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【葬送のフリーレン】アニオリ要素一覧:第11話・第12話

アニメ『葬送のフリーレン』は、基本的に原作漫画のストーリー・表現を忠実に再現していますが、幾つかアニメオリジナル(アニオリ)の描写が含まれています。

例えば以下記事のように、アニメに登場する世界地図は、原作漫画よりも詳しく描かれています。

本記事では、アニメ『葬送のフリーレン』第11話・第12話に登場する、アニオリ要素を紹介します。

原作漫画の表現の範囲内で、演出として差し込んでいる描写は、対象外とします。(境界線は難しいですが…)

あくまで私が気になった部分なので、全てのアニオリ要素ではないことは、ご了承ください。


漫画「葬送のフリーレン」の単行本全11巻107話までの記述内容を含むので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。



第11話

戦士の弔い方

グラナト伯爵の息子の遺体を、部下が見つけた際に、その遺体の前で両手を合わせて祈る場面が、アニオリとして追加されていました。

両手を合わせて祈るグラナト伯爵の部下達
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

細かいですが、原作漫画では、部下は右手を左胸に当てる形で祈っていました。

原作漫画では右手を左胸に当てて祈っている
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第23話より

また、後日にグラナト伯爵の息子を含めた、合同葬が行われた際は、参列者全員右手を左胸に当てて祈っていたので、おそらくプライベートな祈りは両手を合わせる形、パブリックな祈りは右手を左胸に当てる形というふうに、祈り方を区別したかったのだと推察しています。

右手を左胸に当てて祈る参列者達
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より


小屋が一緒?

フリーレン一行が雪の中で遭難し、なんとかシュベア山脈の麓の小屋へ辿り着いた際に、以下のような小屋が左に映る場面が登場しました。

シュベア山脈の麓にある小屋
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

なんか見たことあるなと思ったら、第1話の魔王討伐後のフリーレン一人旅にて、吹雪の中を歩くフリーレンの場面とほぼ一緒でした。

魔王討伐後のフリーレン一人旅にて立ち寄った小屋
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第1話より

第11話自体が、作画枚数を工夫して削減した描写が多いため、おそらくこれもその工夫の一つだとは思いますが、もしかしたらフリーレン一人旅の中で、シュベア山脈の麓に来ていた可能性があるかもしれません。

ただ、フリーレン自身は中央諸国を巡ると言っていたので、やっぱりシュベア山脈の麓に来ていた可能性は低いですね。

中央諸国を巡ると発言するフリーレン
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第1話より


ジャンボベリースペシャル

シュタルクが雪山の冷気で体温が低くなり、小屋の中で気を失っていた際に、夢の中でジャンボベリースペシャル(と師匠)が映る場面が、アニオリとして追加されていました。

夢の中のジャンボベリースペシャルと師匠
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

これはシュタルクが気を失う前に呟いた、以下のセリフを受けてのことだと考えています。

気を失う前にジャンボベリースペシャルと呟くシュタルク
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第24話より


食事前の祈り

シュベア山脈の麓の小屋で、クラフトとともに冬を過ごす際に、フリーレン一行が徐々に食事前の祈りを始めていく場面が、アニオリとして追加されていました。

クラフトとフェルンのみが食事前に祈っている
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より
シュタルクも食事前の祈りに参加
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より
フリーレンも食事前の祈りに参加
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

原作漫画では、女神様を信じているクラフトとフェルンのみが祈っていますが、ともに過ごすに連れて、その習慣がシュタルクやフリーレンにも伝染していくのは、面白いアニオリでしたね。

クラフトとフェルンのみが食事前に祈っている
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第24話より


動物の死骸とそれを食べるキツネ

フリーレンとクラフトが、女神様を信じるかどうかの会話をしていた際に、会話の途中で動物の死骸が映る場面が、アニオリとして追加されていました。

フリーレンとクラフトとの会話の途中で映る動物の死骸
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

また、その死骸を食べようとするキツネも登場し、最後は落ちてきた雪で逃げていく場面も追加されていました。

フリーレンとクラフトとの会話の途中で映るキツネ
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

原作漫画では、特に動物が映ることもなく、2人の姿のみで会話が進行しています。

フリーレンとクラフトとの会話では2人の姿のみ映っている
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第24話より

この一連の場面の解釈については、長くなりそうなので、後日別記事にて説明する予定です。


シュタフェル①

フリーレンの勇者一行での冒険の回想の後に、屋根の上で作業するフェルンとシュタルクの場面が、アニオリとして追加されていました。

屋根の上で作業するフェルンとシュタルク
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

絶対制作陣の中に、シュタフェルガチ勢がいると思います。


クラフトへの別れの挨拶

クラフトとの別れのシーンで、シュタルクとフェルンが別れのセリフを言う場面が、アニオリとして追加されていました。

クラフトに別れのセリフを言うシュタルクとフェルン
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第11話より

