見出し画像

【独立リーグ】琉球ブルーオーシャンズ 沖縄本島主催試合 取材雑感 〜初戦 8月15日 大分B-リングス〜

こんばんは、岩国です。想像した光景ではありませんでしたが、ようやくこの日を迎えました。早速、徒然と。

画像1

【写真】コザしんきんスタジアム

強い日差しが照りつけるコザしんきんスタジアム。2月に広島が2次キャンプを張るこの球場へ、まさか8月に来ることになるとは、昨年までは想像もしていなかった。

九州アジアリーグとの2度目の交流戦。最後の3試合は、待望の沖縄本島での主催試合。ようやく躍動する姿を、直に観てもらうことができる。そう信じて準備を進めてきたが、新型コロナウィルスの猛威は収まるばかりか悪化の一途を辿っており、沖縄県の要請を受け、無観客試合として開催する運びとなった。

日本列島を襲う豪雨に影響で、対戦相手である大分の球場入りも遅れるなど、様々な困難が立ちはだかったが、午後6時。プレイボールの声がスタジアムに響きわたり、ホームゲームの初戦が始まった。

先発のマウンドを託されたのは、背番号19・二宮衣沙貴。名城大学から今シーズン入団してきた右腕だ。

画像1

【写真】投球練習をする二宮衣沙貴投手。身長は185cm。

初回、フォアボールのランナーを出したが、クリーンアップはきっちり抑えて無失点。バッテリーを組んだ佐久田によると、序盤は持ち味であるフォークが抜けていたということで、球速以上に強さを感じるストレートとツーシーム、そして初球にカーブを織り交ぜた。

「まっすぐとツーシーム。その2種類だけになってしまうと、ヤマを貼られて、(内野手の)間を抜かれるヒットが増えてくると思ったので、ボールになってもいいから、カーブで緩急をつけようと、試合前から話をしていました」(佐久田)

この作戦がうまく機能した。二宮は、毎回ランナーを出しながらも要所はきっちり抑えて、4回まで無失点。そして、ブルペンや試合序盤で抜けてしまっていたフォークも中盤からは、しっかり低めに決まり出し、終わってみれば6回89球、4安打5奪三振無失点。先発として文句のない内容で、試合を引き締めた。

本来、ストレートの球速は145、6キロをマークするという二宮だが、この日のスピードガンでは140キロ前後。MAXで142キロだった。

しかし、「ベース盤の上は強かった」と、受けていた捕手・佐久田も、今日のストレートに太鼓判。実際、ファールされた打球の多くは、右打者ならライト方向、左打者ならレフト方向と、球威に押されているような印象を受けた。

上背はある方だと思うが、高さを使うというよりは、腕がいきなり出てくるような投球フォームで、タイミングをとるのも難しそう。そう考えるとそこにカーブを混ぜたのは、かなり効果的だったと推測される。二宮&佐久田、見事なバッテリーだった。

画像2

【写真】好投を見せた二宮投手。

画像4

【写真】地元TV局のインタビューに答える佐久田捕手。目指すはもちろんNPB入り。

打線は、全体的に好調だった。

1回裏。このところ1番に入っている松川が、外角へのボールをうまくバットに乗せ、左安打で出塁すると、4月&6月とは、明らかに状態が上向きの2番・大城は、お手本のようなセンター返しでチャンス拡大。矢野が倒れて1アウト1・3塁で4番・大河。110キロ代の緩いボールをしっかり引きつけ、強く叩いてセンターへタイムリー。紆余曲折あった沖縄本島主催試合の初戦、4番のバットが先制点をもたらした。

さらにmこの試合で好リードを見せた5番・佐久田が、持ち前のバットコントロールでしっかりボールを捉え、2点タイムリー二塁打。比屋根ヒットで、再び一・三塁として、こちらも熊本でボールへのアジャストが良くなったと感じた7番・加藤がしっかり外野へ犠飛を放ち、一挙4得点。序盤の大量得点で試合を優位に進めることとなった。

画像3

【写真】先制タイムリーを放った"大河"こと、松尾大河選手。

そして、この日の1番の収穫は、今回の九州遠征でなかなか結果が出ていなかった宮城清主が、復調気配を見せたこと。

3回裏。佐久田・比屋根・加藤の3連打で、欲しかった追加点を奪い、なおも1アウト二塁のチャンスで打席には宮城。初球から積極的に振り抜くと、高く舞い上がった打球は、左中間を深々と破るタイムリー三塁打。さらに1点を追加した。

熊本で見た2試合では、引っ掛けたり、振り遅れたりするなど、らしくない打席が続いていたが、この日は第1打席も初球から振っていくなど、持ち前の積極性が打席の中で感じられ、三塁打の打球も、小さな体格から思いも寄らないような打球速度で一気に外野の頭を超えていく彼らしい一打だった。

画像4

【写真】宮城清主選手。ここからの体重移動がいい時は流れるように、後ろから前へ。

結果は、今回の特別ルール(20時30分以降のイニングは行わない)により、7回裏で終了。8-0で琉球ブルーオーシャンズが勝利を飾った。

興行としては、多くの課題も露呈したが、実績もノウハウも持たない若いスタッフが苦しい状況の中、試合を実行することができた。先行きが不透明な状態はまだ終わる気配を見せないが、この経験はチームにとって、大きな財産となるだろう。

明日以降も無観客ながら試合は行われる。確実に成長している選手たちとそれを支える若いスタッフたちの今後に、大きく期待したい。

画像7


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?