見出し画像

9/26 天神池に行った話

岩美町の一番奥、鳥取市との境の河合谷高原に
天神池という池がある。
かつての町長、吉田達夫さんという方が
執筆された
『ふるさとに立つ』という本によると
彼はこの天神池の水を町の名水として特産品にしようという構想をお持ちだったようだ。

行ってみましょうということになり職場の人と、池付近の草刈を時々請け負っているというご友人に案内していただけることになった。

町の中心部から約1時間。
山の方に向かって走る。両側には田畑が広がり
並んでた民家も次第にまばらになっていった。
市内側は舗装されているが、ほとんど通る車はなく熊が出るという山道に入っていく。
先日の豪雨で、一部崖側が崩れていた。
危険なので観光で訪れるのにはおすすめできない…。

河合谷高原はかつては人が訪れた観光地だったようだ。
案内してくださった方も、「学校の行事でキャンプに来たことがある。半世紀以上前の話だ」
と笑っていた。
確かに立派な山小屋があり、定期的に清掃をしているようだ。
牛が放牧されていたらしく、その牛たちも今は牛舎に戻されて見渡す限り青々とした牧草地が広がるばかりだった。

遠くには鳥取市内や湖山池、
岩美町が一望できた。
景色は最高なんだけどなぁ。
立ち入り禁止の先は土石流で道がふさがっていた。
管理者の許可をもらい、
あと数百メートルは徒歩で移動した。
天神池は実は人造湖で、町内を流れる二級河川の
蒲生川の源流になっている。
昨日雨が降ったので水は濁ってしまっていたが
普段は湖底が見えるほど、澄んでいるという。
よく見ると鯉が泳いでいた。

人造湖ということもあって、吉田達夫さんの
名水構想は厳しいだろうという話になった。
それでもそうとうお金をかけて整備したということはわかる。
志を継げなくてごめんよ、達夫さん…。

「地域にあるものに光を当て、輝く面を見つけて活かす地域おこし」
を目標にしているのだけれど、なかなか難しい。
岩美町はどうしても海側ばかりが注目されてしまって山の方にはなかなか訪れてもらえない。
車がないと移動が厳しいというのも観光客にとってはネックになる部分ではあると思う。
造っても、維持できなければ衰退していく。
持続可能な地域づくりが求められている。

岩美町の秘境、天神池。
今日の湖面は、澄んでいるだろうか。