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【FM店主日記Day19】猿には猿のやることがわかるし、フランスとはベーコンである。

Monkey see, monkey do.っていう英語の諺があるのだけれど、これはNirvanaのStay Awayっていう曲の歌い出しの歌詞になっていて、この曲経由で高校生の頃に僕はこのフレーズを初めて知った。

が、まるっきり意味がわからず、どっかのタイミングで日本語訳を見た時に「猿には猿のやることがわかる」と書かれていて、おお、なるほど、そういう意味だったのか、と合点がいったので、それから数十年の間、特に疑問に思うこともなく、「他の人には理解できないようなことでも、その人にとっては完全に筋が通っているようなこと」、という意味で使い続けてきた。(そんなに使用頻度は高くない諺ではあるけれど。)

しかし、昨日の投稿を書くに当たって「猿には猿のやることがわかる」という諺が日本語にあるのかどうか調べてみたところ、どうも全くヒットしない。日本語で検索しても出てこない場合どうするか、というと英語で検索してみるわけで、さっそくMonkey see, monkey do.で検索をしてみた。

すると、衝撃的なことにMonkey see, monkey do. には「猿には猿のやることがわかる」という意味はなく、「猿は見たままを真似する」、つまり行動の意味を理解せずにただ真似をする「猿真似」を揶揄するような表現であり、これは18世紀ころにジャマイカで使われるようになり、1900年頃にはこれはすでに「古い諺」として定着していた、という事実が判明した。

個人的には「猿には猿のやることがわかる」という意味を推したい気持ちでいっぱいだが、そんな昔からある伝統的な諺の意味を変えてしまうというのもおこがましいので、今まで意図せず「猿真似」などという暴言を吐いてしまった人たち全てに申し訳ない、という気持ちを表明するとともに、ちょっとこの話と似ていたFrance is Baconの話を思い出したので、それもここに貼っておく。

From Reddit

ざっくり訳すと、こんな話だ。

私がまだ若かった頃、父が私に言った。「『知識は力なり』フランシスベーコン」と。

しかし、自分には「知識は力なり。フランスイズベーコン」と聞こえ、そう理解していた。

10年以上、フランスイズベーコン、つまり、「フランスはベーコンである」という部分の意味が全くもって不明である、という事実が私を悩ませ続けた。フランスとベーコンの間にどんな関連性があるというのだ?しかし、この「知識は力なり。フランスイズベーコン」と私が友人や知人に言うと彼らは私の発言を謎めいたものだと思うことなく、思慮深く同意してくれるのだ。ある時、先生に「知識は力なり、フランスイズベーコン」について質問したところ、知識がいかにパワフルなものであるかについて10分程度の説明を受けたが、フランスはベーコンである、の部分についての解説は全くなかった。「フランスイズベーコン?」と私は語尾をあげてみたが、先生は「イエス」というだけにとどまった。当時12歳だった私にそれ以上深追いする勇気はなかった。そこで私は、これは自分には理解できない何か、というカテゴリーに分類し受け入れることにした。

フランスイズベーコン、の真の意味を知ったのはFrancis Baconと書かれているのをみた時だった。そうか、そういうことだったのか。

https://seojapan.com/column/france-is-bacon/

猿には猿のやることがわかるし、フランスとはベーコンである。異論は認めるし、イーロンは偉大だ。

フェルマータ店主 KAORU

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