を卒業後、ユニクロ→スポーツイベント会社→IT企業を経て、2018年にコミュニティフリーランスとして独立。これからの働くを考えるオンラインサロン「Wasei Salon」、コミュニティの本質を学ぶ「コミュニティの教室」、コミュニティ型まちづくりプロジェクト「つなげる30人」など、複数の企業でコミュニティマネージャー・アドバイザーとしてコミュニティ事業に携わっている。好きなものは銭湯とスポーツ。
Twitter:@SsfRn
【高橋 奎】
Community Company NO WALLs, Inc CEO Founder / #すきは無敵だ Founder / Heart Share Action Founder
1995年12月13日生まれ。社会的意義をベースとした行動変容を促すことをテーマとして、「社会的文脈を持つビジョン設計。コミュニティ構築、PR企画」を行う。
横浜国立大学在学時に認定NPO法人カタリバにて活動。学生ボランティアや長期インターンチームのコミュニティ形成、ボランティアのコミュニケーション設計やファシリテーション研修、新規事業「教育旅行」の立ち上げ、教育委員会とのプログラムリーダーなど、幅広い領域を担当。その後人事コンサルティング会社であるSTARMINE, Inc.にて人材領域の課題に根ざしたコミュニティづくりや人事コンサルタントとして従事。その後独立。
ビジョンコミュニティクリエイターとして、「ビジョンあるコミュニティ創り」をテーマし、コミュニティづくりを通した生態系づくり、高校生のキャリア学習プログラムや、シェアハウス運営、ソーシャルアクションを行う。「人が集い」「関係性を創り」「広がっていく」循環づくりから、未来の希望を生み出す活動を実行中。
Twiiter:@_keitakahashi_
<そもそも好きを仕事にした方がいいの?>
高橋:今回はまずそもそも好きを仕事にした方がいいの?という結構大きな問いから始めたいと思うのですが、まず長田さんはどうですか?
長田:こう言っちゃうのは良くないと思うんですけど、人によるなと思っています。個人的には、好きを仕事にした方がいいとは思っていますが、それはあくまで僕の価値観に基づいた判断でしかないと思っているので、絶対にいいとは言いたくないと思っています。
なので、「自分は果たして好きを仕事にした方がいいのか?」という問いを考えた上で、好きを仕事をすることが大事だと思いますね。
河野:そうですね、好きを仕事にした方がいいとは言わないけど、好きを仕事にできるといいとは個人的に思うのが一つです。あとは好きにもいろいろな種類があると思うので、仕事にできそうな「好き」を仕事にするといいと思います。
どうしてかというと、よほどのことがない限り、基本的に多くの人が仕事というものはこれから先、何十年もしていく行為で、それが嫌いなことだと厳しいと思うので、好きを仕事にできればいいとは思っています。
<鍵は「好き」の解像度を上げること>
高橋:話を聞いてて、「好きを仕事にする」の「好き」が何かっていうのがすごい大事だなと思いました。コスメが好きだから化粧品会社に入社する「好き」もあるし、人の感動に寄り添うことが好きだからブライダル業界に行く「好き」もあるじゃないですか。
例えば、私はサッカーが好きですが、そのサッカーチームを大きくすることにはあまりやる気を感じないんですよ。それより本当に好きなのは、人が熱狂できるような場を作ることだったり、共感できる人との関係性を作ることに興味があるんですよ。なのでここの解像度はとても大切ですね。
長田:解像度大切ですね。私はもともとスポーツが好きで、大学でスポーツの勉強していたんですけど、いざスポーツの業界に入ってみると自分の解像度の甘さに、違和感を覚えた経験があります。
スポーツの仕事と言っても幅広くて、私はその中のイベントという手段を選んでイベント会社に行き、私の場合はプロスポーツの仕事に関わってたんですけど、お客さんとの距離が遠くて、いまいちやりがいを感じませんでした。それより一番楽しかったのは小学生のフットサルの全国大会の仕事だったんですよ。
どうしてかを考えたら、すごく距離が近かったんですよ。僕らが用意したフィールドで感情を目の当たりにできるし、そこで小学生は勝った負けたで、一喜一憂するんですよ。それがすごく楽しくて、そこでその辺の解像度すごく大切だなと思いましたね。
河野:今日の答えになるかもしれないですが、俺は結局続けることができることが一番価値があると思います。就活の時も、普通に遊んでいたサークルの同期がいきなり金融に興味持ち始めて、銀行員になった時に、「本当に好きなの?」とかは思ったし、自分にも「その仕事を毎日できるのか?」って問うようにはしてました。
つまり、仕事とか業界とか内容に対して毎日関与するっていうことがイメージできるかが、好きの解像度をあげるポイントだと思います。
<とりあえずやって確かめるしかない>
高橋:でも、ただ素直に「好き」に向き合うことも怖くないですか?例えば「お金をいくら稼ぎたいか?」とかキャリアを積み上げていかないといけないという邪念があると思ってて、その中で自分の好きを選択する怖さみたいなのを結構感じます。
それがいきなり金融に興味を持つ人の感情の一つだと思っていて、そこはどうやってみんなは向き合うべきなのかな?とは思いますね。
河野:基本やったことないことがほとんどだから、とりあえずやってみるっていう思い切りも大事だと思いますね。やる前から想像できないことの方がほとんどだから、やってみて違ったら、違う選択すればいいし、それをやったら辞めてはいけない呪縛とかもないし。
ただ、それが一か月とかの短期スパンで考えが変わるなら、もっと考えた方がいいとは思います。ある程度時間を決めて自分を実験することもあってもいいんじゃないかっていう風に思いますね。
長田:それは僕も同感で、してみたいと思ったことをいち早く経験するっていうことが一番大事な気がしますね。準備とか大変だとは思うけど、だったらまずはやってみることが大切だと思います。「意外と理想に持ったことって、そんなもんかで終わることがほとんどである」みたいな話も聞いたことがありますし。
チャレンジの機会はいっぱいあるから、一回やってみてどう感じて、どう判断したかを積み上げていくと、結果として自分に合った仕事に繋がるんじゃないかと思います。
<質問①:転職・独立迷ってます>
※後半は質問を交えながら好きをどうやったら仕事にできるのかを探求していきたいと思います。
高橋:「現在、会社を退職することに決めたんですけど、独立するか転職するか結構悩んでます。」という質問が来ていまして、話すことができるらしいのでお話を聞いてもよろしいですか?