よくよく考えれば、2人にとっては今生の別れですもんね。


第12話

フェルンがフリーレンを背負うまでの流れ

話の冒頭で、フリーレンが雪山を歩いている途中で、眠気により倒れ、誰が彼女を背負うのかを、フェルンとシュタルクが話し合う場面が、アニオリとして追加されていました。

フリーレンを背負うと言った時の、シュタルクの手つきがなんか怪しかったので、結局フェルンが背負うことになりました。

眠気で倒れるフリーレン
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より
フリーレンを背負うと言ったシュタルク
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

原作漫画では、いきなりフェルンがフリーレンを背負う場面が登場しますが、その背景となるストーリーを、アニオリが補完していました。

原作漫画ではフェルンがフリーレンを背負っている理由の説明はなし
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第25話より


勇者一行の笑顔

フリーレンが眠気で倒れた際に見た、勇者一行との旅の回想にて、その最後にヒンメル・ハイター・アイゼンが、互いに笑い合っている場面が、アニオリとして追加されていました。

フリーレンの夢の中で笑うヒンメル
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

たぶん実際の記憶なのだとは思いますが、多少幻想的にその笑顔の場面を描くことで、その直後のフリーレンの「夢か」というセリフに、説得力を持たせる意味があったと考えています。

その夢の中の笑顔は、もしかしたらフリーレンの作り出した記憶なのかもしれませんが。


フリーレンとシュタルクのフラッシュバック

聖域の中に、まだ勇者の剣が刺さっていることが判明した際に、その事情を話した後のフリーレンの頭の中に、一瞬だけヒンメルの回想がフラッシュバックする場面が、アニオリとして追加されていました。

フリーレンの頭の中でフラッシュバックするヒンメルの記憶
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

またシュタルクも、勇者の剣を見ながら、頭の中で兄のシュトルツの顔がフラッシュバックする場面が、アニオリとして追加されていました。

シュタルクの頭の中でフラッシュバックするシュトルツの記憶
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

両者のフラッシュバックともに、それぞれの「本物の勇者」が映されており、フリーレンは過大評価されたヒンメルを、シュタルクは(その時点のシュタルクの記憶の中で)過小評価されたシュトルツを、勇者として思い浮かべているのが、対比となっています。

その後のハンバーグのエピソードの中で、シュタルクはシュトルツの偉大さや思いやりに気付いて、彼への尊敬を深めます。


トランクの中の指輪

フリーレンがトランクの中身を整理をしようとした際に、そのトランクの中にある指輪に気付く場面が、アニオリとして追加されていました。

トランクの中の指輪に気付くフリーレン
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

これは漫画「葬送のフリーレン」第30話の「鏡蓮華」というエピソードと関係しており、ヒンメルとの繋がりを表す描写でもあります。


ヒンメルだったらきっと逃げなかった

シュタルクが過去に故郷の村が魔族に襲われた際に、自分だけ逃げてしまったことを、フェルンに伝えた場面で、「ヒンメルだったらきっと逃げなかった」というセリフが、アニオリとして追加されていました。

故郷から逃げたことをフェルンに伝えるシュタルク
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

これはシュタルクのヒンメルへのあこがれを示すとともに、この時点では兄のシュトルツを過小評価しており、魔族に対して逃げない存在として思い浮かべなかったことを、強調したかったのだと考えています。


シュタフェル②

おい、手が近えよ!!シュタフェルガチ勢が絶対にいるだろ!!

おい、手が近えよ!!
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

原作漫画では、そんなに手が近くありません。

原作漫画では適度な距離のフェルンとシュタルク
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第25話より

ちょっと場面は戻るけど、街の中でフェルンがシュタルクを見つけた時の表情も、恋してる表情だったよ!!

シュタルクを見つけたフェルン
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より


フェルンの「えっち」発言が多い

シュタルクへの誕生日プレゼントとして、服だけ溶かす薬を渡そうとするフリーレンに対して、フェルンが妨害しますが、それが何かを聞くシュタルクに対して、2回「えっち」と言いました。

シュタルクに対して2回「えっち」というフェルン
原作:山田鐘人・アベツカサ 監督:斎藤圭一郎 アニメ「葬送のフリーレン」第12話より

原作漫画では、「えっち」発言は1回だけです。

シュタルクに対して「えっち」というフェルン
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第25話より


まとめ

本記事では、アニメ『葬送のフリーレン』第11話・第12話に登場する、アニオリ要素を紹介しました。

全体的に第11話・第12話は、本記事で紹介していない細かいアニオリが大量にあったので、ちょっと選定に苦労しました。

他に紹介していないアニオリ要素がありましたら、コメント欄にて教えていただけると有り難いです。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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