【FM店主日記Day77】メキシコで焼き芋を売る予定の男とイベントの匙加減
パクチーイベントが無事に終わった。
なんだかんだとイベントごとの前っていうのは少し気が張るし、集客についてとか、あれやこれやと転ばぬ先の杖的な根回しをしなくてはいけないような気がするので、あれもこれもやろうとか思いながらもだいたいの部分で、具体的に言うと89%くらいの割合で空回りして疲れる、というあまり意味をなさない行為によって疲労感だけが残る、ということをやりがちであり、まあ、今回もその例外ではなく、終わった感想を一言でいうと、めちゃくちゃ楽しかったけどそれなりに気を張って疲れた、という感じだ。89%空回りしていると野球で言ってもかなり打率低めでなんならほぼ素振りである。
ま、そうはいってもせっかくやるからにはたくさんの人に来てもらいたいし、来てくれた人に喜んでもらいたい、という気持ちがイベントをやる時にはなにより大切であり、あまり過剰に集客するのも嫌がられるし、過剰に集客したところで来ないだろうし、あまりおもてなししすぎるのもちょっと違うし、ちょうどいい感じ、というのは意外に匙加減が難しいのだ。
ま、とりあえず無事に終わり、関係者一同みな無事に帰路に着き、みんながいなくなって、シンとした部屋に一人で座ってこれを書いているのだけど、どうもあんまり頭が回っていないので、詳しい話はまた今度に譲るとしよう。今度とお化けは来ないかもしれないがまあ、その話も今度に譲るとしよう。時期的にハロウィンが終わったばかりであるし、12月30日あたりのサンタクロースのように疲れ果てている可能性もあるので、この際心をかぼちゃにしてお化けも譲ろう。
今回のイベントのために、メキシコに旅立つ直前のノブくんがいわきまでやって来たのだけど、彼はメキシコで焼き芋を売って人生経験を積んでから公立中学校の体育の先生になる、という一見意味不明な、そしてよく見るとちゃんと意味不明な、よくよく見るとますます意味不明であり、見れば見るほど意味がわからない、大きいのか小さいのか中くらいなのか分からない目標を掲げていて、メキシコでの就労先は決まっているものの、そのビザの申請に行く際にパスポートを忘れていったり、自分の送別会を欠席したり、となかなか炸裂したキャラクターが特徴な男で、それでいて目の前にいると周りのみんなを楽しい気持ちにさせてくれるスーパーポジティブキャラなので、この週末はこの男の生態を観察し、学びは特になかったものの、ややこしい話がない分シンプルに楽しませてもらった。
彼が今後本当にメキシコに辿り着くのか否か、というところが今後の見どころとなる。そして、それが今年中なのか来年に持ち越されるのか、というタイミングの部分にも注目が集まっており、今後の一挙手一投足が、と書くのはさすがにいささか言い過ぎなので、程よい距離感で、生温い眼差しで、決して何かを期待することなく、心を焼き芋のようにトロトロにして定点観測を続けたり、辞めたり、していきたいと思っている。ちなみに、焼き芋は野菜を熱しただけであるため、調理と呼ぶほどのものではなく、許可が必要ないためイベントなどで販売するのが極めて容易である、というのが今回の彼の話で最も有益なものであった。
週末の間、ずっと割と大人数で動いていたので、今日はとにかくしばらく静かにじっとしつつ、YouTubeなどをぼんやりと眺めながら休むつもりだ。急にマクドナルドのハンバーガーが食べたくなったのも、車で右折しようとした時にちょっとタイミング悪く突き出てしまって対向車線に迷惑をかけてしまったのもこの疲労感のせいに違いない。それにしてもなかなかくたびれた。くたびれ儲けとは言うがそんなに儲かるわけでもないのが現実であり、じっと手を見るのであるが、手を見ていてもさして面白くないので、Netflixで白と黒のスプーンという韓国の料理人対決番組を見たのだった。
フェルマータ店主 KAORU
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