参加者:こんばんは。これまで16年間クリエイティブの仕事をしてきて、周りからは独立すればいいじゃんって背中を押してくれるんですけど、これまでは会社が仕事を取って来てくれる安心感があって、そこから抜け出す勇気が湧かなくて…
確かに、やってみたい仕事ってどこの会社にもないし、「こういうことをやってみたいんですけど、そういう会社はないですか?」ってエージェントに聞いても、「いや、なかなかそういう会社はないですね」っていうお話になってしまうんですよ。
ただ好きとかやりたいっていうだけで、どうやってアプローチしていけばいいんだろうかとかを今いろいろ考えて、結局職務経歴書も書きつつ、やりたいことをノートに書き出しつつっていう感じで、本当に今悩んでいます。
高橋:ご質問ありがとうございます。ちなみにやってみたいこととか話せたりしますか?
参加者:はい。これまでは、商業の建築やインテリアのコーディネートに携わってきた仕事だったんですけど、今こういうご時世で、暮らし方、特に、個人的には”2拠点生活”みたいものに興味が強くなってきました。ただ、現在のそういったサービスは清潔感はあるものの、あまりモチベーションがあがるような空間じゃないなと感じるんですよ。
自分なら、空間をもっとパーソナルに合わしてデザインをしていきたいなと感じていて、「新しい暮らしの場を作ってみたい。」「そういうプロジェクトに関わってみたい。」と思ってます。
高橋:ありがとうございます。今の話を聞いて河野さんはどう思いましたか?
河野:先ほど、エージェントにやりたいことを話しても、なかなかそれをやれる会社ないって言われるとおっしゃってたんですけど、個人的にはそうだなと思っていて、独立とか転職を通して強く思ったのは、誰かが作った箱に自分がやりたいことが100%ハマることは絶対にないと思ったんですよ。
なので、80%は同じでも、違う20%があるので、そこにストレスに感じてしまうことも多いと思います。そこで、自分の場合は、そういう場所が無いなら自分で作ろうという決断に至りました。そうでなければ何かを絞る、例えば、エリアを絞るとかやれる範囲を絞ることによって、やりたいことを実現する可能性もあると思います。
参加者:ありがとうございます。もう一つあって、長田さんは独立してから仕事見つけられたってことだったんですけど、それってどういうアプローチをされていったんですか?
長田:ありがとうございます。僕の場合、独立するっていうのを決める前に、まず会社を辞めることを決めました。ただ、独立はしたことなかったので、最初は転職先を探していました。なので、僕も転職か独立かで迷っていました。
当時はコミュニティを仕事にしたいと思っていたので探していたのですが、2,3年前ってそういう仕事が全然なくて、結果独立を選びました。僕の出会いのきっかけは発信でしたね。転職を決めた瞬間に、noteに自分の思いなどを記事に書いて発信しました。すると予期せぬ出会いも増えて、独立して最初のお仕事はTwitterを通していただいた仕事でした。
発信は大きい、小さいなんでもいいんですけど、いったん声に出して人に伝えることが大事だと思っていて、その一言が意外な方向に転がることってたくさんあると思うんですよ。予期せぬいい出会いはたくさんあると思うので、その一歩目の種まきとして、しっかり可視化して声を届ける、想いを伝えることで、きっかけにつながるかもしれないです。
参加者:ありがとうございます!とても参考になります。ちなみにお仕事はどのように作っていけばいいかなどアドバイスあればお聞きしたいです。
高橋:話聞いてて思ったのは、僕はめちゃめちゃご縁で仕事してる感覚がありますね。もちろん一定の専門性とかスキルの話もあると思うんですけど、それ以上に価値観とかやっていきたいこととかを日々話しながら、巡り巡って紹介されて一緒にやりましょうみたいなケースが多いなと思ってます。
そういう機会が無いとしても、今は結構繋がれるツールってたくさんあると思っていて、そういうツールを使って、まずはアクションをしてみるのは結構面白いかなと思います。
質問者:みなさん、ありがとうございました!
