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【FM店主日記Day52】日本のお笑い文化を英語で説明するとこうなるのか

タイムボムのニックっていうお笑い芸人が日本のお笑い文化について、英語で淡々と説明するポッドキャストが結構興味深かった。

前提になりすぎていて普段は言語化されていないところを英語で事細かに説明して、イベントについて話して、その重要性と意味合いをまた説明するっていう。

日本文化ってほんとに今となっては色んなところに浸透していて、かつては日本のバラエティー番組がどんなものかを外国の人に説明しようとしても「日本の番組って変だよね」くらいの感想しか持ってもらえなかったし、もちろん字幕もなければ国境を越えて活躍してる人たちもいなかった。

時が経ち、日本のコンテンツが世界各地で人気を博し、それを見て育って日本語を勉強して実際に話せるようになる外国人もかなり増えてきた。日本語を学習する過程が簡単になったとは決して思わないけれど、それだけで物珍しい時代は良くも悪くも終わっている。

僕はたまにテレ東の人気番組である「YOUは何しに日本へ」の通訳の仕事をするのだけれど、かつては日本語が上手なだけでもそれなりにイケメンだったりテンションが高かったりしてキャラが立っていれば密着取材してみますか、みたいになったかもしれないけど、今は珍しくも何ともないし、あー、はいはい、アニメ見て日本に興味持って日本語勉強したっていうんでしょ?あー、やっぱりね、みたいになってしまった。

もはや、ラトビア人のアルトゥルくらいのレベルにならないと面白くも何ともないのだ。

友人に大阪弁を流暢に話すアメリカ人がいるのだけど、その彼にしたって、2004年当時はたしかにそれだけでも面白かったけれど、大阪弁であるだけで漫才が上手いわけでもないし、なんならちょっと根は真面目だったりするので、若い頃はそれでもはちゃめちゃなところがあってそれなりに笑える話を持ってきてくれたのだけど、今となっては三児の良きパパであり、お酒を飲むこともやめてしまったのでもはやそこまでのコンテンツにはならない。しかし、厚切りジェイソンのネタを久しぶりにYouTubeで見たら完成度が高くてやはり面白かった。

既視感のあるコンテンツは却下されるし、周りのレベルは上がらざるを得ないしエンタメとはまことに持って残酷であると言わざるを得ないが、NetflixやYouTubeを見ている時の自分も極めて残酷な評価を眉ひとつ動かず「全然面白くない」という評価を一度も会ったことのない人に対して瞬時に下すわけだからまことにもって救いようがない。ちなみにタイムボムの昔のネタを探して見てみたら、まあ、ネタが古いというのもあると思うけど、彼が日本のお笑い業界に色々思うところがあったのも理解できる。

かつてヨーロッパの人が言っていた。「大人になっても漫画を読むなんて日本人は幼稚なのか?」と。僕は思う「日本人の幼稚さを嘆くよりも、大人を十分に楽しませるマンガコンテンツが作れないお前らの文化的レベルの低さを嘆け」と。

日本は遅れているのではなく、逆に進化のスピードが早すぎて世界が理解できるキャパをはるかに超えていただけなのだ。日本のコンテンツ作りは部分的にはかなり前から世界一だし、キャプテン翼を読んでないワールドカップ代表選手はきっと世界に一人もいない。

フェルマータ店主 KAORU

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