【FM店主日記Day17】弘前グルメと津軽ロックとききまつがいの夜
通常であれば火曜日はフェルマータの定休日だが、昨日は例外的にライブの持ち込み企画があったため昨日は営業日となった。青森県出身の津軽弁で歌うロックシンガー畠山智行さんと同じく青森県出身でいわき在住の大学生シンガーソングライター、なりたゆなちゃんのライブがフェルマータにて昨晩、つまり2024年9月3日(火曜日)に開催されたのだった。書いておかないと忘れてしまうかもしれないし、書いても忘れてしまうとは思うが、昨晩起こったことをここに時系列的に記録しておく。
津軽弁がわかるゆなちゃんにはリハの時から畠山さんのトークがかなりウケており、津軽弁がわからないチームには真髄がよくわからない盛り上がりをイベント開始から見せていた。今思えばこの時から雲行きはすでに怪しかったのだ。
今回の企画者でありオープニングアクトをつとめてくれたのはピアニストのKYOさん。トム・ウェイツのカバーなんかも演奏しつつしっとりとイベントの幕開けを彩った。しかし、3曲の予定だと言ってたのにも関わらず演奏した曲数が4曲だったのでここですでに予定時間より十分以上押してしまう(笑)。
そして、フェルマータでのライブは何気に一年ちょっとぶりになる、なりたゆなちゃんは最初から最後まで弘前の食べ物について語るモードに入り、その説明のカジュアルさと記憶の曖昧さにより聞いていた人たちは思わずスマホでググってしまう、という巧妙な罠にハマる。レストランセーブルの茶碗蒸しとナポリタンが良い、とか、青森の茶碗蒸しは銀杏ではなく栗が入っているのが普通だとか、最近中みそラーメンというデパートっぽい建物にある机ベタベタで野菜の量が半端ないラーメン屋がおいしかったのに閉店してしまったのが残念だとか、味噌カレー牛乳ラーメンを給食でやるのが楽しかっただとか、山田商店の大学いもが本来の大学いもの姿であるべき論だとか、そんな話が一方的に盛り上がり、ライブもそれなりに盛り上がり、ここまでで20分押しくらいとなった。
最後に畠山さんが登場し、ボヘミアンラプソディーやらNo Woman No CryやらTSUNAMIやらのみんなが知っている名曲を微妙に聞き取れたり聞き取れなかったりする津軽弁バージョンで歌いあげるというご機嫌な津軽弁ロックンロールをぶちかましてオーディエンスを盛り上げ、まだまだ演奏は続きそうに思えたが、もうこの時点で予定のタイムテーブルよりも40分押しとなり、アフターパーティーのために注文していた中華料理のオードブルが冷める、という理由により店主がタオルをリングに投げ込み、満場一致の上一時停戦となり、中華料理を囲んだ第二ラウンドでは、店の入り口が分からずに立ち往生し、漏れ音に耳を澄ましていた話や、あらゆる単語やフレーズを微妙に聞きまつがう某女性カメラマンの妙技が皆のツボにハマり、誰もお酒を飲んでいないのにも関わらず一見何の共通点もなさそうな年齢層も微妙に離れている五人でゲラゲラと笑いながら盛り上がり、てっぺんを回ったところで、次回は10月20日に、という流れが決まり、それぞれのキャラクターたちはそれぞれがやって来た自家用車に乗り込んで帰路につき、おもちゃは全て玩具箱へと再び収まり、お月様は高く白く丸く空に浮かび、秋の気配を増していく夜は更けていきそしてやがて朝になった。
朝になって私は思う。ピッザも偉大だが、やはり中華も偉大だ。
(フェルマータ店主 KAORU)
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