【プロ野球】スタジアムに歓声が還ってきた!その2 〜7月10日 ロッテ 6-7 西武〜
こんばんは、岩国です。続きまして、栗山さんにやられてしまったロッテ戦(金曜日)です。
ジャクソンの退団を受け、昨年の課題が再燃していたロッテ。そこに「獅子の骨」、ベテラン栗山が集中力を発揮し、一気に食らって勝利をもぎ取って行った試合だった。
ロッテ・石川、西武・ニールともに立ち上がりから失点する苦しい展開。しかし、中盤に落ち着きを取り戻し、6ー4とロッテ2点リードで終盤を迎える。
先に継投に入ったのは西武。7回にドラ1ルーキー・宮川をマウンドに送るも先頭・マーティンにいきなりフォアボールを与え、不安な立ち上がり。
ここですかさず山川がマウンドへ行き声をかけると、キャプテン源田もひと声かけた。こういうところが2連覇しているチームだと感じる。
ロッテは菅野に犠打を指示。これをきっちり決め、不調のレアードに追加点を託した。
この選択はベンチがレアードに対して、揺るがない信頼をしているという意思表示に見えた。そこに応えたい4番だったが、2球目を打ち上げてセカンドフライ。結果は寂しいものだった。
続く井上には、攻めきれずにフォアボールも、中村奨に対してはフルカウントから落ちるボールで空振り三振。西武バッテリーがここをなんとかしのいだことで、たゆたう流れが西武側へ傾き始めたように思う。結果論だが。
問題の8回表。ジャクソンなき今、ロッテにとって最大の課題であり、昨年悩みに悩んだところで、吉井コーチはまた悩むこととなった。心労をお察しします。
この日は東條を送ったロッテベンチ。4番・山川に対し、風もあって制球に苦慮しながらもショートゴロに打ち取り1アウト。ここから左が4人続くところで交代かなと思ったが、そのまま続投となった。
何度か書いているが吉井コーチは「左打者に左投手」という考え方をしないコーチ。しかし東條は昨年左打者に対し、被打率.311と打ち込まれている。この試合の勝利だけを考えればチェン(2019年対左.232)に交代の選択肢もあった。
そこをあえて、東條続投を選択した理由だが、昨年同様「先を見据えての課題克服を求めた」と解釈するのが自然ではないか。結果は残念ながら栗山に同点2ランと最悪だったが、こういうことを積み重ねて、吉井コーチは右のワンポイント以上のリリーフ投手になって欲しいと期待をかけているのではないかと推測した。
今回は悔しい結果となった東條。これから続く戦いの中で、吉井コーチの期待に応える日がくることを、楽しみに待ちたいと思う。
打った栗山についても書いておきたい。
東條からの同点2ランはフォアボール直後の初球。インコース少し甘めのスライダー(栗山はシンカーと行っていたが)だった。
フォアボールのあとの初球とはよく言われるが、完全に狙い撃っての一発。「不甲斐ない打席が続いていたので、なんとかいい姿を見せられるように」と、ファンの前で放った打球にベンチで笑顔を見せていたとのことだが、その集中力に感服するしかない。
さらに決勝押し出しでは、チーム全体として低めの変化球を見極めていたこともあったが、きわどいコースを見極め、追い込まれてからはカットし、最後は益田に根負けさせての四球。栗山がここまで積み上げてきた選球眼に対する絶対的な自信が、この場面でさらに凄みをましていたように感じた。
西武取材を離れてから2年経つが、試合前練習時の栗山は見ていて面白い。
印象的だったのは、バントマシーンやBP相手に打席に立ち、ただひたすらボールを見るという時間を作っていたことがあった。
実際、どういう意図があったかは聞く機会がなかったが、日々の積み重ねと工夫が作り上げた、この日の凄みではなかったかと、改めて四球を選んだ瞬間に唸った。
この日は3会場でサヨナラホームランが飛び出しました。それぞれすごかったです。
スタジアムにファンが戻った初日に劇的決着が多かったですが、そうしたわかり安いものだけではなく、こうした一見地味なプロの凄みも、球場で感じて欲しいですね。
それをこの日、直接感じることができたファンのみなさんと、記者の方がやっぱり羨ましいです。