【観光コラムKITENE~IWAKURA~】 日常に溶け込むアート。素晴らしき「絵タイル」の世界
1.はじめに
わたしは、愛知県岩倉市で観光まちづくり事業を企画・運営する「NPO法人いわくら観光振興会」で働いています。
岩倉市は、愛知県の北西部、西尾張地区にあります。市のほぼ中心を流れる五条川は「日本のさくら名所100選」に選ばれたお花見処で、毎年春の“岩倉桜まつり”が有名です。
五条川の桜並木のように、すでに観光地として認知されているような名所に行くことだけが観光ではないという考えから、日々まちの新しい観光資源を探しています。
今回のテーマ「絵タイル」です。
2. まるで絵画!日常に溶け込むアート「絵タイル」
「絵タイル」とは、
道しるべや環境整備の一環などで装飾品としてつけられた絵付けされたタイル。または公園や駅などの施設にある、色のついたタイルを集合させて表現された絵を総称したもの
です。
・・・いや、わたしが勝手に定義して「絵タイル」とよんでいます。(笑)
「絵タイル」の本来の意味・名称の使われ方としては、絵付けされたタイル自体を指す、または商品名や商品ジャンルに使用されるのが一般的のようです。
タイルは、太陽の光による変色や劣化を起こしにくく、水にも強いので、手入れが比較的簡単で長期間品質を保ちながら楽しめるという特徴があります。そのため、わたしの定義した「絵タイル」は、比較的どの地域にも存在します。そのまちの特色が反映されているデザインのものもあれば、市販されているタイルを使用し飾られているもの、また設置されている場所そのものに意味があるものもあり様々ですが、どれも気づけば身近にある、日常に溶け込むアートとして、親しみやすく愛すべき存在だと思います。
3.岩倉市で出会える「絵タイル」
そんなまちを彩る「絵タイル」は、岩倉市内にも数多く存在しています。その中から、まちの特色がデザインに採用されているものや目印として装飾されているものを中心に、わたしのおすすめ「絵タイル」を紹介します。
①八剱憩いの広場の「絵タイル」
川の流れを表現したのかな?さわやかな青と桜の花のデザインが美しいです。
②昭和橋
車道と歩道を仕切るポールに、五条川岸に咲く昔から親しまれている草花たちが描かれた「絵タイル」が使用されています。
③岩倉五条川 尾張自然歩道の「絵タイル」
100メートルごとの目安として尾張自然歩道の地面に装飾されています。四季折々の五条川の風景は、どの季節も美しくて見とれてしまうけれど、あえて目線を足元に落としてみると、タイルの中で桜が舞い、鯉が泳いでいます。
④神明生田神社の南側の歩道にある「絵タイル」
名鉄岩倉駅から五条川沿いまで抜ける時に使用されることも多い道です。もうすぐ“桜”や“鯉”が見える!というワクワク感でいっぱいになります。
⑤名鉄犬山線岩倉駅 西側の「絵タイル」
バスの停留所横のモザイク画は圧巻。
通路には、方角を示すタイル、桜、鯉のあしらわれたタイルがあります。
⑥名鉄犬山線岩倉駅 西側のお手洗いの「絵タイル」
単色のタイルを組み合わせて、まちの特産品である鯉のぼりを表現しています。
4.まとめ
今ご紹介したような「絵タイル」を見に“岩倉市に来て”と、「絵タイル」自体を観光資源にするのは、ちょっと難しいのかなとは思います。( いや、わたしはそれを目的に他市町に足を運べるタイプですが👀 。)
しかし、「絵タイル」から、市民に愛されているまちの象徴を知ることができますし、住んでいる人がそれぞれのまちに愛着を抱く、そんなきっかけの一つになるんじゃないかと思っています。
【 この記事を書いた人 】
木村 さや香 (Kimura Sayaka)
NPO法人いわくら観光振興会
人事教育長/イベント企画制作
1986年生まれ。岩倉市在住。1児の母。岩倉市PR大使い~わくんのアテンド"鯉のぼり恋子"としても活動。「観光資源は自分たちでつくることができる」をコンセプトに、市内の農家や商店、消費者をつなぐ企画を提案している。