【葬送のフリーレン】言葉・場面のリフレイン:魔法は好き?
漫画「葬送のフリーレン」には、様々なリフレイン(繰り返し)が組み込まれています。それらを意識しながら読み進めるのも、この漫画の一つの楽しみだと考えています。リフレインの種類についての概要はリンクを参照して頂き、以下では具体例について紹介します。
対象は単行本全10巻97話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。
本記事で紹介するのは、言葉・場面のリフレインの「魔法は好き?」です。
「魔法は好き?」について
漫画「葬送のフリーレン」では、「魔法は好き?」という言葉や、それに類似した表現が繰り返し出てきます。その言葉の前後では、各登場人物の魔法との距離感やその理由が記述されており、個性を理解する一つの切り口だと考えています。
具体例を通して、各登場人物の魔法との距離感やその理由を整理・考察していきます。
「魔法は好き?」の具体例
フリーレン
フリーレンは、魔法がほどほどに好きです。ただ、フランメと出会った頃はまだ、魔法が好きとはっきり言えるほどでした。距離感が変わったのはフランメの修行を50年間受けた後で、おそらく戦いと復讐のための魔法しか教わらなかったためだと考えられます。
そのような魔法を教えたフランメに対して、フリーレンは「後悔しているの?」と質問しましたが、フランメは「いいや」と返しました。ただその後、建前上は墓石の周りに花を添えるという目的で、フランメの一番好きな「花畑を出す魔法」を教えています。好きになった理由まで教えているので、実はフランメは、フリーレンの魔法に対する好意が変わったことを気にしていたと考えられます。
フェルン
フェルンは、魔法がほどほどに好きです。フリーレンもほどほどに好きですが、フリーレンほど好きではないと思っています。
ほどほどである理由は、フェルンにとって魔法は、一人で生きていくための単なる手段であると捉えているからだと考えられます。ただフリーレンはフェルンに対して「でも魔法を選んだ」と更に深く問いかけることで、フェルンはハイターに魔法を教わった原体験を思い出し、おそらく以前の「ほどほど」よりかは「好き」寄りに気持ちが変わったと推察されます。
フェルンが魔法を「好き」であると、ハイターが多少勘違いしているのも、上記の原体験の記憶に引きずられているためだと考えられます。
リュグナー(魔族)
リュグナーは、魔法が大好きです。魔族は平気で嘘をつくので正直真偽は分かりませんが、魔族の生態に詳しいフランメが、魔族は魔法が好きと言っているので、おそらく本当に好きなのでしょう。
魔法が好きな理由については、人生の大半を掛けて研鑽し、そのことに誇りを持っているからだと考えられます。フリーレンも同様に、人生の大半を掛けて魔法を研鑽していますが、誇りを持っていない、もしくは意識的に誇りを持たないようにしているため、魔法に対して「ほどほど」という距離感なのだと推察されます。
ゼーリエ
ゼーリエが魔法を好きかどうかは明言されていませんが、ゼーリエは弟子に好きな魔法を聞く癖があります。その質問はゼーリエが取った弟子全員にしているようで、その理由は分かりません。ヴィアベルのように好きな魔法がない人も弟子に取っているので、弟子にする基準というわけでもありません。
私の考える理由は、一人一人の性格を把握するためではないかと思っています。(得意とする魔法と好きな魔法は違いますが)ユーベルが言うように、その人の使う魔法は人間性に係わっていると考えられます。またエルフという種族は、フリーレンのように人間の感情を直接読み取るのが不得手と思われるので、魔法を通じて性格を把握するほうが効率的と、ゼーリエは判断してるのだと推察しています。
その他
フランメ、デンケン、メトーデなど、上記で紹介していない各登場人物の魔法に対する距離感については、「葬送のフリーレン」を読み返す際にぜひ、ご自身で発見してみて下さい。
まとめ
漫画「葬送のフリーレン」では、「魔法は好き?」という言葉や、それに類似した表現が繰り返し出てきます。その言葉を中心に、魔法に対する距離感やその理由などを考察することで、各登場人物の性格や個性を深く理解することができます。それによって「葬送のフリーレン」をもっと好きになって頂けると嬉しいかなと思います。
長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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