【FM店主日記Day78】パクパクパクチーイベント日記 其の一 はじまりの予感
この辺りのタイミングで書いておかねばすぐに忘れてしまう故にパクチーイベントの振り返りをサクッと、もとい、パクッと書いておかねばならぬ。
そもそもの始まりは、私の直属の弟であり、第一家来であるサトルがパクチー狂人の著した書物をここ磐城の國にもたらしたことであり、書物がもたらされたからと言って多くの人はこれを開くことなく人生を終えることも多い中、字をスラスラと読むことができる私のような選ばれしエリート国民は、NetflixやXVIDEOSなどからの絶え間ない誘惑に負けることなく、だからと言って勝つこともなく、奇跡的にこの書物を紐解き、なんと最後まで読み切る、という超人的な偉業を成し遂げたわけであるが、パクチー狂人はその著書の中で100キロマラソンのような、健康リスクしかないようなイベントに挑戦したりしており、健康とかそう言うことを通り越して、むしろ身体に悪そうなことに卒倒しているこの人はもしかしたら完全に頭がパクチーなのかも知れないと思い、面白そうなので一度ちょっと会ってみようと思い立ち、その決意をnoteの投稿として全世界に向けて発信したわけであるが、全世界に向けて発信したにも関わらずそのPV数は伸び悩み、かろうじて二桁に届くほどであった。このような大反響に、これは炎上間近か、我が身ももはやこれまでか、と身構えたが、火のないところに煙は立たず。志なきところに道は開けず、古池に蛙が飛び込むこともなく、特にこれと言って何も特筆すべき事件や事故が起きることもなく日常の生活は続いていったのだ。その間私のような選ばれしエリート国民は、味噌汁の味噌がなかなか溶けないことに心を痛めたり、タクアンをできるだけ薄くスライスすることに集中するあまり言葉を失ったり、ふえるわかめが増えすぎることに悩まされたり、YouTubeの広告が最近ちょっと長いんじゃないか、という理不尽に憤慨したりしながらも果敢にも毎日をエブリデイしていたのである。1日ざっと二十四時間、分数にして1440分、十分ごとの動画にまとめる場合には144本分に相当する長さを、寝る間を惜しんで、そして寝ながらも欠かさずエブリデイし続けたのだ。
ある日、私がいつものようにエブリデイしていると、珍しく我が弟分であるサトルから連絡があったのだった。なんでも、私の著した文章を読んで感銘を受けた人がいる、とのこと。それは私のような選ばれしエリート国民が真心を込めて著した文章を読んで感銘を受けない方がおかしいことであり、感銘を受けた、ということはわざわざ報告に値するようなことではなく、放っておいておやりなさい、と放念する方向での調整に入ったわけであるが、その感銘を受けた人物こそ他ならぬパクチー狂人であり、パクチー狂人本人が著した書物について私が著した文章を狂人自らが発見し、感銘を受けた、と言うことで自分について著された内容について感銘を受けると言うことは、つまりこれはパクチー狂人は一周回って自分自身のことについて感銘を受けており、他人ループを介した自画自賛、という究極の人生の目標を達成されている達人である、ということが判明したのだ。
そのような達人的領域において毎日をエブリデイしている狂人であれば、これは一目会わねばなるまい、と私はすぐさま千葉くんだりまで足を向けた、と言っても実際には中古の軽自動車を運転して行ったわけであるし、千葉は金谷くんだりまで出かけたのは成田出張のついでではあったのだが、要するにこの狂人を一目見て、その生態を自らの目で確認するために、私のような選ばれしエリート国民がわざわざ出向いたのであった。
サクッと、いや、パクッとイベントについて書くつもりであったのだが、思いがけず長くなってしまった上に、前置きが長すぎるが故にまだまだイベントまで辿り着かない雰囲気になってしまったことをここに自認し、本日の文字数をすでにオーバーしてしまったという事実もあいまり、よってイベントのレポートは後日また、つまりまた今度書くことにする。
今度とお化けは来ないかもしれないが、読者諸君におかれましては、その間、毎日をエブリデイしながら、忍耐強くお待ちいただくようお願い申し上げる。
フェルマータ店主 KAORU