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【独立リーグ】琉球ブルーオーシャンズ 関東遠征取材雑感 〜5月30日vs.東芝野球部〜

沖縄を拠点とするプロ野球チーム「琉球ブルーオーシャンズ」。発足2年目を迎える今季は、昨年行うことができなかった県外チームとの試合を積極的に行なっている。

4月の九州遠征につづき、この5月には広島2軍との練習試合(非公開)を2戦消化。そして、関東入りし、25、26日には巨人3軍戦。28日には社会人・三菱重工EAST戦と、対外試合を重ねた。

そして30日。琉球を率いる清水直行監督兼GMの古巣、東芝野球部との練習試合が、東芝のグラウンドで無観客試合として行われた。

先発は今季入団の中西勝紀。サイド気味の位置から投げる右腕で福岡大卒後、一度は就職したものの、再びプロへ挑戦するべく1年で退社。琉球のトライアウトに挑んだ24歳。九州遠征では初勝利もあげている。

この日はもったいないと感じる失点が多かった。

1回裏。内野ゴロと四球の後の盗塁死で2アウトをとってから、東芝の主将、3番・松本幸一郎選手にストレートを右中間スタンドへ運ばれ、先制点を献上。その後も2アウトから出塁で失点を重ね、4回6安打4失点で降板。ランナーを置いてからの投球が、次回登板のチェックポイントとなりそうだ。

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5回裏。2年目・豊山礼大投手が2人目として登板。昨年、日本大学に在学しながらチームに参加。元中日のトレーニング&コンディショニングコーチで現在、琉球球団の選手育成の要である勝崎耕世コーチの元、沖縄の地で体力、技術の向上に努めると同時に、テレワーク受講をうまく活用しながらこの春、無事大学卒業も果たした文武両道ピッチャーだ。

しっかりトレーニングを積んだこともあり、入団したての去年と今年で、体の厚みはだいぶ変わって見える。成長を感じる選手の一人だ。

久しぶりに実戦での投球を見たが、中西投手がホームランを打たれた3番・松本選手、そして在籍13年の4番・吉田潤選手を連続三振。横位置から見ていたので、変化量がわからなかったが、空振りするバッターのリアクションを見る限り、俗にいう動くボールなのだろう。

5番・福山亮選手は追い込みながらも右安打。これは、一塁・中島友輝選手が好反応を見せ、グラブに当てるもボールを掴めず、そのまま打球が外野へ抜けていったもの。外野手登録で、目下一塁で多くのことを習得中の中島には、なかなか難しい打球だったが、これも中島にとってはいい経験になったことと思う。

2死から走者を許したが続く6番・新人の赤尾光祐選手は3球三振。持ち味をいかしながら、落ち着いた投球で、次回も期待させる内容。下の名前は”礼大”と書いて、”レオ”と読む。6/2、3の西武戦での登板があることを切に願っている。


3人目以降は宮城竜輝投手(無失点)、日隈ジュリアス投手(1失点)、福田夏央投手(無失点)が、それぞれ1イニングづつを投げ、試合をまとめた。

打撃陣は5回まで9安打。いい当たりが野手のつくなどもあり、なかなか得点にはつながらなかったが、全体的にバットも振れている印象を持った。

特に目を引いたのが、3番に入った宮城清主選手。”清主”と書いて”きよかず”と読む富士大学卒の2年目内野手だ。

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九州遠征では3本のホームランを放っているが、初戦で見せた一発は、構えてから俗にいうトップを取るまでの動きのスムーズさと、ボールの待ち方、そして、うちに行く時の体重移動、全ての動きが流れるようで、とてもいい打ち方に見えた。

宮城清本人は「九州から沖縄に戻って、一度状態が落ちた」と話していたが、巨人3軍との2試合目から、この日まで3試合連続安打。そのままの状態で西武3連戦や、次週のロッテ戦に挑んで欲しい。

特にロッテは、昨年、石垣島での対戦もある相手。成長した姿を、ぜひロッテ関係者に見てもらいたいところだ。

その他、NPB組では亀澤恭平選手、松尾大河選手が1安打。トライアウト組では2年目の大城駿斗選手と森颯馬選手。ルーキーの矢野広将選手、佐久田英尚選手、高卒ルーキーの中島友輝選手がそれぞれ1安打を放った。

あと1本が出ず、得点につながらなかったことについて、清水監督は「もちろん勝ちに行っているが、しっかりバットを振って、ヒットが出ている。あと1本が出す、試合の流れが相手にいってしまったが、しっかりチャンスも作った」と、9安打した打線に一定の評価を与えていた。

さらにこうも続ける。

「走塁などでミスはありましたが、積極的なプレーはいつも評価している。失敗の中で選手たちが覚えていって、次にそういう状況になった時に、積極的にいって成功してくれれば」

試合は1-5で敗戦。しかし、清水監督の話を聞く限り、今回の遠征はチームの勝敗が最重要事項ではなく、選手1人ひとりが1球1球、1打席1打席の中で何を考え、実行し、何を得るのか。そこに重点を置いているということだろう。

チームの大きな目標は「エクスパンションになったときに、NPBへ参入する」ことだが、その扉はいつ開かれるか分からず、「所属選手のNPB入り」が当面のチーム目標であり、選手個々の目標もそこにある。

その目標達成のため、今回の遠征は貴重な準備期間である。この期間にどこまで経験し、自分の財産とできるか。

まずは6月1、2日の西武戦。それぞれがNPBチームを相手に、何を見せてくれるのか。非常に楽しみだ。

(以下写真は東芝戦打撃成績)

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(おまけ)キャッチボール中の杉山翔大捕手。昨年もそうでしたが、バッテリーコーチがいない中、プレーヤーもやりながら、若い捕手陣を指導されています。他にも練習試合ではサードやショートの守備に入ることも。亀澤選手や比屋根選手とともに、チームを支える大事な選手です。

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