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ちょっぴりエコなラリークロスの話

ラリークロスって何?普通のラリーとの違いは?
タイトルのちょっぴりエコとは何?
そういう疑問を解決していきたいと思います!


最初の疑問の解決

まずラリークロスとは何か?

説明していきます!
ラリークロスとはモータースポーツの一種で
複数(4〜6台)の車がダートコース(舗装されていないサーキット)を
走り抜け、時にバンバンぶつかりながら
一位を決めるために走るレースです

通常のラリーと違うところは?

日本でも盛んに行われている
ラリーは、周回コースではなく
基本的に一本道のコースを走って
そこを通るタイムを競い合いますが

ラリークロスでは基本的に一周のコースがあり
何周かを走り順位を決めてゆくもので
ラリーではない普通のレース、
日本ではSuper GTとかの周回レースに
近い形式になっています

ちょっぴりエコとは何か?

ここまで聞いていると(読んでいると)、ちょっと前時代的な
環境に悪そうなレースという印象を持ったかもしれません

ですが!

ラリークロスの国際選手権である
World-RXでは2021年から全ての車が電気自動車に
そして2024年からは電気自動車に加え
持続可能な燃料を使用した車も使い
レースが行われています

電気自動車を使用したレースで且つ
国際的なレースはFormula Eに続き
2つ目のレースであるといえるでしょう

以前Noteで記事にしたSTCCは
国際的とはいえませんし
2024年から電気自動車を使用し始めましたからね
ETCR?知らない子ですね(後に記事にする予定)

World-RXの歴史

ここからはWorld-RXの歴史を解説していきます
ラリークロスの歴史ではないのでご了承ください

先ほどから記事内では、World-RXと呼称していますが
ちゃんとした名前は
「FIA World Rallycross Championship」です
この歴史をさらっと解説していきます。
(今後も引き続きWorld-RXと呼称します)

・1973年-ヨーロピアン選手権(ラリークロス)が開催される

・1976年-FIAによってヨーロピアン選手権(ラリークロス)が、採用される

・2014年-初のWorld-RXシーズンがポルトガルにて開催され
その後イギリスやノルウェー、イタリア、アルゼンチンなど
12カ国を周りシーズンを終える

・2015年〜2021年-アメリカ、アブダビ、南アフリカなど
様々な国々を舞台に開催される

・2022年-参戦車のすべてが電動車になる

・2024年-電動車に加え、再生可能燃料を使用した車も参戦する


ここから詳しげな解説

ここからはモータースポーツファンに向けて
ラリークロスを見たくなる
詳しげな情報を解説していきます。

使用車両

歴史の章でも軽く触れましたが
現在のWorld-RXでは、電動車と再生可能燃料車の
2種類の車が参戦しています。

また現在のWorld-RXでは、2つのクラスがあり
RX1eとRX2eの2クラス存在しています。

RX2e


そして使用車両は、
World-RXのRX2eではワンメイクの形を採用しており
QEV Technologies社(スペイン)と
Olsberg MSE社(スウェーデン)共同開発した
完全電動車両を使用しています
(ちなみにガワをFordのフィエスタにした車両も
他のレースシリーズで使用されています)


EKSRX - 2021 World RX - RD2 Holjes, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=112334195による (RX2e車両)

RX1e


RX1eではkreisel electric社(オーストリア)が製作した
パワートレインに、様々なメーカーの車に
似せたガワを被せる形で作られています
Super GTのマザーシャーシみたいなものです

それに加えて
KMSというVWのディーラーチームが使用している車両は
再生可能燃料を使用した車両が使用されており
この車両に関しては、マザーシャーシのような形ではなく
KMSが独自開発した車両が使用されています
ちなみに見た目はVWのポロですが、中身はまるっきり異なり
エンジンが横置きだったり、重心位置の改善のために
運転席が後方に移動しているなど、ほぼ全て異なります。

参戦チーム(RX1e)

