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【葬送のフリーレン】3月のライオンとの共通点と相違点

葬送のフリーレンと他作品との関連性について考察し、幅広い観点で作品を楽しむことを目的として、様々な記事を書く予定です。

本記事では、3月のライオンとの共通点と相違点を、考察したいと思います。

ちなみに3月のライオンの作者である羽海野チカさんは、葬送のフリーレンを視聴しているらしいです。


漫画「葬送のフリーレン」の記述内容は、単行本4巻37話(大体アニメの範囲)まで、漫画「3月のライオン」の記述内容は、単行本9巻94話(大体アニメの範囲)までを含みますが、大きなネタバレになるような箇所は避けるようにします。



葬送のフリーレンとは

いまさらですが、以下が葬送のフリーレンの概要です。

魔王を倒した勇者一行の“その後”。
魔法使いフリーレンはエルフであり、他の3人と違う部分があります。
彼女が”後”の世界で生きること、感じることとは--
残った者たちが紡ぐ、葬送と祈りとは--
物語は“冒険の終わり”から始まる。
英雄たちの“生き様”を物語る、後日譚(アフター)ファンタジー!

原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第1巻 紹介文より
https://www.shogakukan.co.jp/books/09850180/

3月のライオンとは

いまさらですが、以下が3月のライオンの概要です。

その少年は、幼い頃すべてを失った。
夢も家族も居場所も──。
この物語は、そんな少年が失くしたものを少しずつ取り戻していくストーリー。

原作:羽海野チカ 漫画「3月のライオン」紹介文より
https://younganimal.com/series/8f7368e602ae0

両作品の共通点(と相違点)

基本的には類似作品とは呼べない両作品ですが、個人的に似ているなと思った所は3点あります。

人の温もりを知る旅

まず両作品とも、大まかに言うと主人公が「人の温もりを知る旅」だと言えます。

3月のライオンの主人公である桐山零は、幼い頃に家族を失い、父親の友人だった棋士に拾われます

父親の友人の棋士に拾われる桐山零
原作:羽海野チカ 漫画「3月のライオン」第9話より

零はそのまま将棋の才を伸ばし、15才でプロ棋士になりますが、色々あって拾われた家から去り、一人暮らしを始めます

家族も居場所も失くした零は、それでも将棋に打ち込みますが、自身の停滞を感じていた時に、川本家の人々と出会います

川本家と出会う桐山零
原作:羽海野チカ 漫画「3月のライオン」第3話より

その出会いをきっかけに、人と交流することの温もりを知っていき、零は今まで失ったものを少しずつ取り戻します。

上記は大まかな流れですが、葬送のフリーレンも大まかには似ていると考えています。

葬送のフリーレンの主人公であるフリーレンは、幼い頃に魔族に故郷の村を奪われ、たまたま通りかかった魔法使いのフランメに拾われます

魔法使いのフランメに拾われるフリーレン
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第21話より

フリーレンは魔族への復讐のために魔法使いの才を伸ばしますが、フランメの遺言により、しばらくは一人で孤独に旅を続けます

その旅の途中からは、魔族への復讐もためらうようになり、迷子のように森で過ごす日々を続けていた時に、ヒンメル達と出会います

ヒンメル達と出会うフリーレン
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第27話より

その出会いをきっかけに、人と交流することの温もりを知っていき、フリーレンは今まで経験することのなかった感情を理解していきます。

(フリーレンの場合には、正確にはヒンメルの死後に色々と人の温もりを理解することになります)

細かい所は当然違いますが、上記のように「人の温もりを知る旅」の流れが似ていると感じました。

相違点としては、葬送のフリーレンは文字通りの移動を伴う旅なのに対して、3月のライオンは川本家のある三月町を中心とした比喩的な旅であることです。


非情なるものの存在

また両作品とも、主人公達の前に「非情なるもの」が登場します。

まず相違点としては、その「非情なるもの」が、葬送のフリーレンでは主人公達とは異なる種族の魔族ですが、3月のライオンでは主人公達と同じ人間です。

ただ不思議なことに、3月のライオンで描かれる「非情なるもの」も、葬送のフリーレンの魔族と同様に、人の心の弱い部分を、言葉を用いて容赦なく突いてきます

容赦なく人の心の弱い部分を突いてくる
原作:羽海野チカ 漫画「3月のライオン」第69話より
容赦なく人の心の弱い部分を突いてくる
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第15話より

「非情なるもの」がそれを、あまり悪意なくやっているということも、両作品で似ている部分です。

あまり悪意を感じていない「非情なるもの」
原作:羽海野チカ 漫画「3月のライオン」第70話より
あまり悪意を感じていない「非情なるもの」
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第18話より

細かい所は当然違いますが、上記のように「非情なるもの」の存在が似ていると感じました。

もう一つ相違点としては、その「非情なるもの」への対応が、葬送のフリーレンはゾルトラークなどで討伐するのに対し、3月のライオンは相手を討伐するわけにはいかないので、もっと複雑です。


もどかしい恋愛模様

最後に両作品とも、「もどかしい恋愛模様」が描かれています。

両作品ともに、様々なペアが登場しますが、一番似ていると思ったのは、3月のライオンの桐山零と川本ひな、葬送のフリーレンのシュタルクとフェルンです。

両方のペアともに、お互いのことを大切な存在だとは認識していますが、最初の出会いから「家族」に近い感じで寝食をともにしているので、なかなか恋愛に発展しません。

もどかしい恋愛模様
原作:羽海野チカ 漫画「3月のライオン」第54話より
もどかしい恋愛模様
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第30話より

たぶん両ペアともに、読者はザインのような感じになるのでしょうか(笑)

原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第35話より

一応付言しておくと、3月のライオンのほうが、複雑な関係性として描かれている印象です。


共通点・相違点まとめ

人の温もりを知る旅

・両作品とも、主人公の「人の温もりを知る旅」が描かれている。
・その旅に至るプロセスも似ている。
・葬送のフリーレンは実際の旅、3月のライオンは比喩的な旅。

非情なるものの存在

・両作品とも、主人公達と対峙する「非情なるもの」が登場する。
・言葉で容赦なく人の弱い部分を突いてくる。
・葬送のフリーレンは種族の違う魔族、3月のライオンは同じ人間。

もどかしい恋愛模様

・両作品とも、「もどかしい恋愛模様」が描かれている。
・「家族」のような存在からスタートしている。
・3月のライオンのほうが、関係性としては複雑。


まとめ

本記事では、葬送のフリーレンと3月のライオンとの共通点と相違点を考察しました。

片方の作品のファンの方も、本記事にて作品の共通する部分を感じ、もう一方の作品を見るきっかけになれば、幸いです。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます。

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