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【プロ野球】沖縄で村中恭兵投手が話してくれたこと

なんとなくTwitterを眺めていたところ、嬉しいお知らせに遭遇しました。

【新入団選手のお知らせ】(栃木ゴールデンブレーブス)

昨年、琉球ブルーオーシャンズを退団した元東京ヤクルトスワローズ・村中恭兵投手の入団決定が球団公式ホームページにてリリースされました。

プレーできるチームを探すというお話はされていましたが、今年は栃木からNPB復帰を目指して行くようです。

その村中投手に10月、沖縄でいろいろなお話を聞かせていただいたのですが、今回はその時のお話を少しをご紹介させていただきます。

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10月26日。プロ野球ドラフト会議が行われた日、私はドラフト指名を待つ琉球ブルーオーシャンズの選手たちを取材するため、沖縄にいた。

大きな目標を掲げ、船出した新球団を襲った予想外の厄災。新型コロナウィルスという強烈な向かい風をまともに受けた1年目は、島外チームとの対外試合が行えなかったばかりか、2度の全体練習自粛など、数え上げたらキリがないほど、チームも選手ひとり一人にとってもその後の人生プラン変更を余儀なくされてしまった。

元東京ヤクルトスワローズ・村中恭兵投手に話を聞いたのは、ドラフト翌日の27日。2日前に33歳になったばかりの村中は「今年はいろんなことがあった1年になりました」と、沖縄での1年を振り返った。

腰の手術から復帰を目指した2019年オフ、東京ヤクルトスワローズから戦力外通告を受けた。しかし、徐々に自分の投球を取り戻しつつあると感じていた村中は、球団スタッフとしてチームに残れる可能性を捨て、現役続行を決断。11月のNPBトライアウトを経て、12月にはオーストラリアン・ベースボールリーグに参戦した。

琉球への入団は2月14日。転居などの手続きもあって、しっかり調整できない中でのチーム合流となったが、2週間後に行われた2月29日のオープニングゲーム、対巨人3軍戦で今季初登板。2回1失点という内容だった。

「オーストラリアから帰ってきて、体を動かす時間も場所もない中での合流だったのですが『(29日)に投げてくれ』と言われていたので、準備しました。でも2週間では仕上がらなかったですね。今考えると無茶しましたね」

NPBでもう一度勝負する。そのために選んだ新天地だったが4月6日に政府が緊急事態宣言を発令。チームも活動自粛を余儀なくされ、環境面でも、精神面でも難しい調整を強いられることとなった。

「(緊急事態宣言で)予定されていたNPBとの試合をやらないことは、早い段階でわかり、アピールする機会がゼロになってしまった。現役続行を続けるか、続けないか。8月くらいまで本当に悩みました」

現役を続ける上で最大の目標だったNPBへの復帰。しかし、その可能性が限りなく狭く小さくなっていく。悩みながらも、時間だけは無慈悲に過ぎて行った。

ただ、悩みながらもその期間、村中は「自分と向き合うことができた時間」にあてていた。

「(投球の)機能的な部分を作り直すというか。今までは(痛みの影響で)無理して投げてきた部分もあって、それで可動域とか筋肉バランスがかなり崩れていたので、そこを自粛期間でかなり見直しました。痛みの出ない体の使い方を覚えたり、可動域の出るトレーニングをしたり、そういうところを重点的にやりました」

沖縄県内での活動に限られはしたものの、6月後半から県内社会人チームとの練習試合が再開。できる環境の中でパフォーマンスを見せていく中で、確かな手応えも感じていた。

「特にまっすぐのキレがかなり戻ってきましたし、制球も(手術明けの)昨年と比べものにならないくらい格段によくなっていました。このままベースアップしていけば、もう一回(NPBに)戻れるチャンスはあるかもしれない」

沖縄県の緊急事態宣言発令を受け、8月8日からチームは再び活動自粛へ。9月下旬の活動再開となったが、その期間で現役続行への気持ちを固めていった。

「9月30日にNPB復帰の期限が終わってしまいましたが、そこからは切り替えて、来年に向けてどうやって体を強くしていくか。そこに取り組んでいます。若かったら(短期間で)一気に仕上がるかもしれませんが、今は長い期間でゆっくり、しっかり、作って行かないといけない。そのために今から始めています。来年はどこでプレーするか決まっていない(10月27日現在)ので、何とも言えないですが、球速も150キロを超える位まで戻して、NPBへアピールできればと思っています」

その後、11月25日の契約満了で琉球を退団。そして今日(1月18日)、栃木ゴールデンブレーブスへの入団が発表された。

10月の段階では、現役続行への思いをこう話してくれた。

「ただ単に、1年間野球をやりたいという思いではやっていません。NPBでもう一度勝負するという明確な目標がそこにあるので、それがなかったら、現役を続けないですし、それがなくなったら僕はやめようと思っています。現役を続ける以上は納得したい。ヤクルトに(何らかの形で)残れる可能性があった中、それを捨ててまで挑戦しているので、中途半端な形では終わりたくないです」

復活への手応えと強い決意を秘めた左腕が、新たな場所から、再び頂きを目指す姿に、引き続き注目していきたい。

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