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毎日はやっていない、ということ

岩泉に引っ越してきてはやくも一年半以上、住み始めて当初は「素敵なお店なのに、なんで毎日やってないのかな〜」なんて思ったりするスポットが三陸沿岸には多いように感じていました。

これまで、そこそこの規模の市に住んでいる期間が長かったことと、職業柄「行けそうな時間ができた時にすぐ行ける」という条件が、お店を訪ねる上で結構大事なポイントだったからです。

ところが、岩泉に引っ越してきて、子どもが生まれ、ある意味強制的に生活スタイルが変わったことで「毎日やっていないこと」に対する気持ちが自分の中でだいぶ変化していることに気づきました。

例えば、3日前には予約しないとランチに行けない絶景レストラン「ロレオール」、月に数回しか買えない「龍ちゃん焼き」、10人前からでないと頼めない「瀬戸屋旅館」のお弁当、連絡しないと食べられない雑穀ランチ、手紙で予約しないと行けないお宿・・・などなど

(写真は龍ちゃん焼き、一個100円)

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観光客のように、たまーに(もしくは一生のうち一回?)しか三陸方面に来ない人にとってはなかなか手に入らない、経験できないものがたくさんあったりします。(そして、インターネットで調べてもなかなかわからないものもある)

住民目線になってみると、たまにしか行けない、やっていないということが、逆に日々の生活の中で楽しみになっていることに気づきました。このコロナ禍の影響もあり、地域の中で生活することに通常よりも目が向いていたからかもしれません。今日は、あそこのお店がやっているから、とか、おばあちゃんの誕生日だからあのお弁当を注文して家族で食べよう、とかそういった日々の生活の彩になってくれています。

また、商店街にある喫茶店の営業支援を少しだけお手伝いしてきたことで、営業する側にとっても毎日ただお客さんを待っているより、営業日を絞ることで生産性があがることがわかりました。そして、営業日以外は、畑仕事をしたり、趣味の活動をしたり、他の仕事をしたり、みなさん忙しいのです。人口が多い地域とは全く違う戦略で、それぞれのお店が稼いでいてとても面白いなと思います。ある意味、生産性の高い、最先端の働き方なのかもしれません。

これからもジグソーパズルのように、それぞれのお店や場所の情報を予定に組み込みながら三陸生活を楽しみたいと思います。

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