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「グループホームのお婆ちゃん」

寿命研究家を名乗っていることもあって、おかげさまで最近はもれなく寿命を聞かれるようになりました。
「不器用ですから・・ありのままを答えてしまう馬鹿な男でございます」(健さん!)
万一、予定よりも早死にするようなことがあっても化けて出ないでくださいまし。

さて、日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳となっています。
私の母は現在89歳。なぜか平均寿命を越えると儲かったような気持ちになります。
母がお世話になっているグループホームで先月こんなことがありました。
そこではお爺ちゃんとお婆ちゃん合わせて9名が同居しています。
全員が認知症です。
歩ける人も、車椅子の人もいます。
愉快な人も、無口な人もいますが、私の母は少し暴力的なところがあり施設内では職員の手を煩わせるヤクザな存在です(双子座)。
ところが、そんな母が苦手とする天敵のお婆ちゃんがいます(いて座・95歳)
その天敵のお婆ちゃんが、ある日ヨタヨタと歩いている母に向かってこう言いました。
「あんた、足が全然上がっとらんじゃないの!」(目撃した介護職員の話による)
その言葉にカチンときた母は(何くそ)と片足を高く踏み出したのです。
そして見事に転倒。
左大腿骨頸部を骨折してそのまま手術入院となったのです。

これは母が転んだ日のホロスコープです。

T火星とN土星の90度は不運のアスペクト。ブログで繰り返し書いてきた事故運です。
N海王星と合わせてTスクエアが完成。こんな時はボーッとして災難が起こりやすい。
T太陽は移動中の出来事を暗示、N月との180度は精神的なイライラ感です。
(気を付けろと言ったところで運命は変えられません)

母は術後の痛みの中、すぐに誤嚥性肺炎を起こしてしまいました。
酸素マスクを付けられ輸血されるのを見るとさすがにヤバい雰囲気が漂います。
点滴でやっと命をつなぐことになった母は燃え尽きたマッチ棒のように痩せ細りました。
天井を指さして誰かと話す姿は私の目からも正直もうダメかなと思ってしまう容体でした。
しかし占いによる推定寿命は93歳。
あと4年近くある計算です。
そのことだけが唯一の拠り所でした。

そして術後1ヶ月。
母は食生活も日常に戻り、車椅子に乗ってリハビリテーションに励んでいます。

そんなある日、偶然にもグループホームで微笑ましい光景を目撃しました。
私が母のリハビリテーションを見学していると、横から天敵のお婆ちゃんが一言。
「かかとが、全然上がっとらんじゃないの!」(宿命のライバルです)

  おしまい


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