長野県上田市「モロモロなリベルテ」
6月21日、22日と、長野県上田市にあるNPO法人リベルテに、ワークショップをしに行って参りました。
(リベルテさんのFBページ)
https://www.facebook.com/NpoLiberte/
リベルテさんでワークショップをさせてもらうのは、
今回で3回目。
でも、始まってみればみんなの身におきた事件だけでなく、普段思ってることや「最近の課金事情」などを話しながら、いつものみんなの裏側をお互いが覗き合うような話し合いに。
そこから「では、皆様の人生で起きた事件をお聞かせください」と僕が言い終わる前に、以下の写真のように僕の目の前にドスンと座り込み、
「居酒屋の大将と大喧嘩になった」という衝撃ストーリーを大興奮で話し始める方が登場。笑
もっと酒を飲みたかったけど、大将に断られ、仕方なく大将に水をおかわりしまくってたら、大将から「お前に飲ませる水はねえ!」と、冗談のようなキレられ方をされ、逆ギレ仕返し、お互い怒鳴り合いになり、、、
という、なかなかにバイオレンシーなお話。
かなり嬉しそうに話しつつ、興奮もしていたので、
「これは客観的にはなりづらいかな、、」
と思いつつ、再現スタート。
ご本人に本人役を演じてもらって、しっかり再現。
当時の剣幕が再現され、周りを取り囲んでるみんなで爆笑。
床を叩いて怒るご本人さん。
その後、ご本人さん役を別の方にお願いして、ご本人は外側から見ることに。
別の方が演じたものも、もちろん楽しく、ちゃんと本人さんの動きや表情をなぞりつつ、独自の「この水はうまい」みたいなオリジナル外伝から、大げんかへ。
それらの流れを真顔で見ていたご本人さん、感想を聞くと、
「…なんか…スッキリしました。」
とのこと。さっきまであんなに怒ってたのに!?笑
「…すごい腹たってたけど…初めて客観的になりました。」
と、ご自分でも不思議に思うくらい、それまでの感情がどこかに行っちゃった感じで、極めて冷静なお言葉。
冗談のように、まさにつきものが取れたみたいな顔をしてて、面白かったです。
あと、なんだっけこれ?赤ちゃんが泣いてて、それをあやした話だっけ?
これもすごい笑ったなあ。。
その後、もう1度「ワレワレのモロモロ」ワークショップを開催。
こちらはまた特殊な回で、メインの話題となったのは、
「せっかくなので、皆さんに僕の幼少期の謎を解いて欲しいです」
と話し始めた、スタッフさんの幼少期の話。
「飼っていたザリガニの水槽を洗おうと、ザリガニを水の入ったバケツに入れて、家のまえの道に何分か置いといた。
そして水槽を洗い終え、水もきれいになったのでザリガニをとりに家の前に出ると、バケツの中にザリガニの姿はなく、代わりにウーパールーパーが入っていた」
とのこと。
この謎について、1時間くらい全員で推理しまくるという回でした。
10人ほどの参加者がいて、タイムアタックで色々な考察を出してもらったら、めちゃくちゃな方向から推論が出てきます。
・元々、ウーパールーパーがザリガニの皮をかぶってた
・料理屋の父が、伊勢海老がわりに盗み、代わりにルーパーを入れた
・近所のドッキリ付きが入念に準備をしてすり替えた。全てはビデオで撮影してある。
などなどがあり、一番ぶっ飛んでいたのは、
・この事件が起きる8歳までのスタッフさんが、実はザリガニだった。そこでバケツの中のルーパーに触った瞬間に、スタッフさんは今の姿になった。
みたいな推理。ぶっ飛びすぎている。時空がよれまくっている。
そんなこんなをみんなで話してぶっ倒れたりして、ものすごく面白かったです。
その後、「ちょっといきなり本読み!」を開催。
地元の演劇関係の方々も来てくれて、みんなで読み合わせ!