<質問②:仕事にしたい”好き”を見つけたきっかけ>
高橋:もう一つチャットで質問が来ていて、「好きの中でも仕事にしたい好きを見つけたきっかけって、どのようなものがありますか?」というものが来てるんですけど、これについてはどう思いますか?
長田:過去の体験を振り返って、どんな時にワクワクしたか、夢中になっていたかなどを考えて、洗い出したことですね。そして、そこに実現可能性を掛け合わせて考えました。
社会人一年目の時に、会社員をしながら無償でコミュニティを立ち上げて運営をしていたのですが、そこでの体験でコミュニティの価値を感じ、自分自身も夢中になっていました。数年後、徐々にオンラインコミュニティの数も増えてきて、「コミュニティは今後仕事になりそうだ」と感じたのが大きなきっかけでしたね。
高橋:僕のきっかけの一つ目は、新卒一年目の会社で、お金を得る仕組みを知ったことですね。コンサルの会社で、企業さんに営業というよりは、人と話して、繋がりを作るところからはじめて、その中で商談になり、お金をいただいて、プロジェクトを作るということをやっていて、こうやって仕事って生まれるんだっていうのを肌感覚で体験できました。こうなった時に、自分の強み・やっていきたいことでどうやってお金を生むことができるかを考えることができました。
実際にお客さんに貢献するためのスキルは、学生時代活動していたNPOカタリバで身に付きました。そこでは、人々が共感しあったり、深く繋がれる場所をつくることをしていたのですが、それがとても楽しかったんですよ。また、どっぷり仕事をしていたことで、お客さんに提供できるスキルが身についていたこともよかったことですね。これが二つ目のきっかけです。
河野:俺のきっかけは、とりあえずいろいろやってみたっていうことですね。もともと自分で事業をしてみたいというのがあって、やりたいと言いながら営業を頑張っていました。ただ、いざ機会が巡ってきたときに、本当にやりたいことは何だろうかというのをすごく考えた結果、自分が興奮できるようなことをやりたいと思いました。じゃあどういう時かって考えて、もともと物事の背景を知ることが好きだったので、それを伝えれるようなことをやりたいなと。その過程で日本のモノづくりというテーマが一つ上がってきました。
それまで、Webの広告業界で最先端のものを追求していたんですけど、古いものを掘り起こすこと自体が新しいと気づいて、伝統工芸に出会い、ハマっていきました。
事業を進める中でクリエイティブを自分で作らなければならず、カメラを始めて、映像を撮るようになりました。発信していくと、そのクリエイティブを褒めてもらえる機会が増えていったんです。その時、昔から図工の時間のような何かを自分なりの表現にすることが好きだったことを思い出しました。
今までは成績がある中で、自分よりうまいひとがいるから諦めないといけないと、自分の表現にふたをしていました。しかし、表現の術を知り、映像という形で発信すると、それが認められ、褒められることがとても嬉しかったんです。そこでクリエイティブも好きなんだ、極めていこうと思えました。見つけ方は違いますが、JapanMadeという事業を通して、好きを見つけました。
<まとめ:どうやって私たちは好きを仕事にしていくのか>
高橋:最後になりますが、今回のまとめとして、「どうやって私たちは好きを仕事にしていくのか」という問いに対する暫定の解を考えたいと思います。
河野:「自分なりの好きの定義をする」と、「まずはやってみる」っていうのが、俺の答えですね。自分がその仕事をしてるイメージができるところまで好きの解像度をあげないといけないと思うし、そのためにはとりあえずやってみて確かめてみる思い切り感も大切だと思います。
長田:やってみるの言い方を変えて、僕は「スモールスタート(リスクない範囲でやること)」と「言語化して伝えること」ですね。この二つがあれば、いろんな出会いがあると思うし、気づけばそれを仕事にしているっていう状況もあると思うので、いったんそこはやってみるってところですね。
高橋:似てるんですけど、「好きって何だろうっていうのをちゃんと自分で考える」と「その上でとりあえずいろいろやってみる」です。これは先輩の言葉なんですけど、「成長って言葉使うのやめたら?」って言われたんですよ。それって他者評価の相対的な感じがして、それより変化し続けることを考えたらって、言われたんですよ。自分なりの興味範囲を広げたり、自分なりにできることを広げる上でも、まずは変化し続けることで見えてくる景色も変わるなと思います。
<さいごに>
これからも不定期ではありますが、好きについて考える対話の場を続けていこうと思います。clubhouseも駆使しながらできたらとも考えておりますので、ぜひやってほしいテーマなどあればお気軽に、高橋奎のTwitterやメッセンジャーにご連絡いただければ嬉しいです!