先ほど紹介したVWのディーラーチームのように
色々な車を作っているところとは違う
メーカーの名前を使用して参戦しているところが多いです
例えばプジョー208WRXを使用しているチームでは
2016年〜2021年ごろはプジョー製の
車両を使用していましたが、電動化に伴い
プジョー208のガワを先ほど紹介した
マザーシャーシに被せた車両を使用していたりします

加えて、セアトのイビサやシュコダのファビアを
使用しているチームでも
同様にマザーシャーシにガワを被せて使用しています。

またPWRというチームは
多数のチームと同様にマザーシャーシを使用して参戦していて
ボルボの建設機械のディーラーの支援を受けていますが
ボルボのガワではなく、独自デザインのガワを使用しています
(ちなみにこのチーム以前紹介したEVレース
STCCにも参戦していますぜひよんでね!)

マシンスペック

マシンスペック(RX2e)

馬力(bhp)-362bhp
パワー(?)-270kw
トルク-510Nm
バッテリー-30kwh
最大RPM-12500rpm
重量-1250kg
モーター-両軸2個配置
サイズ-4,050mm×1,800mm×1,500mm

https://fia-rx2e.com/zeroid-x1/https://www.qevtech.com/qev-engineering/zeroid-x1-2021

マシンスペック(RX1e)

馬力(bhp)-680bhp
パワー(?)-500kw
瞬間トルク-880Nm
最大RPM-不明
重量-1330kg
バッテリー-52.65kWh
モーター-両軸2個配置
電動システム重量-300kg
サイズ-3965mm×,1850mm×,1380mm(これのみプジョー・208)
0to100km-1.8秒

https://www.as-web.jp/rally/744696https://www.cedealerteam.com/thecarhttps://hansen-motorsport.se/team/car/https://www.fia.com/news/technical-details-fia-world-rx1e-powertrain-revealed

(KMSが使用している、再生可能燃料車のデータは
確実なデータが確認できず、不記載
追記する可能性あり。)

どうやって弱点を克服したのか?

EVを使用したレースのデメリットとして、挙げられるのが
重量や航続距離そしてエンジン音がなくなることによる
迫力がなくなるということがあります
ではWorld-RXでは、どのように克服したのでしょうか?

重量問題

まず重量問題から、これに関しては
RX1eとRally1と比較すると
70kgくらい重量が増していますが
おそらくそこまで影響はないものと考えられます
なんとかして他のところで軽量化を図っているのか
Rally1もハイブリット化の影響で
重量が増しているので、差を感じられないのか
わかりませんが、おそらくそこまでの影響はないでしょう
(ちなみにRX2eとWRC2を比較すると20kg程度の差なので変わんないですね)

航続距離

航続距離に関しては
問題にならない土俵に持ち込んだ、というのが
一応の解決策?だと思います
ラリークロスでは短い周回コース(一周40〜50秒程度)を
5周程度を走るので、航続距離の問題は
通常のラリーや箱車のレース等々と比べると
出づらい環境であることは間違い無いでしょう。

迫力問題

これに関しては、再生可能燃料車を一部のチームが
導入しているので、それでなんとか賄えているかな?
といった感じで個人的には
やっぱり物足りないなと感じることが多いです

ラリークロスという競技の性質上
ガンガンぶつかったり、迫力が
他のレースと比べて、求められていると思います
そこでエンジン音が響かないのは
拍子抜け感が否めません。

発生した事故

2023年7月21日イギリス開催の際に
RX1eの車両のバッテリーに起因すると見られる
火災が発生し、レースがキャンセルになったことがありました

その後の10月のレースでRX1eでは、RX2e車両を用いる形で
レースを再開させました

(この火災の際に2台しかない
ランチア デルタ エヴォeRXが2台とも焼失しました)

個人的な感想

ラリークロスっていう
日本ではあまり有名じゃないレースであっても
色々な技術や、注目に値する取り組みをしていたりします
今後もこのNoteでは、そのようなレースを含めて
様々なエコや再生可能に関連する
レースやレース関連の話題を書いていきたいと思います
今後もよろしくお願いします
最後に良かったと思った方はいいねを!
ここまでありがとうございました。

参考にした文献やサイトまとめ


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