【FM店主日記Day60】「むむっ!」っていうリアクションをする人がいる場所
オーディオブックばかり聴いていたら、だんだんそれも疲れて来て、再びオーディオブック以外の何かを求めはじめた。
言葉に疲れ始めると音楽を聴き始める。音楽を聴いていると物語が見たくなって映画を見始める、映画が重すぎてドラマシリーズを見始める、ドラマシリーズが長すぎて疲れて本を読み始める、本を読むのがしんどくなってくるとポッドキャストとかを聞く、ポッドキャストの内容だと物足りなくなってオーディオブックをまた聴き始める。だいたいいつもこんな感じのエンドレスループだ。今日からアンディ・ウォーホールの「ぼくの哲学」の文庫本を読み始めた。冒頭から文体が衝撃的でかなり面白い。刺激的とはこういうことか。
そして、YouTubeでは将棋ウォーズの対戦とか解説動画をよく見ている。
藤森哲也五段の「将棋放浪記」とかをよく見るのだけれど、最近になってちょっと別の棋士のチャンネルものぞいてみようかと伊藤真吾六段の「イトシンTV」を最近見始めたら、伊藤六段の奥さん(嫁Pさん)が頻繁に登場してきて会話に参加している、というのがかなり新鮮かつ、まんまな感じで展開されているであろう二人の日常会話が想像できて結構楽しい。奥さんが将棋を学んでいて、実際に対戦しているところをそのままライブ中継しつつ伊藤六段がそれを応援する、みたいな姿もあってかなり微笑ましい。意外にも将棋以外の見所がツボにハマったりするので、一体何に価値があるのかなんて誰にも予測できない。
AbemaTVに将棋チャンネルが開設されて以来、最近は将棋の対局がフルで生中継されることが多くなったのだけれど、将棋の内容よりもランチやおやつのメニューがかなり詳細にわたってレポートされていたりするのも従来の将棋ファンが予想していた流れではなかったように思う。
そして、伊藤六段が、プロなので当たり前なのだけれど、やはり強い。圧倒的に強い。戦闘能力53万くらいあるかも知れない。動画では10秒将棋(一手10秒)などの短い時間での決断の過程を解説しながら指していくので、考え方の基準というか何をどう考えて何を目指すのか、どうなったら優勢になるのか、というのがちゃんと言語化されていくのを見ているだけでも勉強になるし、ここぞという場面での踏み込みや読みの速さには確実のプロの威厳があり、それをこの至近距離で見られる、というのはかなり魅力的な話だ。いい時代になったものだ。そして、彼の局面に対するリアクションがなかなかツボに入るので見ていて楽しい。なかなか実生活のリアクションで「むむっ!」っていう人に遭遇しない(笑)。
そして、この数日はオーディブルとYouTubeが1日の中に混在していて、仕事の合間に藤井聡太七冠の師匠である杉本昌隆八段の著書「師匠はつらいよ 藤井聡太のいる日常」を聴き、イトシンTVの対局中継を眺めながら1日を送っている。
見ているだけで心なしか将棋が強くなったような気がするが、だいたい気がするだけである(笑)。そろそろフェルマータでの将棋のイベントも再開したいと実は思っている。
そういえば、10年くらい前に池袋あたりの将棋道場で駒を取るたびに「トリートメント」って連呼するおじさん二人組がいたのだけど、ああいうおじさんはいろんな意味で無敵なんじゃないかと思うし、人生楽しんでる気がする。
フェルマータ店主 KAORU
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