凄まじく盛り上がります。めちゃ楽しい。
そして翌日は「屯(とん)」でのトークイベントへ。https://npo-liberte.org/
鈴木励滋(れいじ)(https://www.facebook.com/suzurejio)
さんと僕が話す感じでした。
リベルテでは僕がワークショップをやるのと同時に、
「リベルテにみんなで泊まろう」というイベントをやっていました。
これも「どういうこと?」と思い話を聞くと、かなり面白い。
通常、街の中にある精神障害の方が寄っていったり働いていたりする施設というのは、街の住民とは一定の距離感があるというか、あまり交流がない。
でも武捨さん佃さんがいるリベルテや、横浜近辺で鈴木励滋さんが関わっている施設は、その「一定の距離」をなんとかしたくて、色々なことをしている。
街に開かれた施設として、カフェをやっていたり、みんなで作ったものを売ったり、またはアーティストを呼んで、施設と街を混ぜるような活動をしている。
今回「リベルテに宿泊する」という企画では、アーティストの山川陸さん(https://x.com/rickymkw)も一緒に、みんなでリベルテに泊まってみるというもの。
基本的には、災害が起きた時のための訓練の一環として、施設に泊まってみるということをしておこう、という固めの動機のものなんだけど、それをただ「訓練」としてやるんじゃなくて、
「いつも行ってる学校に、今日だけ泊まっちゃってみません?」
というワクワクに変換しているのが見事すぎる。
「いつものあの場所の、、、夜の顔を見ませんか、、?」ですね。笑
これは楽しそうで、近所の人も来たくなっちゃうはず。
そうやって、その場所がどういうつもりかによって、いくらでも街と交流することができることの証明のようなことをやっているのが、リベルテ。
「僕らは会いたいですよ。開いてとりあえずやってみますよ〜夜な夜なやってたりもしますよ〜。おもろい子いっぱいいますよ〜」
というリベルテのムードがまた、とてもいいなあと思ったのでした。
というお話をしつつ、鈴木励滋さんからも続けてお話が。
「でも、世の中の、心身に障害を持った人たちの施設っていうのは、メンバーに表現活動とか、そういったことはできるだけさせずに、黙って仕事だけさせてるのがほとんど。これを変えていきたくて、自分はいろんな場所にアーティストを連れていってる。」
そんなうちの「連れていってもらった」1人が僕なのでした。
僕自身、最初は「精神障害」がどういうものなのかもわからなかったので、
「せっかく誘ってもらったけど、僕は向いてないと思います」
と断っていたんだけど、励滋さんは何度も声をかけてくれて、
「じゃあ、とりあえず、話をするだけ、行ってみます」
と、鶴ヶ峰の「むくどりの家」にお邪魔させてもらうようになりました。
そこに行って、自分が
「元々引きこもりだったけど、そこから外に出るようになって、自分の話を台本に書いたりしていって、、、」
という話をしたら、みんなが面白がってくれて、
そこからだんだん「ワレワレのモロモロ」のワークショップをやるようになっていった。
ワレモロのワークショップも、いつもやっている俳優向けのものじゃないので、毎回途中でぶっ壊れたりするんですね。元の話になかったことをいきなりやり出しちゃう人とか出てきて。
でもそこは僕も、作品を作る場ではないし、
「みんなでやってみよう」の場だったので、ただ面白がっていた。
そうこうしているうちに僕の方で、なんだか発見があったんです。
あ、演劇って別に、
「準備できたものをお披露目する」
ものとは限らないんだ。と。
いつも僕がやってきたものは、3ヶ月以上時間をかけて台本を書いて、1ヶ月間、地下にこもって練習をして、その果てに2週間ぐらいお客さんに見せる、という、謎の「誰にも見られず何ヶ月間修行しないといけない」みたいなフォーマットがあって、それを無自覚に繰り返してきていたんだけど、改めてワークショップで遊んでみていた時に、
準備はできてないけど、とりあえずやってみてる時の方が面白くて、みんなが生かされている時間がある。
という、大いなる気づきに至ったわけです。
この体験がなかったら、僕が今やってる活動
・一般の方向けのワレワレのモロモロ
・一般も俳優も混ざった形のワークショップ類
・「ちょっといきなり本読み!」
・「いきなり本読み!」
この辺りは、だいぶ違う形にのものになっていたか、やっていなかったかもしれません。
ということで、今では僕の方がお願いして通わせてもらってる感じです。
トークイベントでは、そんなお話をさせてもらいました。
なんというか、
作家はモノを作って発表、を繰り返させられてるだけだと、死んじゃいます。みたいなことです。
そして改めて励滋さん、そして「むくどりの家」やBaseCampのみなさん、そしてリベルテのみなさん、本当にありがとうございました。
だいたいそんな感じの日程でした。
かなり過密スケジュールだったけど、それぞれにすごく意味が詰まっていて、本当に楽しかったし、成長できた気がします。
そして、「ワレモロのワークショップを仕切りたい!」と言ってくれる人が現れたり、「屯(とん)」で初めて、BAR開催の「ちょっといきなり本読み!」を有観客でやってみたりができたので、次にまたやりたいことがババーンと増えるような活動になったと思っております。
また行きますぞ!上田〜!長野〜!
同じ日のリベルテ職員 佃梓さんの投稿(FB)
こちらはリベルテさんの記事。